海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第2話には、母メアリーが子どもたちに何かを頼んだり勧めたりする場面がいくつかあります。シェルドンが友だちを家に誘う場面もあり、相手を動かす英語が一話の中にそろっています。
頼みごと、お誘い、許可を求める言い方は、どれも相手に答えを委ねる形をとります。家族の会話を順に追いながら、それぞれの丁寧さの出し方を見ていきます。
「Would you do me a favor?」と「Would you mind ~ing?」で頼む
弟に友だちがいないことを気にかけるメアリーは、兄ジョージーにある頼みごとをします。そこへ双子の妹ミッシーが口をはさみます。
Mary: Georgie. Would you do me a little tiny favor?
(ジョージー。ちょっとだけお願いを聞いてくれない?)Georgie: Like what?
(どんな?)Mary: Tomorrow at lunch, would you mind sitting with your brother?
(明日のお昼、弟と一緒に座ってもらえないかしら?)Missy: Don’t do it, Georgie.
(やめときなよ、ジョージー。)Mary: You stay out of this.
(あなたは口を出さないで。)Missy: I ate with him in second grade. It really hurt my social life.
(私、2年生のときシェルドンと一緒に食べたけど、友だち付き合いがほんとに台無しになったんだから。)Georgie: Sorry, Mom. Can’t do it.
(悪いけど、母さん。無理だよ。)Young Sheldon Season1 Episode2(Rockets, Communists, and the Dewey Decimal System)
Would you do me a favor? は「お願いを聞いてくれる?」と、頼みごとの中身を言う前に切り出す前置きです。メアリーは a little tiny favor と言葉を重ね、頼みが小さなものであることを強調しています。ジョージーが Like what? と中身を尋ねてから、本題が続きます。
本題の Would you mind ~ing? は「〜してもらえないかしら」と、相手の負担に配慮した依頼の形です。mind は「嫌だと思う」という意味なので、直訳は「〜するのは嫌ですか?」になります。引き受ける返事は No, not at all. のように否定で答える点に注意が必要です。
ジョージーの Sorry, Mom. Can’t do it. は、主語の I を省いた短い断り方です。先に謝ってから断ることで、断りの響きを少しやわらげています。口をはさむミッシーに向けた You stay out of this. は「口を出さないで」と相手を会話から外す言い方で、主語の you を明示して、誰に向けた言葉かをはっきり示す形です。
- A: Would you mind closing the window?
(窓を閉めてもらえないかな?) - B: Not at all.
(いいよ。)
「Why don’t you ~?」と「if you’d like to ~」で誘う
シェルドンに新しい友だちができると、メアリーは次の提案をします。
Mary: Hey, here’s an idea. Why don’t you invite your new buddy over for dinner?
(ねえ、いいこと思いついた。新しいお友だちを夕食に呼んだらどう?)Sheldon: Why?
(どうして?)Young Sheldon Season1 Episode2(Rockets, Communists, and the Dewey Decimal System)
Why don’t you ~? は「〜したらどう?」という提案の形です。invite ~ over for dinner の over は「こちらへ」と家に招く方向を表し、over がつくことで自宅に呼ぶ意味がはっきりします。シェルドンの Why? は、提案を本気で理由から確かめようとする返事です。
シェルドンは、母の提案をタムに伝えます。
Sheldon: My mother asked me to ask you if you’d like to join us for dinner.
(母さんから、君がうちの夕食に一緒にどうか聞いてくるように言われたんだ。)Tam: Why?
(なんで?)Sheldon: I was hoping you’d know.
(それは君が知ってるかと思ってたんだけど。)Young Sheldon Season1 Episode2(Rockets, Communists, and the Dewey Decimal System)
if you’d like to join us は「よかったら一緒にどうか」と、相手の意向を尋ねる丁寧な誘い方です。you’d like は you would like の短縮で、want よりもやわらかく希望を聞く形になります。asked me to ask you は「君に聞くよう頼まれた」と伝言であることを示す言い方で、誘いの主が母であることを先に伝えています。
タムの返事も Why? の一語でした。シェルドンの I was hoping you’d know. は「君なら知っていると思った」という意味で、was hoping を使うと期待していた気持ちが加わります。誘う側も理由を説明できないまま、同じ問いが母との会話に続いて二度目になる流れです。
- A: We’re having a barbecue on Saturday. Would you like to join us?
(土曜にバーベキューをするんだけど、一緒にどう?) - B: I’d love to. Thanks for asking.
(ぜひ行きたいな。誘ってくれてありがとう。)
「Can I ~?」で許可を求める
タムを迎える直前、ミッシーは母に食事の場所について許可を求めます。
Missy: Can I eat in front of the TV?
(テレビの前で食べてもいい?)Mary: No, you can eat in front of Sheldon’s friend.
(だめ。食べていいのはシェルドンのお友だちの前よ。)Young Sheldon Season1 Episode2(Rockets, Communists, and the Dewey Decimal System)
Can I ~? は「〜してもいい?」と許可を求める基本の形です。より改まった場面では May I ~? が選ばれることもありますが、家族どうしの会話では Can I ~? がくだけた響きで自然になじみます。
メアリーの返事は、No で断ったあとに you can ~ を続けています。ミッシーの言葉の can をそのまま受けて、許される場所だけを入れ替えた形です。許可を求める問いに、条件を示して答える返し方として読み取れます。
ミッシーは同じ動詞 eat と in front of ~ の形で聞き、メアリーも同じ形で答えています。問いと答えが対になっているので、何が許されて何が許されないのかが一度で伝わります。条件つきで許可するときは、You can ~, but ~ のように、許す範囲を言葉で区切る方法もあります。
- A: Can I use your laptop for a minute?
(ちょっとだけパソコンを使ってもいい?) - B: Sure, you can use it after I finish this email.
(いいよ。このメールを書き終わったら使っていいよ。)
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| Would you do me a favor? | 頼みごとを切り出す |
| Would you mind ~ing? | 相手の負担に配慮して頼む |
| Why don’t you ~? | 「〜したらどう?」と提案する |
| if you’d like to ~ | 相手の意向を尋ねて誘う |
| Can I ~? | 許可を求める |
まとめ|相手に答えを委ねる英語
Would you do me a favor? と Would you mind ~ing? で頼み、Why don’t you ~? と if you’d like to ~ で誘い、Can I ~? で許可を求める流れを見てきました。どれも相手に答えを委ねる形です。
次回も『ヤングシェルドン』の家族の会話から、英語の言い回しを拾っていきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事にも、家族の会話の英語が登場します。


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