海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン6 第3話の前半から、ニールが市場でエイミーに声をかけ、短い雑談で距離を縮めていく場面を取り上げます。手元の物を話題にし、相手の答えを一言で持ち上げる流れに、初対面の会話を続けるコツが詰まっています。やり取りそのものは、日常の英会話にもそのまま生かせる内容です。
声のかけ方から、話を相手に返す一言、褒め言葉の受け止め方まで、場面の順に見ていきます。
手元の物から入り、答えを「practically」で持ち上げる
ニールが近づくのは、ある企業の CEO の秘書として働くエイミーです。ニールは、エイミーが手に取っていた野菜を話のきっかけにします。
Neal: It’s a kohlrabi.
(それ、コールラビだよ。)
Amy: I’m sorry?
(え?)
Neal: What you’re holding, it’s like a sweet cabbage.
(君が持ってるそれ。甘いキャベツみたいなものなんだ。)White Collar Season6 Episode3 (Uncontrolled Variables)
いきなり自己紹介をせず、相手が持っている物の名前を教える形で話しかけているのが特徴です。I’m sorry? は謝罪ではなく、「今なんて?」と聞き返す決まった用法です。ニールは聞き返されると What you’re holding と話題の物を言い直し、説明を足しています。目の前の物についての一言は、相手が答えやすい入口です。
やがてニールは、質問を相手自身に向けます。
Neal: How long you been in New York?
(ニューヨークにはどのくらい?)
Amy: Six years.
(6年よ。)
Neal: Ah, you’re practically a native.
(へえ、もうほとんど地元の人だね。)
Amy: I love everything about this city, even its vegetables. But my parents keep insisting that Iowa’s my real home.
(この街の何もかもが好きなの。野菜までね。でも両親は、アイオワこそ本当の家だって言い続けてるの。)
Neal: Oh, they’re parents, right?
(ああ、親だもんね。)
Amy: Right.
(そうね。)White Collar Season6 Episode3 (Uncontrolled Variables)
How long you been ~? は How long have you been ~? の have が落ちた口語の形で、滞在年数を尋ねる雑談の定番です。答えの「6年」に対し、ニールは practically(ほとんど、事実上)を使って you’re practically a native と返します。数字を受け流さず、相手を持ち上げる評価に言い換える相づちです。
続く Oh, they’re parents, right? は、両親の話に「親だから仕方ないよね」と共感を返す短い一言です。末尾の right? で同意を求め、エイミーの Right. を引き出しています。
「What about you?」で話を返し、相手の言葉を受け止める
続く会話では、料理人として振る舞うニールの仕事の話題から、話の向きが変わります。
Amy: Yes, but you’re doing what you love.
(そうね、でもあなたは好きなことをしてるじゃない。)
Neal: Yeah.
(まあね。)
Amy: I can hear it in your voice. Not many people get to do that.
(声を聞けば分かるもの。そうできる人ってあまりいないわ。)
Neal: What about you?
(君は?)
Amy: I’m an assistant.
(私はアシスタントよ。)White Collar Season6 Episode3 (Uncontrolled Variables)
What about you? は、相手の話を受けて「君はどう?」と同じ話題を相手に戻す一言です。自分の話ばかりにならず、相手に話す番を渡せるため、雑談を一方通行にしない役目を果たしています。エイミーの Not many people get to do that. の get to do は「〜する機会に恵まれる」という意味で、好きな仕事に就ける人は多くないという感想を表しています。
その後、ニールの部屋での夕食では、料理の知識をめぐって短い往復が交わされます。
Amy: Okay, is there anything you don’t know about food?
(ねえ、食べ物について知らないことってあるの?)
Neal: I’m always eager to learn something new.
(新しいことはいつでも学びたいと思ってるよ。)
Amy: Me too.
(私も。)White Collar Season6 Episode3 (Uncontrolled Variables)
Is there anything you don’t know about ~? は「〜について知らないことはあるの?」という形の問いで、実際には相手の詳しさを褒める働きをしています。ニールは知識を誇らず、be eager to ~(〜したくてたまらない)を使った控えめな答えで受け止めます。エイミーの Me too. で、二人の気持ちが同じ方向にそろう締めくくりになっています。
まとめ|問いかけと相づちで広がる雑談
手元の物を話題にする It’s a kohlrabi.、答えを持ち上げる practically、話を相手に返す What about you? を見てきました。質問と短い相づちを交互に置くだけで、初対面の会話が自然に続いていくことが分かります。
次回も『ホワイトカラー』の会話から、場面に合った英語の組み立てを見ていきましょう。
同じ第3話の別のコラムでは、不安を打ち明ける相手への声のかけ方も取り上げています。


コメント