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『モダンファミリー』シーズン3第21話で、フィルは友人アンドレに背中を押され、スポーツカーを買って帰ります。この1台をめぐって、フィルとクレアの口からは「実用的かどうか」を気にする言葉と、たまには羽目を外したいという言葉が交互に出てきます。2人の気持ちが入れ替わっていく流れも見どころです。
責任感を口にする言い方と、それをいったん手放す言い方を、場面の順に追っていきます。
「shake things up」と「not practical」の間で揺れるフィル
販売店で車を見ている最中、アンドレから新しい車にあまりわくわくしていないようだと言われたフィルは、こう答えます。
Phil: No, it’s great.
(いや、いい車だよ。)Phil: I’ve just leased the same thing forever.
(ただ、ずっと同じのをリースしてきたからさ。)Phil: Part of me wants to shake things up.
(ちょっと変化をつけたい気持ちもあるんだよな。)Phil: I don’t know.
(どうかな。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
shake things up は「揺さぶる」から転じて、いつものやり方を変えて変化を起こすという意味です。Part of me wants to ~ は「〜したい気持ちも少しある」と、心の一部だけがそう思っていることを示す言い方で、決めきれない様子がそのまま表れています。直前の forever は「永遠に」ではなく「ずっと、長いこと」という大げさな言い方で、同じ車に乗り続けてきた退屈さを強めています。
その後、別の車に目を留めたフィルにアンドレが買うよう勧めると、フィルは次のように返します。
Andre: You should buy it.
(買っちゃえよ。)Phil: No, it’s not practical.
(いや、実用的じゃないよ。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
practical は「実用的な、現実的な」という意味で、It’s not practical. は欲しい物をあきらめる理由として口にしやすい一言です。それでもアンドレに押されたフィルは車を買い、子どもたちの前でアンドレは「I talked him into it.」と話しています。
「I’m responsible」から「my turn to be irresponsible」へ
車を見たクレアは「I’m not upset.」と2度言い、別の車にしなかったことに驚いただけだと話します。別の場面で、クレアは仕事で人を乗せる予定のフィルに自分の車を貸すと申し出て、自分はフィルの新しい車に乗ることになります。「nice car」と声をかけてきた男性に、用事を済ませるだけだと答えたクレアはこう続けます。
Claire: No.
(違うわ。)Claire: I’m responsible.
(私は責任ある人間なの。)Claire: Mm-hmm.
(そうよ。)Claire: We have three kids.
(子どもが3人いるんだから。)Claire: You can’t pick up three kids in this car.
(この車じゃ3人も迎えに行けないでしょ。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
ところが後の場面で、クレアはこの日のことを次のように振り返ります。
Claire: Maybe I was a teeny bit mad.
(ほんのちょっと、怒ってたかもしれない。)Claire: So I blew off my errands and headed up the coast.
(だから用事はすっぽかして、海岸沿いを走ったの。)Claire: It was my turn to be irresponsible.
(今度は私が無責任になる番だったのよ。)Claire: And luckily, I had sunscreen in my purse.
(それに運よく、バッグに日焼け止めが入ってたし。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
responsible に否定の ir- を付けた irresponsible を、It was my turn to ~(今度は自分が〜する番だった)と組み合わせることで、フィルが先にしたことを今度は自分がする、という含みが生まれます。冒頭の Maybe と a teeny bit(ほんのちょっと)は、怒っていたことを小さく見せて認める言い方です。
blew off my errands は用事をすっぽかすという意味で、同じ回のフレーズ記事で詳しく扱っています。クレアはさらに、携帯の電源を切ったと話し、I haven’t felt that free in years. と続けます。in years は「何年も〜していない」を表す、久しぶりの感覚を伝える形です。
「You bought it for a reason」と「make a pact」
その後、フィルとクレアが顔を合わせる場面で、クレアはあの車を買ったことに怒っていたと打ち明け、あれはいい車だと言い直します。一方、子どもたちを乗せて運転するよさを語っていたフィルの口からは、反対の言葉が出てきます。
Phil: I really want to be able to drive the kids around.
(やっぱり子どもたちを車に乗せてあちこち行けるようにしたいんだ。)Phil: I need a bigger car for work.
(仕事にももっと大きい車が要るし。)Phil: I made a mistake.
(俺、間違えたよ。)Claire: No, you didn’t.
(ううん、間違えてない。)Claire: You bought it for a reason.
(理由があって買ったんでしょ。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
You bought it for a reason. は、後悔している相手の選択を「理由があってのことだ」と肯定する返しです。I made a mistake. に No, you didn’t. と助動詞だけで打ち消すと、短くても「そんなことはない」という気持ちがはっきり伝わります。
- A: I shouldn’t have bought this bike. I made a mistake.
(この自転車、買うんじゃなかった。失敗したよ。) - B: No, you didn’t. You bought it for a reason.
(そんなことないよ。理由があって買ったんでしょ。)
そのうえでフィルは、2人の決まりごとを提案します。
Phil: You know We don’t need a sports car to get out here.
(なあ、ここに来るのにスポーツカーなんか要らないよな。)Claire: Mm.
(うん。)Phil: We should just make a pact.
(いっそ約束しようよ。)Phil: Once a month, we get out to the beach.
(月に一度、ビーチに来るんだ。)Claire: And we tell everyone we’re running errands.
(で、みんなには用事を済ませてるって言うの。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
make a pact は「固く約束を交わす」という、少し改まった響きのある言い方です。We should just ~ の just は「いっそ〜しよう」と、あれこれ悩むより単純な解決を差し出す響きを添えています。クレアが男性に答えた「用事」が、今度は2人の口実として戻ってくるのが面白いところです。
まとめ|責任感と息抜きを言い分ける表現
not practical や I’m responsible で自分を抑える言い方と、shake things up や It was my turn to be irresponsible. で羽目を外す言い方が、この回では並んで登場します。make a pact まで追うと、2人が息抜きの形を決めていく流れが見えてきます。
実用性と楽しみの間で揺れる家族の会話を、これからも一緒に追っていきましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、別の家族の週末に飛び交う英語を取り上げています。


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