「She’d want to be invisible.」に見る、逃げた相手の次の一手を would で組み立てる推理の言い方|『ホワイトカラー』S05E13で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「She'd want to be invisible.」に見る、逃げた相手の次の一手を would で組み立てる推理の言い方|『ホワイトカラー』S05E13で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン5 第13話の前半から、脱走したレベッカの行動をピーターとニールが交互に推理していく会話を取り上げます。二人の台詞には「彼女ならこうするはずだ」を表す ‘d(would)が何度も重なり、相手の立場に立った推測の組み立て方がよく見えます。

would で積み上げる推測から、前提を崩す返し、確信の強い言い方まで、順番に見ていきます。

目次

「What would it be?」から始まる、would を重ねる推理

レベッカが脱走したのは前日の運動の時間だったと説明されたあと、ピーターがニールに追跡を持ちかけます。

Peter: This is what we do, Neal, you and me. Let’s track this. Her first step on the run. What would it be?
(これが俺たちの仕事だ、ニール。お前と俺のな。追跡するぞ。逃亡の最初の一歩。それは何だろうな?)
Neal: On the run, the first thing she’d do is change her appearance… quick hair cut, decent dye job. She’d want to be invisible.
(逃亡中なら、まずやるのは見た目を変えることだね……手早く髪を切って、それなりに染める。人目につかないようにしたいはずだ。)
Peter: She’d also need to be mobile. She’d get a car.
(移動手段も要るはずだ。車を手に入れるだろう。)

White Collar Season5 Episode13 (Diamond Exchange)

ピーターの What would it be? は、「逃亡中の彼女なら」という条件を口に出さずに置いた問いです。would は will の過去形ですが、ここでは過去の話ではなく、実際には見えていない相手の行動を「そうするとしたら」という仮定の上で推し量る働きをしています。

答えるニールの she’d do や She’d want to be invisible. の ‘d も would の短縮形です。’d は had の短縮でもありますが、後ろに動詞の原形(do・want)が続くときは would と判断できます。want to be invisible は直訳すると「見えない存在でいたい」で、「人目につかないようにしたい」という逃亡者の心理を指しています。

ピーターはそこへ also を添えて She’d also need to be mobile. と続けます。mobile は「移動できる状態の」という意味で、「移動手段も要る」という条件の上乗せです。ニールが見た目、ピーターが車と、二人が would の文を一つずつ足していくことで、相手の行動が順に組み上がっていく流れが分かります。

「She doesn’t need to」で前提を崩し、has to で確信を示す

車は目立たない特徴のないものがいいという条件が足されたあと、話は身分証へ進みます。

Peter: She’d also need new credentials. Who would she go to here in New York?
(新しい身分証も要るはずだ。このニューヨークで誰を頼る?)
Neal: She doesn’t need to go to anyone. She’s a professional, and every professional has a go bag.
(誰も頼る必要はないよ。彼女はプロだ。プロなら誰でも、すぐ逃げられる荷物を用意してる。)
Peter: We already have hers.
(彼女のはもう押さえてある。)

White Collar Season5 Episode13 (Diamond Exchange)

Who would she go to? は「誰のところへ行くだろう」という would の問いで、「偽の身分証を作るには誰かを頼るはずだ」という前提を含んでいます。ニールはその前提そのものを She doesn’t need to go to anyone. で崩します。don’t need to は「〜する必要がない」で、「〜してはいけない」という禁止ではありません。

go bag は、すぐに身を移せるよう必要な物をまとめておく鞄のことです。ピーターの hers は her go bag を一語にまとめた所有代名詞で、その鞄はすでに FBI 側の手元にあると返しています。

推測の確かさを強めたいときは、would の代わりに has to が使われます。本話の中盤、ダイヤの受け渡し場所が決まり、ピーターが電話で配置を指示している場面で、ニールはこう読みます。

Neal: Rebecca’s smarter than this. She has to have another plan.
(レベッカはもっと賢い。別の計画があるはずだ。)

White Collar Season5 Episode13 (Diamond Exchange)

has to have の has to は、ここでは義務ではなく「〜に違いない」という論理的な確信を表します。would が「そうするとしたら」の推測なのに対し、has to は筋道から見てほかに考えにくい、という強い見立てです。

まとめ|would で組み立て、has to で言い切る推理

What would it be? で問い、’d を重ね、doesn’t need to で前提を崩し、has to で確信を示す流れを見てきました。推測の強さを助動詞で言い分けられることが分かります。

『ホワイトカラー』の推理の場面を観ながら、助動詞の使い分けにも耳を傾けてみましょう。

このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、場面ごとの英語を取り上げています。

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