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シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第15話の後半では、年上の友人リビーに子ども扱いされたと受け止めたシェルドンが落ち込みます。そこへ母メアリーが声をかけ、二人の会話が始まります。
この会話には、suggest と hint という意味の近い二つの動詞が続けて登場します。違いを確かめながら、落ち込んだ家族への声のかけ方もあわせて見ていきます。
「You want to talk about it?」と様子をうかがう
リビーとメアリーが顔を合わせた席で、子守りを意味する babysitting という言葉が出ました。その後、メアリーはシェルドンに声をかけます。
Mary: Shelly, you okay?
(シェリー、大丈夫?)Sheldon: No.
(ううん。)Mary: You want to talk about it?
(話したい?)Sheldon: No.
(ううん。)Mary: You want me to leave you alone?
(ひとりにしてほしい?)Sheldon: No. I thought Libby and I were equals, but she thinks of me as a child.
(ううん。リビーと僕は対等だと思ってた。でも、リビーは僕のことを子どもだと思ってる。)Mary: I’m sorry, baby.
(残念だったね、坊や。)Sheldon: Calling me that isn’t helping right now.
(今そう呼ばれても、ちっとも助けにならないよ。)Young Sheldon Season1 Episode15(Dolomite, Apple Slices, and a Mystery Woman)
メアリーの三つの問いは、どれも Are you や Do you を省いた形です。You okay? は「大丈夫?」、You want to talk about it? は「話したい?」、You want me to leave you alone? は「ひとりにしてほしい?」で、語順は平叙文のまま、語尾を上げて尋ねています。
三つの問いは、様子を聞く、話を促す、距離を置く選択肢を示す、という順に並んでいます。シェルドンはすべてに No と答えたあと、自分から理由を話し始めました。相手が選べる形の問いを重ねたあとで、シェルドンは自分から話し始めています。
I thought A and B were ~, but ~ は「AとBは〜だと思っていたのに」と、期待と現実のずれを伝える形です。続く Calling me that isn’t helping は、baby と呼ばれたことへの抗議で、子ども扱いへの反発がここにも表れています。
- A: You okay? You look a little tired.
(大丈夫? ちょっと疲れてるみたい。) - B: I’m fine. Just a long day.
(平気。今日は長い一日だっただけ。)
「This is not about ~」で話の中心を示す
シェルドンが頭のよさを持ち出して言い返すと、メアリーは話の中心がどこにあるのかを示します。
Mary: She is almost twice your age.
(あの子は年がほとんど倍なのよ。)Sheldon: There are people five times my age that are stupider than me.
(僕の5倍の年でも、僕よりばかな人はいるよ。)Mary: This is not about being smart.
(これは頭がいいかどうかの話じゃないの。)Sheldon: What else is there?
(ほかに何があるの?)Mary: Well… there’s other kinds of maturity.
(そうね……成熟にはほかの種類もあるのよ。)Young Sheldon Season1 Episode15(Dolomite, Apple Slices, and a Mystery Woman)
This is not about ~ は「これは〜の話ではない」と、相手がずらした論点を元に戻す言い方です。年の差を伝えたメアリーに対し、シェルドンは年上でも自分より賢くない人がいると返しました。メアリーはその反論に乗らず、頭のよさとは別の話だと線を引いています。
What else is there? は「ほかに何があるの?」という問いで、シェルドンにとって大切なのは頭のよさだけだという考えが、一言に表れた返しです。これを受けてメアリーは、other kinds of ~(ほかの種類の〜)で、成熟には別の面があると話を広げました。頭のよさとは別の基準があると伝えるやり取りです。
ここへ妹のミッシーが来て、話が途切れます。
Missy: What’s up?
(どうしたの?)Mary: None of your business.
(ミッシーには関係ないの。)Missy: Why is he crying?
(なんで泣いてるの?)Mary: Again, it’s none of your business. Please go.
(もう一度言うけど、関係ないの。向こうへ行って。)Missy: Fine. Celeste and I know when we aren’t wanted.
(いいよ。セレステと私は、お呼びじゃないときくらい分かるから。)Young Sheldon Season1 Episode15(Dolomite, Apple Slices, and a Mystery Woman)
None of your business. は「関係ない」と相手の詮索を断る一言です。メアリーは二度目に Again を付け、さらに Please go. と続けて、息子との話を守っています。
「Are you suggesting ~?」と「I was hinting at it.」の違い
メアリーは Where were we?(どこまで話したっけ)と話を戻し、感情面の成熟など、頭のよさとは別の成熟について説明を続けます。そこでシェルドンが問い返します。
Sheldon: Are you suggesting I’m not emotionally mature?
(僕が感情面で成熟してないって言いたいの?)Mary: I was hinting at it.
(それとなく、そう言ってたのよ。)Sheldon: Regardless, I’m not interested in making any more friends.
(どっちにしても、これ以上友だちを作る気はないよ。)Mary: Oh, I don’t think that’s how you really feel.
(あら、本当はそう思ってないでしょ。)Sheldon: It is. From now on, it’s a hermit’s life for me.
(思ってる。これからは世捨て人として生きるんだ。)Mary: I bet, when you grow up, you will be surrounded by lots of smart, wonderful friends.
(きっと、大人になったら、賢くてすてきな友だちにたくさん囲まれてるわよ。)Sheldon: I can’t see that happening.
(そうなるとは思えないね。)Young Sheldon Season1 Episode15(Dolomite, Apple Slices, and a Mystery Woman)
suggest には「提案する」のほかに、「〜だと示唆する」という意味があります。Are you suggesting (that) ~? は「〜だと言いたいの?」と、相手の言葉の含みを確かめる問いで、少し身構えた響きを帯びます。
一方の hint at ~ は「〜をそれとなく示す」で、はっきり言わずに気づかせる度合いがより強い語です。メアリーは suggest を hint に言い換え、遠回しに伝えていたと認めました。正面から言い切らずに、言いたかったことは否定しない返し方です。問い詰める側が suggest を使い、答える側が hint で受けることで、同じ内容でも言い方の角度が変わるのが面白いところです。
その後の I don’t think that’s how you really feel. は「本当はそう思っていないでしょう」と相手の言葉をやわらかく打ち消す言い方で、I bet は「きっと〜だ」と確信をこめて励ます前置きです。
| 表現 | 意味と響き |
|---|---|
| suggest | 提案する/〜だと示唆する |
| Are you suggesting ~? | 〜だと言いたいの?(含みを確かめる) |
| hint at ~ | 〜をそれとなく示す(より遠回し) |
| I bet ~ | きっと〜だ(励まし) |
まとめ|含みを確かめる suggest、それとなく示す hint
Are you suggesting ~? は相手の言葉の含みを確かめる問い、hint at ~ はそれとなく示す言い方です。You want to talk about it? のような短い問いかけとあわせて、落ち込んだ家族に寄り添う会話の流れが見えてきます。
『ヤングシェルドン』の親子の会話を観ながら、言葉の選び方の違いを味わってみましょう。
この回の英語は、ほかのコラムやフレーズ記事、エピソードまとめでも扱っています。


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