海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン5 第8話から、夫から犯罪者だと打ち明けられたときの気持ちを、ジューンがニールに語る一言を起点にします。疑問詞の what と who を並べるだけで、「肩書き」と「その人自身」を言い分けられるのが英語の面白いところです。
ニールが自分の立場をレベッカにどう言葉にするかもあわせて、三つの場面を順番にたどっていきます。
ジューンの「what he was」と「who he was」
本話の終盤、ジューンが夫のバイロンの話をすると、ニールはこう尋ねます。
Neal: How did you feel when he told you he was a criminal?
(彼に犯罪者だと打ち明けられたとき、どう感じた?)
June: It hurt. But I loved him. And it didn’t matter what he was. It only mattered who he was.
(傷ついたわ。でも、彼を愛していた。彼が何者かは問題じゃなかったの。大事なのは、彼がどんな人かということだけ。)
Neal: I wish I could separate the two.
(その二つを分けられたらいいのに。)
June: Well, you’ll learn with time.
(時間をかければ、できるようになるわ。)White Collar Season5 Episode8 (Digging Deeper)
ニールの問いは How did you feel when ~? の形で、when 節が「打ち明けられたそのとき」に話を絞っています。漠然と気持ちを聞くより、答える側が具体的な場面を思い出しやすい尋ね方です。
ジューンの答えの中心は、it didn’t matter what ~ と it only mattered who ~ の対比です。it は後ろの疑問詞の節を指す形式主語で、「〜かは問題ではなかった」「大事なのは〜かだけ」という意味になります。what he was は、彼がどういう立場の人だったか、つまり職業や身分の側面を指します。一方の who he was は、肩書きを外した「その人自身」に目を向ける言い方です。疑問詞を一つ入れ替えるだけで、見ている側面がはっきり切り替わります。
ニールの I wish I could ~ は、現実にはできないことを「できたらいいのに」と願う仮定法の形です。the two は、直前の what と who を受けています。ジューンの with time は「時間がたつにつれて」で、すぐにはできなくても、という含みのある励ましです。
肩書きで見られることと「I’m not an FBI agent.」
肩書きと人そのものの違いは、中盤の場面でも話題にのぼります。レベッカがニールを捜査官だと思っていると知ったピーターは、なぜ訂正しなかったのかと問いただし、彼女が好きなのだろうと指摘します。それに対するニールの答えです。
Neal: She doesn’t look at me like a criminal, okay? She looks at me the way El looks at you. I don’t want to ruin that.
(彼女は僕を犯罪者として見ないんだ、いいだろ? エルが君を見るような目で僕を見る。それを壊したくない。)White Collar Season5 Episode8 (Digging Deeper)
look at A like B は「A を B のように見る」、look at A the way ~ は「〜のような見方で A を見る」です。前者が「犯罪者」という肩書きのレッテルを、後者が相手そのものを見る目を表していると読み取れます。
終盤、ニールはレベッカのもとを訪ね、こう切り出します。
Neal: But there’s something you should know about me.
(でも、僕について知っておいてほしいことがあるんだ。)
Rebecca: Okay.
(ええ。)
Neal: I’m not an FBI agent. I’m a Criminal Informant.
(僕はFBI捜査官じゃない。犯罪者の情報提供者なんだ。)White Collar Season5 Episode8 (Digging Deeper)
There’s something you should know about me. は、大事な打ち明け話の前に置く定番の前置きです。I’m not A. I’m B. と否定してから言い直す形で、ニールは自分が what としては何者なのかを正面から伝えています。
| 言い方 | 指しているもの |
|---|---|
| what he was | 職業・身分などの立場 |
| who he was | 肩書きを外したその人自身 |
| look at me like a criminal | 肩書きで人を見る目 |
| the way El looks at you | その人自身を見る目 |
まとめ|what と who で人の見え方を言い分ける
it mattered what と who の対比、I wish I could ~ の願い、look at A like B と the way ~ の違い、打ち明けの前置きを見てきました。疑問詞一つで人の見え方を言い分けられることが分かります。
『ホワイトカラー』の会話を観ながら、言葉の選び方に耳を傾けていきましょう。
同じ回のコラムやフレーズ記事でも、この回の会話を扱っています。


コメント