「hard time」と「tough time」はどう違う?|『ヤングシェルドン』S01E02で学ぶ英会話

『Young Sheldon』コラム: 「hard time」と「tough time」はどう違う?|『ヤングシェルドン』S01E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第2話は、高校に飛び級で入学したシェルドンが、友だちを作ろうと試行錯誤する回です。うまくいかない気持ちを口にする場面が、家族や学校の人たちとの会話のあちこちに出てきます。

今回は、easy と hard の対比で苦手を伝える言い方から、have a hard time と have a tough time の違い、打ち明けられたときの返し方までを、場面の順にたどります。

目次

「easy for A and hard for B」で苦手を打ち明ける

最初の素材は、双子の妹ミッシーの悩みです。母メアリーに声をかけられたミッシーは、算数について率直な疑問を口にします。

Mary: Something wrong?
(どうかしたの?)

Missy: How come math is easy for Sheldon and hard for me?
(なんで算数って、シェルドンには簡単で私には難しいの?)

Mary: I don’t know, honey, but you have your own gifts.
(分からないけど、あなたにはあなたの才能があるのよ。)

Young Sheldon Season1 Episode2(Rockets, Communists, and the Dewey Decimal System)

Something wrong? は Is something wrong? の短縮形で、相手の様子が気になったときの声かけです。返事のほうの How come ~? は「どうして〜なの?」と理由を尋ねる口語的な疑問文で、Why と違い、後ろは疑問文の語順にならず平叙文の語順のまま続きます。

注目したいのは easy for A and hard for B という対比の形です。同じ教科でも人によって難しさが違うことを、for のあとに人を置くだけで言い分けています。hard はここで「難しい」という意味の形容詞で、後半で扱う have a hard time の hard も同じ語です。

メアリーは理由には答えず、ほかの才能に目を向けさせる返事をしています。苦手を打ち明けられたときに、まず受け止めてから別の長所を示すという流れが読み取れます。

  • A: How come this is easy for you and hard for me?
    (どうしてこれ、君には簡単で僕には難しいの?)
  • B: Everyone has different strengths.
    (得意なことは人それぞれだよ。)

「having a hard time ~ing」で今の苦労を伝える

次の場面で、シェルドンは本を探すのを手伝う職員のハッチンズさんに、友だち作りについて相談します。

Ms. Hutchins: What can I get for you today? Chemistry? Quantum mechanics? Astronomy?
(今日は何にする? 化学? 量子力学? 天文学?)

Sheldon: No, nothing fun today. I need to learn how to make a friend.
(ううん、今日は楽しいのはなし。友だちの作り方を学ばなきゃいけないんだ。)

Ms. Hutchins: Aw, honey, you having a hard time adjusting to high school?
(あら、高校になじむのに苦労してるの?)

Sheldon: I’m having a hard time adjusting to Earth.
(僕が苦労してるのは、地球になじむことだよ。)

Ms. Hutchins: Yeah. You and me both.
(そうね。私も同じよ。)

Young Sheldon Season1 Episode2(Rockets, Communists, and the Dewey Decimal System)

have a hard time ~ing は「〜するのに苦労する」という形で、time のあとに動詞の ing 形を続けます。ここでは進行形の having a hard time になっていて、今まさにうまくいっていない状況を表しています。職員の問いかけは Are you を省いたくだけた形です。

シェルドンは同じ形をそのまま受けて、目的語だけを high school から Earth に入れ替えました。問いかけの言葉を使い回しながら、苦労の範囲を一気に広げて返しているのが面白いところです。

最後の You and me both. は「私も同じ」という短い同意の返しです。相手の言葉を繰り返さなくても、自分も同じ状況にいることを伝えられます。

職員に対して、シェルドンは nothing fun today と前置きしてから用件を伝えています。化学や天文学の本を「楽しいもの」の側に置き、友だち作りは学ばなければならない課題として扱っている、という対比も見えてきます。

  • A: I’m having a hard time getting used to my new job.
    (新しい仕事に慣れるのに苦労してるんだ。)
  • B: You and me both.
    (私も同じだよ。)

「have a tough time ~ing」と共感の返し方

後半、シェルドンはタムと出会います。シェルドンの取り組みについて尋ねたタムは、自分も同じだと打ち明けます。

Tam: Is that any good?
(それ、役に立つ?)

Sheldon: I failed to make a single friend.
(友だちは一人もできなかったよ。)

Tam: That sucks. I have a tough time making friends, too.
(それはきついね。僕も友だち作りには苦労してるんだ。)

Sheldon: The worst part is, it was important to my mom.
(一番困るのは、それが母さんにとって大事なことだったって点だよ。)

Tam: My parents pressure me about making friends all the time.
(うちの親も、友だちを作れってしょっちゅう言ってくるよ。)

Sheldon: So you understand what I’m going through.
(じゃあ、僕がどんな思いをしてるか分かるんだね。)

Young Sheldon Season1 Episode2(Rockets, Communists, and the Dewey Decimal System)

have a tough time ~ing は have a hard time ~ing と同じ組み立てで、意味もほぼ重なります。tough には「きつい」「手ごわい」という語感があり、苦労の重さが前に出ます。形がそろっているので、一方を覚えれば、もう一方にもそのまま応用できます。タムは現在形を使っているので、今この瞬間に限らない、ふだんからの苦手として語っていると読めます。

That sucks. は「それはきついね」と相手の不運に寄り添うくだけた相づちで、親しい相手との会話向きです。what I’m going through は「自分が今経験していること」を指し、つらい状況をまとめて言うときに使えます。

シェルドンの The worst part is, ~ は「一番困るのは〜だ」と、困りごとの中でも特につらい点を前に出す言い方です。友だちができなかったこと自体より、それが母にとって大事だったことの方を先に挙げている点に、話の重心が表れています。

  • A: I have a tough time waking up early.
    (早起きがどうも苦手なんだ。)
  • B: That sucks. Me too.
    (それはきついね。私もだよ。)
表現 作中の場面での使われ方
easy for A and hard for B 人による難しさの違いを言う
having a hard time ~ing 今の苦労を伝える
have a tough time ~ing ふだんからの苦手を打ち明ける
You and me both. 「私も同じ」と同意する
That sucks. 相手の不運に寄り添う

まとめ|苦労を伝える形と受け止める言葉

easy for A and hard for B で苦手を比べ、have a hard time と have a tough time で苦労を打ち明ける形を見てきました。You and me both. や That sucks. で受け止めると、会話が一往復で終わりません。

次回も『ヤングシェルドン』の会話から、英語の言い回しを拾っていきましょう。

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