海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第15話では、シェルドンが友人のタムとリビーと一緒に、ヒューストンまで映画を観に行こうとします。車を運転するのは年上の友人リビーで、母メアリーはこの計画を許しません。
今回は、メアリーがダメと伝え、代案を出し、最後に条件をつけて許すまでの言葉を、場面の順にたどります。断る側と受け止める側、両方の英語がそろっている回です。
「I’m afraid I can’t allow you to ~」で許可しないと伝える
計画を知ったメアリーは、父ジョージとの会話で、10代の子が運転する車に幼い息子を乗せたくないと話していました。そのうえでシェルドンに声をかけ、出した結論を伝えます。
Mary: I gave it a lot of thought, and I’m afraid I can’t allow you to drive to Houston with your friends.
(よく考えたんだけど、悪いけど、お友だちと車でヒューストンに行くのは許してあげられないの。)Sheldon: Why?
(どうして?)Mary: Well, honey, you’re still a little boy. I don’t think it’s right.
(だってね、まだ小さな男の子でしょ。それはよくないと思うの。)Sheldon: I’m not a little boy. I’m a high school student.
(僕は小さな男の子じゃない。高校生だよ。)Young Sheldon Season1 Episode15(Dolomite, Apple Slices, and a Mystery Woman)
最初の I gave it a lot of thought は「よく考えた」という前置きです。その場の思いつきではなく、時間をかけて出した答えだと先に示しています。
続く I’m afraid は、相手にとって残念な知らせを伝えるときの前置きで、「あいにく」「悪いけど」にあたります。can’t allow you to ~ は「〜するのを許可できない」という意味です。前置きで角を取りながら、結論そのものははっきり言い切る組み立てが分かります。
理由を聞かれたメアリーは、honey と呼びかけてから、まだ小さいからだと答え、I don’t think it’s right. と添えました。「それは正しくないと思う」と、自分の判断として示す言い方です。シェルドンは I’m not A. I’m B. の形で、相手の言葉を打ち消してから自分の立場を言い直しています。
- A: I’m afraid I can’t allow you to stay out that late.
(悪いけど、そんなに遅くまで外にいるのは許可できないよ。) - B: Why? I’m not a kid anymore.
(どうして? もう子どもじゃないよ。)
「I’m willing to ~」で代案を出し、「then」で話を締める
反論を受けても、メアリーは結論を変えません。そのかわりに、自分が車で連れていくという別の案を出します。
Mary: I’m sorry, I made up my mind. If you’d really like to see this movie, I’m willing to drive you. Maybe we could meet your friends there.
(ごめんね、もう決めたの。どうしてもこの映画が観たいなら、私が車で連れていってあげる。向こうでお友だちと会えるかもしれないし。)Sheldon: I don’t want my mommy to take me.
(ママに連れていってもらうのはいやだ。)Mary: Well, then, you’re not going.
(それなら、行けないわね。)Young Sheldon Season1 Episode15(Dolomite, Apple Slices, and a Mystery Woman)
冒頭の made up my mind は「心を決めた」の意味で、同じ回のフレーズ記事でも取り上げています。ここで注目したいのは、その後の代案の出し方です。
If you’d really like to ~ は「本当に〜したいなら」と、相手の望みをいったん受け止める前置きです。続く I’m willing to ~ は「〜してもいい」「〜する用意がある」という意味で、自分が引き受ける意思を示します。Maybe we could ~ は「〜できるかもしれない」と、提案の押しつけを弱める形です。
シェルドンは mommy という幼い呼び方を自分で使い、母親に送ってもらう形を断りました。それに対する Well, then, ~ は「それなら〜」と、相手の返事を受けて結論を出す言い方です。代案が受け入れられなければ最初の結論に戻る、という筋道が一言で示されています。you’re not going は未来の予定を表す進行形で、「行くことにはならない」と決定事項として伝える形です。
- A: If you really want to go, I’m willing to drive you.
(本当に行きたいなら、車で送ってあげてもいいよ。) - B: Thanks. That would be great.
(ありがとう。助かるよ。)
「I’ll make a deal with you」で条件つきで許す
話はここで終わりません。別の場面で、メアリーがシェルドンに話を持ちかけます。
Mary: All right, I’ll make a deal with you.
(わかった、取引しましょう。)Sheldon: I’m listening.
(聞いてるよ。)Mary: You can go to Houston with your friends, but I want to meet this girl first.
(お友だちとヒューストンに行っていいわ。でも、その前にその子に会っておきたいの。)Sheldon: That’s very reasonable. Thank you.
(とても筋が通ってるね。ありがとう。)Mary: You’re welcome.
(どういたしまして。)Sheldon: Now, can you please reach the dryer sheets? I get vertigo on the step stool.
(それじゃ、乾燥機用のシートを取ってくれる? 踏み台に乗るとめまいがするんだ。)Young Sheldon Season1 Episode15(Dolomite, Apple Slices, and a Mystery Woman)
冒頭の All right は「わかった」と、それまでの流れを切り替える合図です。I’ll make a deal with you. は「取引しよう」と、条件つきの申し出を切り出す前置きです。You can ~, but I want to ~ first. で、許可と条件を一文に並べています。first は「その前に」で、条件を満たす順番まで伝える一語です。
受ける側の I’m listening. は「聞いているよ、続けて」と先を促す返事で、That’s very reasonable. は「とても妥当だ」と条件を受け入れる一言です。話がまとまると、シェルドンはすぐ頼みごとに移ります。
条件どおり、家に来たリビーに、メアリーはこう話しかけます。
Mary: I hope you’ll forgive me, I just wanted to meet the person driving my nine-year-old son to Houston.
(ごめんなさいね、9歳の息子をヒューストンまで乗せていってくれる人に、会っておきたかっただけなの。)Libby: I understand.
(わかります。)Tam: Me, too.
(僕も。)Mary: I wasn’t talking to you, Tam.
(今のはタムに言ったんじゃないのよ。)Young Sheldon Season1 Episode15(Dolomite, Apple Slices, and a Mystery Woman)
I hope you’ll forgive me は、相手に手間をかけさせるときの前置きです。just が「それだけ」と目的を小さく見せ、相手の構えをゆるめています。リビーは I understand. と短く理解を示しました。そこへタムも Me, too. と加わり、メアリーが自分に向けた言葉ではないと正すやり取りが続きます。
| 表現 | 働き |
|---|---|
| I’m afraid I can’t allow you to ~ | やわらかく、しかしはっきり許可しない |
| I’m willing to ~ | 自分が引き受ける代案を出す |
| Well, then, ~ | 相手の返事を受けて結論を出す |
| I’ll make a deal with you. | 条件つきの申し出を切り出す |
| That’s very reasonable. | 条件を受け入れる |
まとめ|断る・代案・条件の三段階
I’m afraid I can’t allow you to ~ で断り、I’m willing to ~ で代案を出し、I’ll make a deal with you で条件つきの許可に至る。一人の母親の言葉の中に、交渉の段取りがひととおり詰まっています。
次回も『ヤングシェルドン』の会話から、英語表現を一緒に見つけていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、この回の別の場面の英語を扱っています。


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