「Mom, I did it! I passed!」に見る、アメリカの運転免許試験という通過儀礼の文化|『モダンファミリー』S01E16で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Mom, I did it! I passed!」に見る、アメリカの運転免許試験という通過儀礼の文化|『モダンファミリー』S01E16で学ぶ英会話

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『モダンファミリー』のシーズン1、第16話では、長女ヘイリーが運転免許の路上試験に挑む一日が丁寧に描かれます。今回は、劇中で語られる試験前の緊張と合格後の様子を通して、アメリカの家庭に見られる運転免許取得という一つの通過儀礼の姿を紹介します。

10代の子どもが免許を取るまでの道のりと、それを家族がどう見守っているのかが、実際のセリフとともに見えてきます。

目次

「It’s my third driver’s test」― 何度も受け直すことが珍しくない路上試験

冒頭の場面で、ヘイリーは免許にまつわる不安を口にしています。

Haley: Never getting my driver’s license.
(一生、運転免許なんて取れない気がする。)

Haley: Or getting one and the picture sucks.
(取れたとしても、写真が最悪とか。)

Modern Family Season1 Episode16 (Fears)

母クレアに靴のことを聞かれただけで、ヘイリーは苛立ちを見せます。

Claire: Oh, Haley, sweetie, did you find your shoes?
(ヘイリー、靴は見つかった?)

Haley: Mom, please, not today.
(ママ、お願い、今日はやめて。)

Claire: I just wanted to know if you found your shoes.
(靴が見つかったかどうか聞きたかっただけよ。)

Haley: Why are you hounding me? I’m freaking out right now.
(なんでそんなにうるさく言うの? 今、すごくパニックなんだから。)

Claire: You need to relax.
(落ち着かなきゃ。)

Claire: It’s just a driver’s test.
(ただの運転試験でしょ。)

Haley: It’s my third driver’s test, and if I fail again, I have to wait six months to retake it.
(これで3回目の試験なの。また落ちたら、次の受験まで半年待たなきゃいけないんだから。)

Haley: That’s six more months of you driving me everywhere.
(それってつまり、あと半年、ママにどこでも送ってもらうってことなのよ。)

Modern Family Season1 Episode16 (Fears)

ヘイリーが口にする third driver’s test(3回目の運転試験)という言い方から、この作品では路上試験に複数回挑戦する10代の姿が描かれていることが分かります。driver’s test(運転試験)は、実際に車を運転して行う実技試験を指す言い方で、路上での試験は road test と呼ばれることもあります。

不合格の場合に一定期間空けてから retake(再受験する)という運用も語られていますが、こうした試験内容や待機期間は州や地域によって異なるため、この作品ではこう描かれている、という水準で捉える必要があります。アメリカでは運転免許の取得年齢や試験制度そのものが州ごとに定められており、同じ国の中でも手続きの細部は一様ではありません。

また、ヘイリーが Why are you hounding me?(なんでそんなにうるさく言うの?)と母親に返す一言からは、試験前の家庭内の空気が伝わってきます。hound(しつこく催促する、うるさく言う)は、悪気のない声かけであっても、当人にとっては負担に感じられる状況を表す動詞です。免許を控えた10代の緊張と、それを見守る親の気遣いがすれ違う様子が、このやり取りから読み取れます。

That’s six more months of you driving me everywhere.(あと半年、ママにどこでも送ってもらうことになる)という一言からは、免許を取ることが単なる資格の取得ではなく、親からの送迎に頼らず一人で移動できるようになるかどうかの分かれ目として受け止められている様子がうかがえます。10代にとって免許取得が持つ意味の大きさが、この一言に集約されています。

「Mom, I did it! I passed!」― 免許を持つ子の運転に、繰り返しかけられる声

試験を終えたヘイリーは、合格の報告を母に伝えます。

Haley: Mom, I did it! I passed!
(ママ、やった! 合格したよ!)

Modern Family Season1 Episode16 (Fears)

物語の終盤には、車を運転するヘイリーに向けて、クレアが繰り返し声をかける場面があります。

Haley: Bye! –
(バイバイ!)

Claire: Eyes on the road.
(前を見て運転して。)

Haley: Love you! –
(愛してるよ!)

Claire: Eyes on the road.
(前を見て運転して。)

Haley: Whoo!
(イエーイ!)

Claire: Oh, God.
(ああ、もう。)

Modern Family Season1 Episode16 (Fears)

車を運転するヘイリーに向かってクレアが Eyes on the road.(前を見て運転して)を繰り返す様子から、免許を持つ子どもに対して家族が見守り続ける距離感が伝わってきます。免許を取ることが一つの区切りでありながら、そこから先も家族の声かけが続くという構図が、この場面の見どころです。

Eyes on the road. は、運転中の相手に「前方に注意を払って」と伝える定番の言い方です。免許を持つ子どもが浮かれて声を上げる一方で、クレアがすかさず視線を道路に戻させようとする、というやり取りには、運転を見守る親の心配がにじんでいます。

クレアが最後に漏らす Oh, God.(ああ、もう)という一言にも、同じ心配が表れています。Eyes on the road. はごく短いフレーズながら、同じ言葉を二度繰り返すことで、クレアの落ち着かない気持ちがそのまま伝わってくる言い方になっています。日常会話でも、注意力が散漫になりがちな相手に対して、短い言葉を繰り返して念を押す場面で使いやすい表現です。

免許を持つようになった子どもであっても、しばらくは家族からの声かけが続く、という距離感も、このやり取りから読み取れます。

こうした路上試験の制度や再受験までの待機期間、免許取得後の親の関わり方は、州や家庭によって大きく異なります。この作品で描かれるのはあくまで一つの家庭の例であり、アメリカ全体に一括りにできるものではない点には注意が必要です。

まとめ|免許を持つ子どもへ、繰り返される声かけ

3回目の挑戦という試験前の緊張と、運転するヘイリーへのクレアの声かけから、運転免許取得という通過儀礼をめぐる家庭の距離感が見えてきます。試験内容や再受験の制度は州によって異なるため、この作品ではこう描かれている、という一例として読むのが自然です。

次回も『モダンファミリー』の世界をこれからも一緒に見ていきましょう。

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