海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』のシーズン1、第9話では、パーティーを盛り上げるそれぞれのパートナーの様子について、クレアとミッチェルが姉弟で言葉を交わす場面が描かれています。今回は、言いかけた本音を途中で和らげて言い直す言い方と、欠点を認めたうえで愛情を語る言い方を取り上げます。
軽い会話の中に本音がふと顔を出す瞬間を、実際のやり取りとともに見ていきましょう。
“I was gonna say “embarrassing,” but yeah.” ― 本音を途中で和らげて言い直す言い方
クレアの工作コーナーについてミッチェルとやり取りが一段落したあと、クレアが話題を変えます。
Claire: And there’s mine. You think it’s weird that we both chose people who were so-
(あっちが私の。私たち二人とも、あんなに——な人を選んだって、変だと思う?)
Mitchell: Uninhibited?
(奔放な人ってこと?)
Claire: I was gonna say “embarrassing,” but yeah. Look at them now. They’re the life of the party.
(「恥ずかしい」って言おうとしたんだけど、まあそうね。見てよ、今の二人。パーティーの盛り上げ役じゃない。)Modern Family Season1 Episode9 (Fizbo)
クレアは so- と言葉を途中で止め、続きをミッチェルが Uninhibited?(奔放?)と引き取ります。それに対してクレアが返すのが I was gonna say “embarrassing,” but yeah. です。I was gonna say X, but Y は、本当はもっと率直な言葉(embarrassing = 恥ずかしい)を言おうとしていたことを認めつつ、相手が挟んだ穏やかな言葉(uninhibited)にも同意する、という二段構えの言い直しになっています。
きつい本音をそのまま口にするのではなく、いったん和らげた言葉を相手に委ねてから軽く認める、という流れが、姉弟らしい気の置けないやり取りとして伝わってきます。I was gonna say X, but Y という型は、日常会話でも率直すぎる感想を口にする前に一呼吸置きたいときに応用できます。
A: How was the food at that new place?
(あの新しいお店の料理、どうだった?)
B: I was gonna say “disappointing,” but it was just okay.
(「がっかり」って言おうとしたんだけど、まあまあだったかな。)
このやり取りのように、いったん強い言葉を口にしかけてから、より穏やかな評価へと着地させる型は、相手を気遣いながらも本音の温度を伝えたいときに便利です。クレアとミッチェルのやり取りでも、embarrassing という率直な言葉と uninhibited という柔らかい言葉の両方が顔を出すことで、姉弟それぞれの受け止め方の違いがさりげなく浮かび上がっています。
“for all his craziness, I love my clown.” ― 欠点を認めたうえで愛情を語る譲歩の言い方
パーティー会場でパートナー2人の様子を見て、ミッチェルが自分の気持ちを打ち明けます。
Mitchell: you know, I gotta say, for all his craziness, I love my clown.
(正直言うとさ、あいつがどんなに変わり者でも、僕はあのクラウンが好きなんだ。)
Claire: Me too. They’re good for us. I would’ve totally tanked this party.
(私も。彼らって、私たちにとってプラスよね。私一人だったら、このパーティー完全に台無しにしてたわ。)Modern Family Season1 Episode9 (Fizbo)
for all his craziness は、「彼のどんな変わり者ぶりにもかかわらず」という意味の譲歩の言い方です。for all X の形で欠点や難点をまず認めたうえで、そのあとに I love my clown. という肯定の一文を続けることで、欠点込みで相手を受け入れている姿勢がよく表れています。
クレアが続ける They’re good for us. は、シンプルな一文ながら「(この人は)自分にとってプラスだ」という評価をはっきり言い切る形です。I would’ve totally tanked this party. の would’ve は、実際には起きなかった仮定の結果を述べる言い方で、パートナーがいなければ自分一人ではうまくいかなかっただろう、という素直な認め方につながっています。
for all X は、for all his craziness のように人の性質だけでなく、for all its problems(問題だらけではあるものの)のように物事全般にも使える形です。欠点や難点を先に一言で認めてしまうことで、そのあとに続く肯定的な評価がより実感のこもったものとして伝わってきます。
A: He’s always late and never texts back.
(あの人、いつも遅刻するし返信もくれないんだよね。)
B: Yeah, but for all his flakiness, he always shows up when it really matters.
(そうなんだけど、それでも肝心なときは絶対に来てくれるのよね。)
こうした言い方は、相手の短所を隠さずに認めながらも、それを上回る評価をきちんと言葉にしたいときに役立ちます。ミッチェルとクレアのやり取りも、変わり者ぶりを笑い話にしながら for all X の一言で本音の愛情をさらりと差し込む、家族を評するときの一つの型として読み取ることができます。
まとめ|口ごもりと譲歩に本音がにじむ話し方
I was gonna say “embarrassing,” but yeah. の言い直しと、for all his craziness, I love my clown. の譲歩構文を見てきました。率直な言葉を和らげたり、欠点を先に認めてから愛情を語ったりする話し方に、家族への本音がにじみ出ています。
次回も『モダンファミリー』と一緒に英語表現を見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


コメント