海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第17話では、父ジョージが隣家のハーシェルのもとへ話をしに行きます。その帰りぎわに冷やかされ、家族には首尾を聞かれと、答えにくい問いが立て続けに向けられる回です。
話したくない話題を打ち切りたいとき、英語ではどう言えばよいのでしょうか。ジョージの短い返事を手がかりに、打ち切る・かわす・認める言い方を順にたどります。
「I don’t want to talk about it.」と「Not talkin’ about it!」
隣家での話を終えたジョージに、ハーシェルが言葉をかけます。
Herschel Sparks: Your wife sent you over here, didn’t she?
(奥さんに言われて来たんだろ?)George Sr.: I don’t want to talk about it.
(その話はしたくない。)Herschel Sparks: I bet she did!
(やっぱりな!)George Sr.: Not talkin’ about it!
(話さないって!)Herschel Sparks: Tell her I said hi!
(奥さんによろしくな!)Young Sheldon Season1 Episode17(Jiu-Jitsu, Bubble Wrap, and Yoo-Hoo)
ハーシェルの ~, didn’t she? は付加疑問で、「〜なんだろう?」と見当をつけて確かめる言い方です。ここでは本気で尋ねるというより、相手の事情を見抜いたつもりで冷やかす調子になっています。
ジョージの I don’t want to talk about it. は「その話はしたくない」と、話題そのものを断る定番の一言です。質問に答えず、話を続ける気がないことだけを伝えます。
それでも I bet she did! と食い下がられると、ジョージは Not talkin’ about it! と言い直しました。I’m が落ち、talking の g も落ちた短い形で、一度目より語気が強く聞こえます。I bet ~ は「きっと〜だ」と確信を示す言い方で、はっきり答えないジョージの反応を、そのまま答えとして受け取っています。
ハーシェルの Tell her I said hi! は「よろしく伝えて」という決まり文句です。この場面では、奥さんに言われて来たのだろうという冷やかしを、最後にもう一度添える形になっています。
- A: Did you two have a fight again?
(また二人でけんかしたの?) - B: I don’t want to talk about it.
(その話はしたくない。)
「How’d it go?」と「I handled it.」
その後、ジョージは今度は妻のメアリーに結果を聞かれます。
Mary: How’d it go?
(どうだった?)George Sr.: Uh, good. Yeah. I handled it.
(ああ、うまくいった。うん。片づけてきた。)Young Sheldon Season1 Episode17(Jiu-Jitsu, Bubble Wrap, and Yoo-Hoo)
How’d it go? は How did it go? の短縮形で、「どうだった?」と出来事の結果を尋ねる問いです。面接や試験、話し合いのあとなど、相手が何かを終えたときに幅広く使われる形です。
答えの I handled it. は「対処した」「片づけた」という意味です。handle は「扱う」が基本の意味で、問題やもめごとに使うと、自分で引き受けて決着をつけたという響きになります。誰が、何を、どう片づけたのかは言わずに、結果だけを伝える一言です。I took care of it. も「なんとかしておいた」と近い意味で使われ、どちらも細かい説明を省いて相手を安心させたいときの返事になります。
ジョージの返事は Uh で始まり、good と Yeah をはさんでから I handled it. にたどり着きます。言葉を探すような前置きのあとでも、最後の一文は言い切りの形で、結果を伝える返事として完結しています。
- A: The client was really upset. How’d it go?
(お客さん、かなり怒ってたよね。どうだった?) - B: Don’t worry. I handled it.
(心配いらないよ。対応しておいた。)
「I thought you said ~」と「I did say that.」
別の場面で、メアリーは先ほどの言葉を持ち出します。
Mary: I thought you said you handled it next door.
(お隣のこと、片づけたって言ってなかった?)George Sr.: I did say that. Where you goin’?
(確かにそう言った。どこ行くんだ?)Mary: To handle it.
(片づけに。)Young Sheldon Season1 Episode17(Jiu-Jitsu, Bubble Wrap, and Yoo-Hoo)
I thought you said ~ は「〜って言ってなかった?」と、相手の以前の発言と今の状況が食い違うことを指摘する言い方です。直接「うそをついた」と責めるのではなく、自分の受け取り方を示す形をとるため、角の立ちにくい問いかけになります。
ジョージの I did say that. は、動詞の前に did を置いて「言ったのは確かだ」と強める形です。言い訳を重ねるのではなく、発言したこと自体は認める返事になっています。続く Where you goin’? は Where are you going? の are が落ちたくだけた形です。
メアリーの To handle it. は「片づけるために」と目的だけを答える to 不定詞で、ジョージが使った handle をそのまま返しています。相手の言葉を使い返すことで、今度は自分が片づけに行くという意思が、短い返事の中で伝わってきます。
同じ handle が、ジョージの「片づけた」という報告から、メアリーの「片づけに行く」という宣言へと持ち主を変えていきます。一つの動詞を追うだけで、メアリーとジョージのやり取りの流れが見えてくる場面です。
- A: I thought you said the report was finished.
(報告書、終わったって言ってなかった?) - B: I did say that. I’m still checking a few pages.
(確かにそう言った。まだ何ページか確認してるところなんだ。)
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| I don’t want to talk about it. | 話題そのものを断る |
| Not talkin’ about it! | 強めに打ち切る |
| How’d it go? | 結果を尋ねる |
| I handled it. | 対処したと結果だけ伝える |
| I thought you said ~ | 以前の発言との食い違いを指摘する |
| I did say that. | 言ったこと自体は認める |
まとめ|打ち切る・片づける・認める
I don’t want to talk about it. で話題を断り、I handled it. で結果だけを伝え、I did say that. で発言を認める。答えにくい問いへの返し方が、ジョージの短い言葉にそろっています。
次回も『ヤングシェルドン』の家族の会話から、英語表現を一緒に見つけていきましょう。
この回のフレーズ記事やほかのコラムでも、同じ場面の前後の英語を扱っています。


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