海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第16話で、シェルドンは科学から離れ、役者を目指して劇のオーディションに挑みます。申し込みから本番直前の舞台裏まで、演劇ならではの決まり文句が次々に登場する回です。
今回は break a leg を中心に、オーディションの案内、舞台に送り出すひと言、開演前の緊張をめぐる英語を、場面の順にたどります。演劇に縁がなくても、発表や試合の前に使える言い回しが並びます。
「I’m interested in becoming an actor.」で申し出る
科学者になるという考えを変えたシェルドンは、演劇部門の責任者だと聞いたランディ先生を訪ねます。ひととおり言葉を交わしたあと、先生に改めて用件を尋ねられ、こう切り出しました。
Mr. Lundy: Can I help you?
(何かご用かな?)Sheldon: I’m interested in becoming an actor.
(僕、役者になることに興味があるんです。)Mr. Lundy: Well, good for you. You’ve come to the right place.
(それはいい。ちょうどいい所に来たね。)Young Sheldon Season1 Episode16(Killer Asteroids, Oklahoma, and a Frizzy Hair Machine)
Can I help you? は、店や窓口で用件を尋ねるときの決まった言い方です。I’m interested in becoming ~ は「〜になることに興味がある」で、in のあとに動詞の ing 形を続けます。「役者になりたい」とはっきり言うより、一歩引いた申し出の形になっています。
ランディ先生の You’ve come to the right place. は「ちょうどいい所に来た」という歓迎の言葉です。相談に来た相手を受け入れるときの一言として、店員や担当者が使っても自然な組み立てです。
話が進むと、先生はオーディションの予定を伝えます。
Mr. Lundy: Anyway, uh, auditions are next week. You’re welcome to come on by.
(ともかく、オーディションは来週だ。気軽に来てくれていいよ。)Sheldon: Excellent.
(よかった。)Young Sheldon Season1 Episode16(Killer Asteroids, Oklahoma, and a Frizzy Hair Machine)
audition は役を決めるための審査で、ここでは複数形で行事としての「オーディション」を指しています。You’re welcome to ~ は「遠慮なく〜していい」という誘いで、come on by は「立ち寄る」をくだけて言った形です。シェルドンの Excellent. は「よかった」「最高です」と、提案を喜んで受け入れる返事として働いています。
「The stage is yours.」と「break a leg」
オーディションの日、ランディ先生がシェルドンの名前を呼びます。シェルドンは古典劇の独白を選んだと告げたあと、すぐには始めず、先生のひと言を待ちました。
Mr. Lundy: All right, Mr. Cooper. The stage is yours.
(よし、クーパー君。舞台は君のものだ。)Sheldon: Thank you. I’d like to begin with a monologue from King Lear.
(ありがとうございます。『リア王』の独白から始めたいと思います。)Mr. Lundy: What?
(何かな?)Sheldon: I believe you’re supposed to say “break a leg.”
(ここは「ブレイク・ア・レッグ」って言うものだと思いますけど。)Mr. Lundy: Sorry. Break a leg.
(失礼。ブレイク・ア・レッグ。)Young Sheldon Season1 Episode16(Killer Asteroids, Oklahoma, and a Frizzy Hair Machine)
The stage is yours. は「舞台は君のものだ」、つまり「どうぞ始めて」と出番を譲る言い方です。発表やスピーチの順番を相手に渡すときにも、the floor を使った似た形があります。
break a leg は直訳すると「脚を折れ」ですが、舞台に出る人に向けて「がんばって」「うまくいきますように」と伝える決まり文句です。字義どおりの意味とは逆の励ましになる点が、この表現の面白さです。シェルドンは be supposed to ~(〜することになっている)を使い、「ここでは決まり文句を言うものだ」と先生に促しています。
役者を目指したばかりの子どもが、先生に舞台の作法を指摘するという立場の逆転が見どころです。先生も Sorry. とひと言添えてから、決まり文句を言い直しています。
- A: My piano recital is tonight.
(今夜ピアノの発表会なんだ。) - B: Break a leg! I’ll be cheering for you.
(がんばって!応援してるね。)
「ten minutes to curtain」と「stage fright」
本番の日、ランディ先生は舞台裏の出演者に声をかけます。
Mr. Lundy: Okay, everybody, ten minutes to curtain.
(よし、みんな、開演まであと10分だ。)Young Sheldon Season1 Episode16(Killer Asteroids, Oklahoma, and a Frizzy Hair Machine)
curtain は幕のことで、ここでは「開演」を指しています。ten minutes to curtain は「開演まで10分」という舞台裏の言い方で、to のあとに目標の時点を置く形です。
開演が近づくと、シェルドンは先生に出られないと打ち明けます。
Sheldon: I can’t do this. The play, I can’t do it. There are too many people out there.
(無理だよ。劇なんて、できない。向こうに人が多すぎる。)Mr. Lundy: Oh, that is just stage fright. That’s completely normal.
(ああ、舞台の前の緊張にすぎないよ。ごく普通のことさ。)Sheldon: No, this is a full-blown panic attack.
(違う、これは完全なパニックだよ。)Young Sheldon Season1 Episode16(Killer Asteroids, Oklahoma, and a Frizzy Hair Machine)
stage fright は、人前に出る前の緊張やおじけを表す語です。That’s completely normal. は「まったく普通のことだ」と相手の不安を打ち消す一言で、just と組み合わせて「よくある緊張にすぎない」と伝えています。シェルドンはそれに対して、自分の状態は緊張どころではないと、本人の言葉で言い返しました。
I can’t do this. は「無理だ」「できない」と、目の前のことから逃げ出したい気持ちを短く言い切る形です。続く There are too many people out there. の out there は「向こうに」「外に」で、舞台の向こうの客席を指しています。緊張している人の言葉と、それを打ち消す言葉が一往復で並ぶため、両方を対にして覚えやすい場面です。
- A: I can’t do this. Everyone is watching.
(無理だよ。みんな見てる。) - B: That’s just stage fright. It’s completely normal.
(ただの緊張だよ。ごく普通のことだって。)
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| Can I help you? | 用件を尋ねる |
| You’ve come to the right place. | 相談に来た相手を歓迎する |
| You’re welcome to ~ | 遠慮なく〜してと誘う |
| The stage is yours. | 出番を譲る |
| break a leg | 舞台に出る人を励ます |
| ten minutes to curtain | 開演までの時間を伝える |
| stage fright | 人前に出る前の緊張 |
まとめ|申し込みから開演前までの舞台の英語
You’ve come to the right place. で迎えられ、The stage is yours. で舞台に送り出され、break a leg で励まされる。開演前の ten minutes to curtain や stage fright まで、舞台にまつわる英語が順を追ってそろう回です。
シェルドンの挑戦を見届けながら、『ヤングシェルドン』の英語をこれからもたどっていきましょう。


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