初心者だと前置きして要求を下げる英語|『ヤングシェルドン』S01E17で学ぶ英会話

『Young Sheldon』コラム: 初心者だと前置きして要求を下げる英語|『ヤングシェルドン』S01E17で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第17話では、シェルドンが護身術を習おうと決め、本で読んだ柔術を高校の友人タムと試してみます。理屈は本で知っていても、実際に技を試すのはこれからという場面です。

今回は、決めたことを伝える言い方、ほめられたときの謙遜、そして「まだ慣れていないから」と前置きして相手への頼みを軽くする言い方を、場面の順に見ていきます。

目次

「I’ve decided to ~」と「Don’t be impressed.」

タムに柔術のことを聞かれたシェルドンは、まず自分が決めたことを短く伝えます。

Tam: Jiu-jitsu?
(柔術?)

Sheldon: I’ve decided to learn self-defense.
(護身術を習うことにしたんだ。)

Young Sheldon Season1 Episode17(Jiu-Jitsu, Bubble Wrap, and Yoo-Hoo)

I’ve decided to ~ は「〜することにした」と、すでに心が決まっていることを伝える形です。現在完了を使うことで、決めた結果がいまも続いている響きになります。I’m going to ~ が予定を述べるのに対し、こちらは自分で判断したという点に重みがあります。

続いてシェルドンが本で読んだ武術の話を持ち出すと、タムは自分にも経験があると明かします。

Tam: Vovinam. I’m a blue belt.
(ボビナムだよ。僕、青帯なんだ。)

Sheldon: Wow.
(すごい。)

Tam: Don’t be impressed. It’s what you get when your mom buys the uniform.
(感心しなくていいよ。母さんが道着を買ってくれたら、そうなるってだけ。)

Sheldon: Do you remember any of it?
(少しは覚えてる?)

Tam: I don’t even know where the belt is.
(帯がどこにあるかも分からないよ。)

Young Sheldon Season1 Episode17(Jiu-Jitsu, Bubble Wrap, and Yoo-Hoo)

Don’t be impressed. は「感心しなくていい」と、相手の驚きを先回りして打ち消す謙遜の一言です。続く It’s what you get when ~ は「〜すると、そういう結果になる」という形で、帯の色は自分の実力ではないと冗談めかして説明しました。最後の I don’t even know ~ の even は「〜さえ」の意味で、覚えていない度合いを強める働きです。

シェルドンの Do you remember any of it? も、any を使って「少しでも」と範囲を広げた問いです。全部ではなく一部でも覚えているかを尋ねる形なので、相手は「まったく覚えていない」と答えやすくなります。

  • A: You speak French? Wow.
    (フランス語が話せるの? すごい。)
  • B: Don’t be impressed. I only know a few words.
    (感心しないで。ほんの少しの単語しか知らないんだ。)

「I’m new to this, so ~」で頼みを軽くする

シェルドンは本の説明を自分の言葉で言い直し、タムに向かってくるよう求めます。

Sheldon: The book says jiu-jitsu is based on using your attacker’s momentum against them. It’s just physics. Come at me.
(本によると、柔術は相手の勢いを逆に利用するのが基本なんだ。ただの物理だよ。かかってきて。)

Tam: Like, run at you?
(走ってこいってこと?)

Sheldon: Well, I’m new to this, so maybe just walk quickly.
(まあ、僕はまだ慣れてないから、早歩きくらいでいいかな。)

Tam: And what happens when I get to you?
(で、そっちに着いたらどうなるの?)

