海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン6 第3話の後半から、エイミーを巻き込んだことを悔やむニールに、モジーが同じ出来事の別の見方を示す場面を取り上げます。自分を責める側の言葉と、それを言い換えて励ます側の言葉が、短い会話の中で向き合っています。
届かなかった慰めとの比較も交えながら、自責の表し方、見方を変える一言、仮定法を使った言い換えまで、順番に見ていきます。
「I never wanted to be this guy」に表れる自責と、届かない慰め
ニールがエイミーのことを気にかける様子は、中盤からすでに描かれています。夕食の最中、ピーターからの電話にニールはこう打ち明けます。
Neal: I really like her, and I think she likes me too. It’s gonna kill her when she gets home and discovers that disk.
(彼女のことが本当に好きなんだ。向こうもそう思ってくれてると思う。家に帰ってあのディスクを見つけたら、彼女はひどく傷つくよ。)
Peter: Well, maybe she won’t connect it with you.
(まあ、お前と結びつけないかもしれないだろう。)
Neal: Come on, when she left her house, she didn’t have the disk, and after seeing me, she does? What else could she think?
(よしてくれよ。家を出たときにはディスクを持ってなかったのに、僕に会った後には持ってる。ほかにどう考えるっていうんだ?)White Collar Season6 Episode3 (Uncontrolled Variables)
ピーターの maybe は断定を避けた推量で、ニールは What else could she think? という反語でその可能性を退けています。起きることを打ち消そうとする慰めは、ここでは届いていません。
後半、ニールはモジーに本音を漏らします。
Neal: I never wanted to be this guy, Moz. Someone who hurts innocent people.
(こんな人間にはなりたくなかったんだ、モズ。罪のない人を傷つける人間には。)White Collar Season6 Episode3 (Uncontrolled Variables)
this guy は目の前の誰かではなく、「こういう人間」という自分自身の姿を指しています。直後の Someone who ~ は this guy を言い直す補足で、名詞句だけで言い足す形が会話らしいところです。never wanted to ~ と過去形にすることで、「そうなるつもりはまったくなかった」という悔いがにじみます。
「look at it the other way」と仮定法過去完了で見方を変える
「だます相手」をめぐるやり取りを挟み、ニールはエイミーについてこう続けます。
Neal: Well, Amy was the exception. She’s a good person, spent years trying to build her future, and I stole that from her.
(でも、エイミーは例外だった。いい人なんだ。何年もかけて自分の将来を築こうとしてきたのに、僕がそれを奪った。)White Collar Season6 Episode3 (Uncontrolled Variables)
spent years trying to ~ は「〜しようとして何年も費やした」という形で、相手の努力の長さを強調しています。これに対し、モジーは見方を変える提案から入ります。
Mozzie: Or you could look at it the other way.
(あるいは、逆の見方もできる。)
Neal: What other way?
(逆の見方って?)
Mozzie: If you hadn’t been there to protect her from Keller, she wouldn’t have had a future to steal.
(君がケラーから彼女を守るためにその場にいなかったら、彼女には奪われる未来さえなかった。)White Collar Season6 Episode3 (Uncontrolled Variables)
look at it the other way は「逆の見方をする」という言い回しで、you could ~ と組み合わせると「〜することもできる」という控えめな提案になります。冒頭の Or は、ニールの見方に別の見方を並べる働きをしています。
続く文は If + had + 過去分詞, would have + 過去分詞 の仮定法過去完了です。実際とは逆の過去を想定し、ニールの行動があったからこそ今があると言い直しています。a future to steal は、ニールの「奪った」をそのまま借りて意味を反転させた言い回しです。起きたことを認めたうえで受け止め方を変える点が、中盤のピーターの慰めとの違いと言えます。
まとめ|事実を認めて見方を変える励まし
自責の I never wanted to be this guy、見方を変える Or you could look at it the other way、仮定法過去完了の言い換えを見てきました。相手の言葉を否定せずに意味を反転させる励まし方が見えてきます。
『ホワイトカラー』を観ながら、相手を支える言葉の選び方にも注目していきましょう。
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