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『モダンファミリー』シーズン2第2話では、フィルがジェイの家の新しいプリンターの設定を任されます。普段はジェイに冗談のネタにされる側のフィルにとって、頼られるのは珍しい出来事です。その喜びようと、作業後の家族のやり取りに、日常で使える英語が詰まった筋です。
今回はこの筋を起点に、立場が逆転して得意になる言い方、相手を持ち上げるふりをする言い方、そしてお礼の言葉の足りなさをめぐるやり取りを見ていきます。
立場の逆転を喜ぶ「Look who ~ now.」
電話で声がかかったフィルは、こう語ります。
Phil: Hells yes, I was glad to get the call.
(そりゃもう、電話をもらってうれしかったさ。)Phil: Jay’s always around here fixing things, cracking jokes about my delicate hands or my gag response to the smell of paint.
(ジェイはいつもうちに来ては何か直して、俺の手が華奢だとか、ペンキのにおいでオエッとなるとか、からかってくるんだ。)Phil: Look who needs me now.
(それが今じゃ、誰が俺を頼ってるかって話だよ。)Modern Family Season2 Episode2 (The Kiss)
Look who ~ now. は直訳すると「今〜しているのが誰か見てごらん」で、立場がひっくり返ったことを得意げに示す型です。Look who’s talking.(よく言うよ)や Look who’s here.(誰かと思えば)と同じ Look who の構文で、後ろに now が付くと「前とは違って今は」という対比が強まります。
直前の I was glad to get the call も、頼まれごとを喜ぶ気持ちを素直に表す言い方です。get the call は「電話をもらう」だけでなく、「声がかかる・お呼びがかかる」という響きも持ちます。フィルはいつも自分がからかわれる側だったことを挙げたうえで、今回は立場が逆だと言いたいわけです。
- A: Can you help me set up my new phone?
(新しいスマホの設定、手伝ってくれない?) - B: Well, well. Look who needs me now.
(おやおや、今度はそっちが頼ってくる番?)
親しい間柄での軽い冗談として使われることが多い一言です。目上の人や仕事の相手に向けると嫌味に聞こえかねないため、相手との距離を見て使い分けたいところです。
持ち上げるふりをする「Not everyone can handle ~」
ジェイの家でプリンターを前にしたフィルは、機種の感想から話し始めます。
Phil: Nice unit.
(いい機種だね。)Phil: I would have sprung for the 840, but I get it.
(俺なら840を奮発してたけど、まあ分かるよ。)Phil: Not everyone can handle that kind of horsepower.
(誰もがあのパワーを使いこなせるわけじゃないからね。)Jay: I thought maybe the cordless phone was interfering, so I unplugged it.
(コードレス電話が邪魔してるのかと思って、コンセントを抜いといた。)Phil: Good idea.
(いい考えだね。)Phil: Maybe we should run downstairs and unplug the toaster while we’re at it.
(ついでに下に行って、トースターのコンセントも抜いとこうか。)Modern Family Season2 Episode2 (The Kiss)
I get it. は「分かるよ」と相手の選択に理解を示す一言ですが、I would have sprung for ~(自分なら〜を奮発した)の後に置かれると、上から目線の含みが出ます。続く Not everyone can handle ~ も、表向きは相手をかばいながら、自分なら扱えると言外ににおわせる形です。
Good idea. の後のトースターの提案は、ジェイの対処を茶化す皮肉として読み取れます。ルークが口を挟んだ後、フィル自身が We’re kidding. と言っているため、冗談だと分かる場面です。
spring for ~ は「〜を奮発して買う」という口語で、would have sprung と仮定の形にすることで「自分ならそうした」と比べる響きが加わります。トースターの提案に出てくる while we’re at it は「ついでに」を表す定番の言い回しで、皮肉を含まない日常の場面でもよく登場します。
- A: I’m going to the store.
(ちょっとお店に行ってくるね。) - B: Could you pick up some milk while you’re at it?
(ついでに牛乳を買ってきてくれる?)
「thanks」だけで足りるのかをめぐるやり取り
設定を終えたフィルが印刷できるようになったと報告した後、家族がそろう場でグロリアがジェイに声をかけます。
Gloria: Wake up, dummy.
(しっかりしてよ、おバカさん。)Gloria: This is what we’re talking about.
(こういうことを言ってるのよ。)Gloria: This guy’s been working like an imbecile all day for you.
(この人、あなたのために一日中バカみたいに働いてたのよ。)Gloria: People need something else kisses, hugs.
(人にはほかのものも必要なの、キスとかハグとか。)Jay: What? For fixing a printer?
(何だって? プリンターを直したくらいで?)Phil: Well, I was fine.
(いや、俺は平気だったよ。)Phil: It was only four hours.
(たった4時間だったし。)Modern Family Season2 Episode2 (The Kiss)
グロリアの This is what we’re talking about. は、目の前の出来事を指して「まさにこういうことよ」と示す言い方です。Well, I was fine. と It was only four hours. は、遠慮してみせる返し方の典型と言えます。フィルはこの後、ペンキの缶を倒したことなども付け足しており、「平気」と言いながら大変だったことがにじむ流れです。
Jay: What’s wrong with “thanks”?
(「ありがとう」の何が悪いんだ?)Claire: It’s pretty much the bare minimum, Dad.
(それって最低限でしょ、パパ。)Manny: Jay, for God’s sakes, just say something.
(ジェイ、頼むから何か言ってあげなよ。)Modern Family Season2 Episode2 (The Kiss)
What’s wrong with ~? は「〜の何が悪い」と開き直る聞き方です。クレアの the bare minimum は「最低限」を表す言い回しで、詳しい使い方は同じ回のフレーズ記事に譲ります。マニーの just say something は、「とにかく何か言って」と気持ちを言葉にするよう促す一言です。
- A: You’re wearing that to the party?
(それ着てパーティーに行くの?) - B: What’s wrong with this shirt?
(このシャツの何が悪いの?)
開き直りの What’s wrong with ~? と、それを受けて周りが言葉を足すよう促す流れは、家族の会話らしい応酬として印象に残ります。
まとめ|頼られる喜びと感謝の言葉のすれ違い
Look who needs me now. で立場の逆転を喜び、Not everyone can handle ~ で持ち上げるふりをし、What’s wrong with “thanks”? で開き直る。プリンター1台をめぐる筋から、頼る側と頼られる側の気持ちのすれ違いを表す英語が見えてきます。
『モダンファミリー』の家族の会話を観ながら、こうした言い回しに耳を傾けるのも一つの楽しみ方です。
このエピソードの英語表現は、ほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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