海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第13話では、シェルドンが先生の許可なく教室を出たことをきっかけに、学校の処分をめぐって大人たちの意見が行き交います。賛成する人もいれば、少し厳しいと感じる人もいる回です。
今回は、強い賛成を表す couldn’t agree more を入り口に、反対をやわらげる言い方や、家族どうしの「お墨付き」をめぐる軽口までを順にたどります。
「couldn’t agree more」と「That seems a little harsh」
ピーターセン校長との面談で処分の話になると、父ジョージは同意を示します。続けて母メアリーが処分の中身を尋ね、校長の答えに対して二人の受け止めが分かれます。
George Sr.: Oh, we couldn’t agree more.
(ええ、まったく同感です。)Mary: What kind of punishment are you thinking?
(どんな処分をお考えですか?)Principal Petersen: Well, Mary, in a case like this, a few days of detention.
(そうですね、メアリー、こういう場合は数日間の居残りでしょう。)Mary: Really? That seems a little harsh.
(本当に? 少し厳しすぎる気がします。)George Sr.: Oh, detention’s no big deal.
(いや、居残りなんて大したことないですよ。)Young Sheldon Season1 Episode13(A Sneeze, Detention, and Sissy Spacek)
couldn’t agree more は直訳すると「これ以上は賛成できない」ですが、意味は逆で、「もうこれ以上ないほど賛成している」という強い同意になります。否定の形をとりながら、賛成の度合いが最大であることを伝える言い回しです。ジョージは主語を we にして、自分たち両親の考えとして答えています。
これに対してメアリーの That seems a little harsh. は、反対を角を立てずに伝える形です。断定の is ではなく seems を使い、さらに a little を添えることで、「厳しい」という評価をやわらげています。相手が校長であることを考えると、目上の人への異議として無理のない組み立てと言えます。
最後のジョージの no big deal は「大したことではない」という意味で、メアリーの心配を軽く打ち消す一言です。同じ処分について、強い賛成、控えめな反対、打ち消しが一度に並ぶ場面です。
- A: I think we should move the meeting to next week.
(会議は来週に移したほうがいいと思う。) - B: I couldn’t agree more. Friday seems a little too soon.
(まったく同感。金曜日では少し早すぎる気がする。)
「You know what I mean.」で言いたいことを言い直す
処分のあと、家族の会話でも二人の考えは分かれます。ジョージは居残りがシェルドンのためになると言い、メアリーは別の受け取り方をします。
George Sr.: I actually think it’d be good for him. He needs to learn he’s not special.
(むしろあいつのためになると思うぞ。自分が特別じゃないってことを学ばないとな。)Mary: But he is special.
(でもあの子は特別よ。)George Sr.: You know what I mean. He can’t just walk out of a classroom ‘cause he feels like it.
(言いたいことは分かるだろ。気が向いたからって教室から勝手に出ていけるわけじゃないんだ。)Young Sheldon Season1 Episode13(A Sneeze, Detention, and Sissy Spacek)
ジョージの I actually think は、「実は」「むしろ」と相手の予想とは違う考えを切り出すときの前置きです。続く it’d be good for him では would を使い、居残りの効果を見込みとして語っています。そこで使われた special を、メアリーは「特別な子」という意味で受け止めて言い返しました。同じ単語が、ジョージにとっては「特別扱い」、メアリーにとっては「特別な子」を指しているのが分かります。
食い違いに気づいたジョージは You know what I mean. と言い、そのあとで真意を具体的に説明しています。「言いたいことは分かるだろう」という前置きで、言葉尻ではなく意図をくみ取ってほしいと伝える使い方です。反対されたときに言い直すための、つなぎの一言として覚えておくと便利です。
- A: So you’re saying my idea is bad?
(つまり、私のアイデアがだめだってこと?) - B: No, you know what I mean. It just needs more time.
(違うよ、言いたいことは分かるでしょ。もう少し時間が必要なだけ。)
「I’m glad you approve.」と「you were due」
停学になったシェルドンに家の手伝いをさせる話が出ると、兄ジョージーが父の方針を持ち上げます。続くやり取りでは、メアリーがジョージの提案どおりに動こうとします。
Georgie: Yeah, put him to work. Good parenting, Dad.
(そうだよ、働かせなよ。いい子育てだね、父さん。)George Sr.: Oh, I’m glad you approve.
(そりゃ、お前に認めてもらえてうれしいね。)Georgie: I do.
(認めてるよ。)Young Sheldon Season1 Episode13(A Sneeze, Detention, and Sissy Spacek)
George Sr.: Where you going?
(どこ行くんだ?)Mary: I’m gonna give Sheldon a list of chores.
(シェルドンに家の手伝いのリストを渡してくるの。)George Sr.: You’re actually taking my advice?
(本当に俺の言うとおりにするのか?)Mary: Yes.
(ええ。)George Sr.: Well, how about that?
(へえ、こいつは驚いた。)Mary: Hey, you were due.
(まあ、そろそろあなたの番だったのよ。)Missy: Proud of you, George.
(えらいじゃん、ジョージ。)Young Sheldon Season1 Episode13(A Sneeze, Detention, and Sissy Spacek)
approve は「賛成する」「よしとする」という意味の動詞です。息子に子育てをほめられたジョージの I’m glad you approve. は、息子に子育てを評価されるという立場の逆転を受けた、皮肉まじりの返しとして読めます。それを I do. と字義どおりに受けるジョージーの返事が、やり取りにおかしみを添えています。
冒頭の Where you going? は、Where are you going? の are が落ちたくだけた形です。
take one’s advice は「人の助言に従う」という意味です。ジョージの how about that? はここでは提案ではなく、「これは驚いた」という感嘆として働いています。メアリーの you were due の due は「そろそろそうなる時期だ」という意味で、ここでは「そろそろ正しいことを言う番だった」と軽くからかう一言です。父を名前で呼ぶミッシーの Proud of you も、まじめな称賛というより冷やかしとして読める場面です。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| couldn’t agree more | 最大限の賛成を伝える |
| That seems a little harsh. | 反対を控えめに伝える |
| You know what I mean. | 言い直す前の前置き |
| I’m glad you approve. | 認められたことへの皮肉まじりの返し |
| you were due | 「そろそろ番だった」と軽くからかう |
まとめ|賛成の強さと、やわらげ方
couldn’t agree more で強く賛成し、seems と a little で反対をやわらげる。You know what I mean. で言い直し、approve や you were due で軽口を交わす。賛成と反対の伝え方の幅が、一つの回の中にそろっています。
次回も『ヤングシェルドン』の会話を観ながら、英語表現を一緒に拾っていきましょう。


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