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『モダンファミリー』のシーズン1、第16話では、グロリアが息子のマニーをジェットコースターに乗せようとし、渋るマニーを説得する場面が描かれます。今回は、相手を説得するときの言い方と、渋々ながらも最後には折れて動き出すときの言い方、この二つを合わせて取り上げます。
なかなか首を縦に振らない相手を前にしたとき、説得する側とされる側が、それぞれどんな言葉を選んでいるのかを見ていきましょう。
「you have to face your fears」「I will catch you」― 相手を説得する言い方
遊園地で何かがおかしいと気づいたマニーが、グロリアの本当の狙いを見抜きます。ジェイはそれを否定しますが、グロリア自身がマニーをジェットコースターに乗せるつもりだったことを認めます。
Gloria: Yes, I am.
(ええ、そうよ。)Jay: What? –
(何だって?)Manny: Told you.
(ほら、僕の言った通りだよ。)Gloria: Manny, you have to face your fears.
(マニー、恐怖と向き合わなきゃダメよ。)Jay: That’s why we’re here? Why didn’t you let me in on your little plan?
(それでここに来たのか? どうして俺にその計画を教えてくれなかったんだ?)Gloria: Because you’re the worst liar.
(だって、あなたは嘘をつくのが下手すぎるんだもの。)Gloria: He would have seen right through you.
(すぐに見抜かれてたわよ。)Modern Family Season1 Episode16 (Fears)
you have to face your fears(恐怖と向き合わなきゃダメ)は、相手に直接「怖がっている対象から逃げずに向き合え」と促す表現です。遠回しな言い方ではなく、正面から要求を伝える言い回しと言えます。face という動詞は「直面する」という意味で、fear(恐怖)以外にも、problem(問題)や challenge(課題)など、避けたくなる対象と組み合わせて使われます。
you have to の代わりに you need to を使っても近いニュアンスを伝えられますが、have to のほうがやや強く、逃げ道を残さない響きになります。
マニーが拒むと、グロリアは不安を一つずつ拾いながら説得を重ねます。
Manny: I don’t wanna go on the roller coaster.
(僕、ジェットコースターには乗りたくないよ。)Gloria: Manny, you were afraid to light the barbecue, but now your eyebrows have grown back and your salmon is legendary.
(マニー、バーベキューの火をつけるのだって怖がってたじゃない。でも今じゃ眉毛も生えそろって、あなたのサーモンは伝説なのよ。)Manny: What if I fall out?
(もし落ちちゃったら?)Gloria: I will catch you.
(私が受け止めるわ。)Jay: That’s not possible.
(そんなの無理だろ。)Jay: He would crush you.
(押しつぶされちまうぞ。)Manny: What if I throw up?
(もし吐いちゃったら?)Gloria: I will clean it up.
(私が片付けるわ。)Modern Family Season1 Episode16 (Fears)
マニーが「もしも」を重ねるたびに、グロリアは I will catch you. I will clean it up. と、一言で安心材料を返しています。相手の不安な問いかけに長々と説明せず、短い断定で応じるのがこの言い方の特徴です。I will + 動詞 という未来形は、相手の心配に対して「自分がその責任を引き受ける」という約束を表す言い方としても使えます。長い説明を重ねるよりも、短く言い切るほうが相手に安心感を与える場面は少なくありません。
「You’re not gonna let up, are you?」「Fine. Let’s get it over with.」― 渋々折れて動き出す言い方
グロリアの説得が続く中、マニーはついに観念します。
Manny: You’re not gonna let up, are you?
(お母さんは、絶対に譲らないんだね?)Gloria: Baby, I think you know the answer.
(坊や、答えはもうわかってるでしょう。)Manny: Fine.
(わかったよ。)Manny: Let’s get it over with.
(さっさと済ませよう。)Modern Family Season1 Episode16 (Fears)
let up(手を緩める、譲る)は、相手がしつこく迫ってくる圧力そのものを指す動詞です。You’re not gonna let up, are you? は、相手が引き下がらないと悟ったときの言い回しとして使えます。
これに対するマニーの Fine. Let’s get it over with. は、納得したわけではないものの、渋々ながら自分を奮い立たせて動き出すときの言い回しです。get it over with は「(気の進まないことを)さっさと済ませる」という意味で、動き出す決心そのものよりも、早く終わらせたいという気持ちが前面に出ている点が特徴です。Fine.(わかったよ)という一言も、心から納得したわけではなく、渋々折れるときの相槌として使われる言い方です。
A: Do we really have to clean the whole garage today?
(今日、本当にガレージ全部を掃除しなきゃいけないの?)
B: Yeah. Let’s just get it over with.
(そう。もうさっさと済ませちゃおう。)
このように、気の進まない作業を前に「仕方ない、片付けよう」と自分に言い聞かせる場面で使える表現です。get it over with は with の後ろに目的語を置かず、それだけで「(その話題は)片付けてしまおう」という意味を表す言い方でもあります。
A: I really don’t want to call the dentist.
(歯医者に電話するの、本当に気が重いな。)
B: Just get it over with. You’ll feel better after.
(さっさと済ませちゃいなよ。終わればすっきりするから。)
この形では、電話や謝罪など、先延ばしにしがちな用事を指して使われることが多く、相手の背中を押す一言としても機能します。マニーの Fine. Let’s get it over with. も、心の準備が整ったからではなく、これ以上抵抗しても仕方がないと悟った末の一言である点が、この言い回し全体に共通する温度感と言えます。
まとめ|折れるにも、折れ方がある
you have to face your fears や I will catch you は相手を説得する言い方、let up や Let’s get it over with. は渋々ながら折れて動き出すときの言い方です。同じ説得の場面でも、説得する側とされる側でまったく違う言葉が選ばれている様子が読み取れます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に英語表現を見ていきましょう。
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