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『モダンファミリー』シーズン3第8話では、ルークとマニーが、人に贈るために預かったヘリコプターを試しに飛ばそうとします。乗り気なルークと、ためらいながらも誘いに乗ってしまうマニーのやり取りには、誘う側と誘われる側の英語がそろっています。
今回は、軽い誘い文句から言いくるめの理屈、失敗した後の責任の押しつけ合いまで、3つの場面を登場する順に見ていきます。
「I say we ~」で軽く誘う
近所の一家が火事で家を失い、家族は支援の品を集めています。グロリアはその家の息子ルーベンのために、スマートフォンで操作するカメラ付きのヘリコプターを用意し、大事にしまっておくよう言います。そのヘリコプターを前にしたルークとマニーの会話です。
Luke: You know what? I say we take this thing out and see how she flies.
(ねえ、これ外に出して、どんなふうに飛ぶか見てみようよ。)Manny: I don’t know.
(どうでしょう。)Manny: My mom got it for Reuben.
(母さんがルーベンのために買ったものですよ。)Luke: Oh, so now he won’t even share his toys?
(え、じゃああいつはおもちゃも貸してくれないってわけ?)Manny: He never does.
(いつも貸してくれないんです。)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
ルークの so now ~? は「じゃあ今度は〜ってわけ?」と、相手の言い分を大げさにまとめ直して非難する聞き方です。本来はルーベンへの贈り物なのに、「貸してくれない」という話にすり替えて、飛ばす口実にする理屈です。マニーまで He never does. と乗ってしまい、ルークの軽口が続いた後、マニーはこう応じます。
Manny: Yeah! You’re a terrible influence.
(そうだ! 君は本当に悪い影響を与えるね。)Luke: You need me.
(僕がいないとだめでしょ。)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
I say we ~ は「〜しようよ」と、自分の案として軽く提案する口語の形です。Let’s より「僕はこう思う」という主張が少し前に出ます。see how she flies の she は機械や乗り物を指す言い方で、ここではヘリコプターのことです。
マニーの You’re a terrible influence. は、influence(影響)に terrible を付けて「君は悪い影響を与える人だ」と言う表現です。直前に Yeah! と同調しているので、誘いに乗りかけながら口にした一言と読み取れます。ルークの You need me. は、それを否定せずに開き直る返しです。
言いくるめの理屈と「What is this hold you have on me?」
別の場面で、ルークはあらためてマニーを誘います。
Luke: So you wanna try it?
(で、やってみる?)Manny: I don’t know.
(どうでしょう。)Manny: I’m still feeling guilty.
(まだ後ろめたいんです。)Luke: It’s Reuben’s helicopter.
(ルーベンのヘリコプターだよ。)Luke: Reuben is the whole reason we should be doing this.
(ルーベンこそ、僕らがこれをやるべき理由そのものなんだって。)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
feel guilty は「罪悪感がある、後ろめたい」という意味で、still を入れると「前に言ったときから気持ちが変わっていない」ことが伝わります。これに対するルークの答えは、ルーベンのものだからこそ飛ばすべきだという、筋が通っているとは言いにくい理屈です。the whole reason は「理由のすべて」で、the whole を付けると「まさにそれが理由だ」と強く言い切る形になります。やり取りの終わりのほうで、ルークはこう言います。
Luke: You gotta grab what you can when you can.
(つかめるときに、つかめるものはつかまなきゃ。)Manny: What is this hold you have on me? Wow.
(君が僕を操るこの力は何なんでしょう? いやはや。)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
grab what you can when you can は「チャンスがあるうちにつかめ」という意味で、what you can と when you can をそろえた言い回しです。マニーの hold は名詞で「つかむこと、支配力」を表し、have a hold on someone で「人を思いどおりに動かす力を持っている」という意味になります。自分がなぜ逆らえないのかを大げさに問う形で、年齢に似合わない言葉づかいのマニーらしい受け答えが見どころです。
失敗した後の「Us? You were flying it.」
マニーが操作するうちにヘリコプターは遠ざかり、途中でルークが操作を代わったものの、遠くへ行ってしまいます。そこからの会話です。
Manny: What do you mean “oh, well”? My mom’s gonna kill us.
(「まあいいか」って何ですか? 母さんに殺されますよ、僕たち。)Luke: Us? You were flying it.
(僕たち? 飛ばしてたのは君でしょ。)Luke: I was in the attic packing boxes.
(僕は屋根裏で箱詰めしてたし。)Manny: You’re gonna help me find it, or the next search will be for you.
(一緒に探してもらいます。さもないと、次に捜索されるのは君ですよ。)Luke: I like this guy.
(こいつ、いいね。)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
My mom’s gonna kill us. は「ひどく叱られる」ことを大げさに言う言い回しで、本当に命の危険があるわけではありません。ルークの Us? は、相手の言葉の一語だけを聞き返して「僕も入るの?」と責任の範囲を問い直す返し方です。続く I was in the attic packing boxes. は、その場にいたルークによる言い逃れで、アリバイを主張する形の冗談と言えます。
マニーの ~, or … は「〜しなさい、さもないと…」という条件の形で、the next search will be for you の search は「捜索」を指します。ヘリコプター探しの search に掛けた言い返しです。誘われる側だったマニーが、ここでは強気に出てルークを引き込む側に回っている点が面白いところです。
- A: You’re gonna help me clean this up, or I’m telling Mom.
(片付けを手伝ってよ。じゃないと母さんに言うからね。) - B: Okay, okay.
(分かった、分かったよ。)
まとめ|誘う英語と言い逃れる英語
I say we ~ で誘い、the whole reason で理屈を強め、You’re a terrible influence. や What is this hold you have on me? で流される自分を認める。失敗の後は Us? の聞き返しと ~, or … の言い返しで立場が入れ替わります。
ルークとマニーのかけ合いを観ながら、次回も『モダンファミリー』の英語を一緒に拾っていきましょう。
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