海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン4第14話の序盤から、週末のサプライズ旅行に出かける前のピーターとエリザベスのやり取りを取り上げます。行き先を知りたいエリザベスと、その場では明かさないピーターの往復は、ほとんどが短い一言でできています。
ヒントのねだり方、二択への答えずらし、条件ごとの返事、探りを見抜く一言まで、場面の順に一つずつ見ていきます。
「One hint!」でねだり、「Yes.」で答えをずらす
行き先を知らされていないエリザベスは、まず二択の形で探りを入れます。
Elizabeth: Okay, should I be thinking Five-star restaurant or Cape Cod clam-bake?
(じゃあ、想定しておくのは五つ星のレストラン? それともケープコッドのクラムベイク?)
Peter: Yes.
(そうだ。)
Elizabeth: Honey, come on! One hint!
(ねえ、お願い! ヒントを一つ!)
Peter: Hon, the whole point of a surprise getaway…
(ハニー、サプライズ旅行っていうのはそもそも…)White Collar Season4 Episode14 (Shoot the Moon)
should I be thinking ~? は進行形を使った「〜のつもりでいればいい?」という確認で、服装や荷物の心づもりを決めたい気持ちが表れた聞き方です。これに対するピーターの Yes. は、A or B の問いに対する答えとしてはかみ合っていません。どちらかを選ぶ代わりに「はい」とだけ返すことで、答えたふりをしながら何も明かさない冗談になっています。
エリザベスの come on! は「ねえ、いいでしょ」と相手に折れてもらいたいときの呼びかけで、続く One hint! は Give me one hint. の動詞を省いた名詞だけのねだり方です。短いほど、軽くせがむ調子が出ます。
ピーターの the whole point of ~ は「〜のそもそもの目的」という言い方です。文の続きを言い切らずに止めているため、最後まで聞かなくても断られたことが伝わります。このあとエリザベスは、行き先が分からなければ二日分の服を全部運ぶことになると食い下がりますが、ピーターは自分の腕力を自慢して受け流します。
「Two minutes? No.」と「nice try」で、探りを受け流す
エリザベスは続けて、サラの関わる香水の発表会に寄りたいと切り出します。
Elizabeth: Oh, and you don’t mind If we go by the Parfum Bijoux event, right? Just for two minutes.
(あ、それと、パルファン・ビジューの発表会に寄るのは構わないわよね? 2分だけ。)
Peter: Two minutes? No. Two hours? Yes.
(2分? 構わない。2時間? それは困る。)White Collar Season4 Episode14 (Shoot the Moon)
you don’t mind ~, right? は「〜しても構わないよね?」と同意を前提に確かめる形です。英語の Yes と No は質問の言い回しではなく「気にするかどうか」という中身に答えるため、ここでの No は「寄ってもいい」、Yes は「困る」の意味になります。相手の数字をそのまま問い返し、条件ごとに答える返しは、冗談めかした交渉に向いています。
出発前、ジョーンズが訪ねてきている場でも、エリザベスは別の角度から探りを入れます。
Elizabeth: Honey? Your phone just buzzed. Might be the hotel. Do you remember the area code?
(ねえ、あなたの携帯が今鳴ったわよ。ホテルからかも。市外局番、覚えてる?)
Peter: My phone’s on me, hon. But nice try.
(携帯なら俺が持ってるよ、ハニー。でも、うまい手だったな。)White Collar Season4 Episode14 (Shoot the Moon)
市外局番から地域を割り出そうとするエリザベスに、ピーターは nice try で応じます。「惜しかったね」「うまいことを考えたね」と、狙いを見抜いたうえで軽く褒めて退ける決まり文句です。
発表会の会場に着いてからも、ピーターはニールとサラの前で釘を刺します。
Peter: Yes. She doesn’t know where we’re going, so nobody say anything.
(ああ。彼女は行き先を知らない。だから誰も何も言うなよ。)White Collar Season4 Episode14 (Shoot the Moon)
nobody say anything は、命令文に nobody という主語を立てた形です。動詞が says ではなく原形の say になっている点が命令文のしるしで、その場の全員に向けた口止めになります。
まとめ|ねだる側とかわす側の短い一言
二択の問いに Yes. と返す答えずらし、名詞だけで軽くせがむ One hint!、気にするかどうかで答える No と Yes、狙いを見抜いて退ける nice try を見てきました。短い一言の応酬だけで、サプライズを守る駆け引きが成り立っています。
秘密を守る側と探る側のやり取りに注目すると、夫婦の会話の温度も見えてきます。
同じ第14話のほかのコラムやフレーズ記事では、別の場面の英語も取り上げています。


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