海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン5 第11話から、ピーターがレベッカを呼び出して話を聞く場面の、その裏側を取り上げます。その様子を見ていたニールとジョーンズは、レベッカの反応が本物かどうかをめぐって意見を交わします。
そこでニールが持ち出すのが、ポーカーのたとえです。反応を読む、隠すという話を英語でどう組み立てるのか、二人の会話から順に見ていきます。
「It was real, but it wasn’t for me.」と、反応が向いた先
ニールはジョーンズに声をかけ、レベッカが見せた心配は見せかけだと言います。ジョーンズの受け止め方は違います。
Jones: Nah, looked like real concern to me.
(いや、俺には本気で心配してるように見えたけどな。)
Neal: It was real, but it wasn’t for me. It’s almost impossible not to react to unpredictable news in some way. A good con knows how to turn those tells into an advantage.
(本物だったよ。でも、僕のためじゃない。思いがけない知らせに何の反応もしないなんて、ほぼ不可能なんだ。腕のいい詐欺師は、そういうサインを逆手に取るすべを知ってる。)White Collar Season5 Episode11 (Shot Through the Heart)
ジョーンズの Nah は no のくだけた形で、文頭の主語 It も省かれています。ニールは相手の real をそのまま受けて「本物だった」と一度認め、but it wasn’t for me で、その心配が誰に向いていたかを言い分けています。相手の見立てを否定せずに、焦点だけをずらす返し方です。
almost impossible not to ~ は「〜しないのはほぼ不可能」という二重否定で、「どうしても反応してしまう」ことを強めに述べる形です。最後の文の tell はポーカーの用語で、手札の良し悪しが表情やしぐさに出てしまう癖やサインを指します。turn ~ into an advantage は「〜を有利な材料に変える」で、隠しきれないサインをむしろ利用する、という発想が込められています。
演技のうまさを言葉にする場面は、この回の別の箇所にもあります。ピーターとの電話で、レベッカの具合が悪いので遅れると伝えたニールに、そばにいたレベッカがこう言います。
Rebecca: You are an awfully good liar, Mr. Caffrey.
(あなたって、ずいぶん嘘が上手なのね、キャフリーさん。)White Collar Season5 Episode11 (Shot Through the Heart)
awfully は「ひどく」から転じて「とても」と程度を強める副詞です。動揺を見せずに話すこと自体が、評価の対象になっている場面と読めます。
「you can hide its meaning」で、反応と意味を分けて語る
ニールは話をポーカーへ移し、ジョーンズに尋ねます。
Neal: You play poker?
(君、ポーカーはやる?)
Jones: Ah, I host the occasional Friday night game.
(ああ、たまに金曜の夜にゲームを開いてる。)White Collar Season5 Episode11 (Shot Through the Heart)
You play poker? は、疑問文の語順にせず平叙文を上げ調子で読む聞き方で、会話ではよく使われます。the occasional ~ は「たまの〜」で、the を付けて「ときどきある〜」を表す決まった形です。短いやり取りを挟んで、ニールはたとえの本題に入ります。
Neal: In poker, it’s too obvious to act calm when you’re nervous, but when you see that fourth ace drop…
(ポーカーじゃ、緊張してるときに平静を装うのは見え見えすぎる。でも、4枚目のエースが出てきたときは……)White Collar Season5 Episode11 (Shot Through the Heart)
前半は形式主語の構文で、it の中身は to act calm when you’re nervous(緊張しているときに平静を装うこと)です。血圧が跳ね上がるという一言を挟み、ニールは続けます。
Neal: A good player knows you can’t control that, but you can hide its meaning. She’s hiding her own concern of getting caught by acting concerned about me.
(うまいプレーヤーは、それは抑えられないと分かってる。でも、その意味は隠せるんだ。彼女は捕まるかもしれないって不安を、僕を心配してみせることで隠してる。)
Jones: Or maybe you want her to be lying. I mean, it would be easier, wouldn’t it?
(それか、彼女に嘘をついていてほしいのかもな。だって、そのほうが楽だろ?)White Collar Season5 Episode11 (Shot Through the Heart)
can’t control と can hide を but でつなぎ、体の反応そのものと、その反応が示す意味を分けて述べています。its は直前の that(抑えられない反応)を受けています。これに対するジョーンズの Or maybe ~ は別の見方を差し出す言い方で、wouldn’t it? の付加疑問が、ニールの本音を問う響きを加えています。
まとめ|反応と意味を言い分けるポーカーの言葉
real を受けて向きを言い分ける返し、tell や turn ~ into an advantage、can’t control と can hide の対比を見てきました。反応そのものとその意味を分けて語ると、読み合いの話が整理しやすくなります。
『ホワイトカラー』の駆け引きの場面を観ながら、こうした言い回しにも耳を傾けてみましょう。
同じ回のほかのコラムでは、別の場面の英語を扱っています。


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