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『モダンファミリー』シーズン3第4話では、演劇部の遠征費を集めるために包装紙を売って回るマニーと、その売り方を指南するジェイの姿が描かれます。ジェイは最初、少し断られたくらいで諦めるなと厳しく背中を押しますが、最後には結果よりも努力をねぎらう言葉を口にします。
今回は、この二人のやり取りから、発破をかける言い方と、弱音を吐く言い方、そして努力をねぎらう言い方を順に見ていきます。
3軒で投げ出すなと発破をかける「can’t quit」
マニーは、演劇部の遠征のチケット代を集めるために包装紙を売っているとジェイに話します。グロリアが全部買ってあげると言うと、ジェイは「No, he’s got to learn to sell.」と断り、自分で売ることを学ばせようとします。
包装紙を売りに回ったマニーに、ジェイは「Hey there, Mr. Salesman.」と声をかけます。マニーは商売の話はしたくないと言い、成果は diddly and squat だったと答えます。diddly-squat は「ゼロ、何もなし」をおどけて言う口語で、マニーはそれを「二つのもの」と数えてみせています。何軒回ったのかと聞かれた後のやり取りが次の場面です。
Manny: Must’ve been at least three.
(少なくとも3軒は回ったはずです。)Jay: Three? And that’s your idea of the best you got?
(3軒? それがお前の精いっぱいってわけか?)Manny: It was very hard on me.
(僕にはとてもこたえたんです。)Manny: I’m not used to rejection Or hills.
(断られるのには慣れていないので。坂道にも。)Jay: Look, you can’t quit after three houses.
(いいか、3軒で投げ出すわけにはいかないぞ。)Jay: That’s– that’s not perseverance.
(そんなのは、粘り強さとは言わない。)Modern Family Season3 Episode4 (Door to Door)
You can’t quit after ~. は「〜くらいでやめるわけにはいかない」と、途中で投げ出そうとする相手を引き留める一言です。after のあとに回数や期間を入れると、「まだそれだけしかやっていない」という含みが加わります。続く That’s not perseverance. は、相手の行動を名詞 perseverance(粘り強さ)と比べて「それは粘りとは呼べない」と突き放す形で、発破をかける響きが強まる組み立てです。
「What are you selling?」で売り物の見方を変える
ジェイはここで、何を売っているのかとマニーに問いかけます。
Jay: What are you selling?
(何を売ってるんだ?)Manny: Wrapping paper.
(包装紙です。)Jay: Wrong.
(違う。)Jay: You’re selling christmas— The excitement of opening presents, the taste of eggnog.
(お前が売ってるのはクリスマスだ。プレゼントを開けるときのわくわく、エッグノッグの味。)Manny: I do love eggnog.
(エッグノッグは大好きです。)Modern Family Season3 Episode4 (Door to Door)
What are you selling? は文字どおり「何を売っているのか」を聞く疑問文ですが、ここでは答えを否定するための前振りになっています。You’re selling ~. の後ろに品物ではなく体験を置くことで、商品の見方を変えさせる組み立てが見どころです。
エッグノッグは卵や牛乳で作る甘い飲み物で、クリスマスの時期によく飲まれると言われます。包装紙そのものではなく、それを使う季節の楽しさを思い浮かべさせる狙いが読み取れます。ジェイはこの後、書き留めるよう言ってから「try」と「triumph」の違いを問いかけ、マニーの答えた A little oomph.(ちょっとした勢い)をそのまま繰り返します。
「I don’t have what it takes.」から「that’s what matters」へ
ジェイが手本を見せると言って売り込んだ家でも、男性に「I don’t believe in wrapping paper.」と断られます。その後、お腹がすいたと言うマニーに、ジェイはもう1軒と声をかけます。
Jay: Come on! Let’s hit another one.
(ほら! もう1軒行くぞ。)Manny: I can’t do it.
(無理です。)Jay: What?
(何だって?)Manny: I don’t have what it takes.
(僕にはその素質がないんです。)Modern Family Season3 Episode4 (Door to Door)
hit は「(店や家を)回る、訪ねる」の意味で、Let’s hit another one. は「次に行こう」と勢いをつける言い方です。what it takes は「必要なもの、素質」を指し、I don’t have what it takes. で「自分にはそれだけの力がない」という弱音になります。ジェイの「What kind of talk is that?」は「なんて弱気なことを言うんだ」と打ち消す返しです。マニーは自分は優れた販売員でも実業家でもないと続け、こう打ち明けます。
Manny: Do you know what it’s like to see all the amazing things you’ve accomplished, knowing I never will? How am I supposed to live up to you? How is anyone?
(ジェイが成し遂げてきたすごいことを見ながら、自分には決してできないと分かっているのがどんな気持ちか分かりますか? どうやってジェイに追いつけっていうんです? 誰にできるっていうんですか?)Jay: Ah, so the fish weren’t biting today.
(まあ、今日は魚が食いつかなかったってことだ。)Jay: So what? That’s life.
(それがどうした? 人生そんなもんだ。)Jay: You tried hard, and that’s what matters.
(お前は一生懸命やった。それが大事なんだ。)Modern Family Season3 Episode4 (Door to Door)
live up to ~ は「〜(の期待や手本)に見合う」という意味の句動詞です。ジェイは the fish weren’t biting と釣りのたとえで「今日はついていなかった」と受け止め、So what? That’s life. で結果を小さく扱い、that’s what matters で大事なのは努力だと言い切ります。直後に、ジェイは実は包装紙が要るんだと言い出し、マニーの「You don’t have to do that.」に「I want to do it.」と返します。
- A: I didn’t win the race.
(レースで勝てなかった。) - B: So what? You tried hard, and that’s what matters.
(それがどうした? 一生懸命やった、それが大事なんだよ。)
まとめ|発破とねぎらいの英語
You can’t quit after three houses. や Let’s hit another one. で背中を押し、弱音の I don’t have what it takes. を受けて You tried hard, and that’s what matters. とねぎらいます。励まし方の切り替えが一続きの会話で見えてきます。
二人の会話を思い出しながら、次回も『モダンファミリー』の英語を一緒に拾っていきましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、戸別訪問をめぐる別の英語も取り上げています。


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