「bluff」と「lie」の違いと、はったりの英語|『ヤングシェルドン』S01E03で学ぶ英会話

『Young Sheldon』コラム: 「bluff」と「lie」の違いと、はったりの英語|『ヤングシェルドン』S01E03で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第3話は、父ジョージが病院で検査を受けることになり、家に残った子どもたちを祖母ミーモーが預かる回です。この回では「はったり」を表す bluff が、家族の会話の中で何度か顔を出します。

どちらも「本当ではないこと」に関わる bluff と lie は、日本語にするとどう違うのか。病院と家をつなぐ三つの場面から、順に見ていきます。

目次

「bluff」は「はったり」、「lie」は「うそ」

bluff はもともとカード遊びの言葉で、手札の強さを実際とは違うように見せる駆け引きを指します。この回の冒頭にもカード遊びの場面があり、そこで出てきたこの言葉を、シェルドンはのちに家族の会話で使います。

父の様子について祖母から説明を受けたあと、シェルドンはあらためてミーモーに確かめます。

Sheldon: Meemaw?
(ミーモー?)

Meemaw: What?
(なんだい?)

Sheldon: Is Dad really okay?
(パパは本当に大丈夫なの?)

Meemaw: Yes.
(ああ。)

Sheldon: I hope you’re not bluffing.
(はったりじゃないといいけど。)

Young Sheldon Season1 Episode3(Poker, Faith, and Eggs)

I hope you’re not ~ing. は「〜していないといいけど」と、相手の言葉を半分疑いながら念を押す形です。ここで lie ではなく bluff が選ばれている点が見どころです。lie は事実と違うことを言う行為そのものを指しますが、bluff は「本当は違うのに平気なふりをする」という態度に焦点があります。祖母の「Yes.」が自分を安心させるための強がりではないか、というシェルドンの疑いが、この一語に込められていると読み取れます。

日常会話でも、相手の自信たっぷりな言葉を少し疑うときに bluff は使えます。lie を使うと「うそつき」と責める響きが強くなりやすいため、軽く疑うだけなら bluff のほうが角が立ちにくい選び方です。

  • A: He says the test was easy. I hope he’s not bluffing.
    (あいつ、テストは簡単だったって。はったりじゃないといいけど。)
  • B: He always sounds sure of himself, so who knows?
    (いつも自信ありげだからね。どうだか。)

その場を取りつくろう言い方と、名詞の bluff

病院の場面では、家で待つよう言われていた子どもたちが、自分たちだけで病院に来ていました。先に着いていたミーモーは、子どもたちが現れると、自分が連れてきたかのように振る舞います。母メアリーはそこで理由を尋ねます。

Mary: Why are they here?
(どうしてこの子たちがここにいるの?)

Meemaw: I think it’s obvious. They love their daddy.
(見りゃ分かるだろ。パパが大好きなんだよ。)

Mary: No, I get that. Why aren’t they home in bed?
(それは分かってる。どうして家で寝てないの?)

Meemaw: Well, nobody could sleep. I thought it was the right thing.
(だって誰も眠れなかったんだよ。そうするのがいいと思ってさ。)

— Good bluff.
(うまいはったり。)

Young Sheldon Season1 Episode3(Poker, Faith, and Eggs)

I think it’s obvious. は「見れば分かるでしょう」と、質問の答えを当たり前のことのように返す前置きです。メアリーの No, I get that. は「それは分かっている」と相手の答えをいったん受け止め、本当に聞きたいことへ話を戻す返し方になります。

ミーモーの I thought it was the right thing. は、自分の判断だったと説明する言い訳の形です。直後の Good bluff. では bluff が名詞として使われ、「うまいはったりだ」と、取りつくろいを見抜いたうえでの短い評価になっています。うそだと責めるのではなく、取りつくろいの腕前を認めるような響きがあり、そこに lie との違いが表れます。

  • A: I’m late because the bus never came.
    (バスが来なくて遅れたんだ。)
  • B: I get that. But why didn’t you call me?
    (それは分かった。でも、どうして電話くれなかったの?)

「I can’t lie to my mother.」と lie の使い方

このあと、ミーモーは子どもたちに口止めをします。ここで出てくるのは bluff ではなく lie です。

Meemaw: Well, if your mother ever finds out what you did tonight, that is never gonna happen again.
(いいかい、今夜あんたたちがやったことが母さんにばれたら、もう二度となくなるよ。)

Sheldon: I can’t lie to my mother.
(僕はママにうそはつけないよ。)

Meemaw: Sure you can. Believe in yourself!
(つけるさ。自分を信じな!)

Young Sheldon Season1 Episode3(Poker, Faith, and Eggs)

lie to 人 は「人にうそをつく」という形で、相手を to で示します。シェルドンの言葉は、母親にうそはつけないという意味で、口止めを素直には受け入れていません。ミーモーの Sure you can. は相手の can’t をそのまま打ち消す返しで、「もちろんできる」と押し切っています。

Believe in yourself! は本来、挑戦をためらう人を励ますときの決まり文句です。それを口止めの場面に当てはめているちぐはぐさが、このやり取りの笑いどころと言えます。実際の会話では、試験や発表の前など前向きな場面で使われます。

なお lie は「うそをつく」という動詞で、名詞として tell a lie(うそをつく)の形でも使われます。bluff が態度の話なのに対し、lie は口にした内容が事実かどうかを問題にしている点で、二つの語の役割が分かれています。

  • A: I don’t think I can pass the audition.
    (オーディションに受かる気がしないよ。)
  • B: Sure you can. Believe in yourself!
    (受かるよ。自分を信じて!)
表現 意味 場面での使われ方
bluff(動詞) はったりをかける 祖母の「大丈夫」を疑う
bluff(名詞) はったり 取りつくろいへの短い評価
lie to 人 人にうそをつく 母にうそはつけないと言う
I think it’s obvious. 見れば分かるでしょう 質問を当然のことのように返す

まとめ|bluff と lie の境目

bluff は「平気なふり・強いふり」という態度、lie は事実と違うことを言う行為を表します。念を押す I hope you’re not ~ing. や言い訳の形とあわせて見ると、二つの語の違いが場面ごとにはっきりしてきます。

次回も『ヤングシェルドン』の会話から、英語表現を一緒に拾っていきましょう。

同じ回のほかのコラムでは、祖母の言葉をまた別の角度から取り上げています。



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