Sheldon: I’ll use your inertia to take you down.
(君の慣性を使って倒すんだ。)

Tam: Okay.
(わかった。)

Young Sheldon Season1 Episode17(Jiu-Jitsu, Bubble Wrap, and Yoo-Hoo)

Come at me. は「かかってこい」と相手に向かってくるよう促す言い方です。タムの Like, run at you? は、どの程度の勢いで来ればよいのかを確かめる問い返しで、Like, が「つまり」と言い換えの合図になっています。

ここで注目したいのが I’m new to this です。「これには慣れていない」「始めたばかりだ」と自分の経験の浅さを先に伝える前置きで、so 以下の頼みに理由を与えます。さらに maybe just が「〜くらいでいいかな」と要求の度合いを下げ、走るのではなく早歩きで、という控えめなお願いになりました。強気な Come at me. からすぐに注文を和らげる流れが、この場面の面白いところです。

  • A: I’m new to this, so maybe just show me once more?
    (まだ慣れてないから、もう一回だけ見せてもらえる?)
  • B: Sure, no problem.
    (もちろん、いいよ。)

練習の途中で、タムが問いかけます。

Tam: And when does inertia take me down?
(で、慣性はいつ僕を倒すの?)

Sheldon: Any second.
(もうすぐだよ。)

Young Sheldon Season1 Episode17(Jiu-Jitsu, Bubble Wrap, and Yoo-Hoo)

Any second. は「今にも」「もうすぐ」という意味で、思うように進んでいない場面でも、あと少しだと言い張る返事として使われています。待っているバスについて言う It’ll be here any second.(もうすぐ来るよ)のように、何かが今にも起こると伝える場面でも使えます。

「I must be ~」と「~ is what we do」

この練習の話は、家族の場面にも続きます。朝食の場で、母メアリーはシェルドンの様子に気づいて声をかけます。

Mary: Shelly, you all right?
(シェリー、大丈夫?)

Sheldon: Yes. I must be a little sore from doing jiu-jitsu with Tam yesterday.
(うん。昨日タムと柔術をしたから、少し筋肉痛なんだと思う。)

George Sr.: Why were you doing jiu-jitsu?
(なんで柔術なんかやってたんだ?)

Sheldon: We’re boys. Roughhousing is what we do.
(僕たちは男の子だからね。じゃれ合って取っ組み合うのが僕たちのすることなんだ。)

Young Sheldon Season1 Episode17(Jiu-Jitsu, Bubble Wrap, and Yoo-Hoo)

I must be ~ の must は「〜に違いない」という推量で、体の状態の理由を自分で推し量る言い方です。sore は運動のあとの筋肉の痛みを表す形容詞で、a little を添えると軽い痛みになります。from doing ~ が「〜したせいで」と原因を示し、一文で状態と理由をまとめています。

父ジョージに理由を聞かれたシェルドンは、Roughhousing is what we do. と答えました。~ is what we do は「〜するのが自分たちだ」と、ふだんのことのように言う形です。roughhousing は子どもどうしのふざけた取っ組み合いを指す語で、柔術を習う理由そのものには触れずに話を収める返事になっています。We’re boys. と先に一般論を置いてから言い切るため、それ以上は聞かなくてよいという調子が生まれます。

  • A: You two are always out on the court.
    (二人とも、いつもコートにいるね。)
  • B: We love basketball. Practicing is what we do.
    (バスケが大好きだからね。練習するのが僕らの日常なんだ。)
表現 場面での働き
I’ve decided to ~ 自分で決めたことを伝える
Don’t be impressed. ほめられたときに謙遜する
I’m new to this, so ~ 経験の浅さを理由に頼みを軽くする
Any second. 「もうすぐ」と言い張る
I must be ~ 自分の状態を推量で伝える

まとめ|決意と謙遜と初心者の前置き

I’ve decided to ~ で決めたことを伝え、Don’t be impressed. で謙遜し、I’m new to this, so maybe just ~ で頼みを軽くする。習いたての練習の場面に、始めたばかりの人が使える英語がそろっています。

次回も『ヤングシェルドン』を観ながら、会話の英語を一緒に拾っていきましょう。

同じ回のほかのコラムでは、大人たちの会話から別の英語表現を取り上げています。



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