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『モダンファミリー』シーズン3第8話では、新しい会社に加わらないかと誘われたフィルが、その日のうちに返事を迫られて迷い、ジェイに相談します。ジェイは励ましの言葉を並べるより先に、問いを一つずつ順番に投げかけて、話の論点を絞っていきます。
今回は、迷いを言葉にする言い方と、相談を受けた側が本人の気持ちを確かめる問いかけを、会話の順に見ていきます。
「Big opportunity, big risk」で迷いを言葉にする
フィルの職場を辞めた2人が、新しい会社を立ち上げていました。フィルはその2人から声をかけられた事情を、次のように語ります。
Phil: The two guys who left the firm asked me to quit my job and partner with them at the new agency.
(会社を辞めた2人から、今の仕事を辞めて新しい会社で一緒にやらないかって誘われたんだ。)Phil: Big opportunity, big risk, and they need an answer by the end of the day.
(大きなチャンスで、大きなリスク。しかも今日中に返事が欲しいって。)Phil: I don’t always make great decisions under pressure.
(俺、急かされるといつもいい判断ができるってわけじゃないんだよね。)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
Big opportunity, big risk は、同じ big を並べてチャンスとリスクが表裏一体であることを短く言い表したフレーズと言えます。under pressure は「プレッシャーの下で、急かされた状況で」という意味で、期限のある決断の話によく合う言い方です。
ジェイに「I’ve been offered a partnership in a new agency.」と打ち明けたときも、フィルの迷いは同じ形で出てきます。ジェイが「Good for you!」と祝うと、フィルは「I’m not so sure.」と受け、「there’s–there’s a big upside, but I have a stable job right now.」と続けます。
Good for you! は相手の朗報を祝う決まり文句ですが、フィルは I’m not so sure. で、素直に喜べない気持ちを示します。there’s a big upside, but ~ は「利点は大きいけれど〜」と、良い面と不安を一文で並べる言い方です。upside は「良い面、利点」で、反対の語は downside です。迷っている本人が自分で pros and cons を口にしている点が、相談の出発点です。
「only one question」で論点を絞る
ジェイはまず、身近な人の意見を確かめます。
Jay: Well, what does Claire think?
(で、クレアはどう言ってるんだ?)Phil: I haven’t told her yet.
(まだ話してないんだ。)Phil: I wanted to talk to you first.
(先に話しておきたくて。)Phil: You’ve done this.
(やったことあるでしょ。)Jay: Well, I think that there’s only really one question.
(そうだな、問題は結局ひとつだけだと思う。)Phil: Whether I’m ready to run my own company?
(俺に会社を経営する準備ができてるかってこと?)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
What does ~ think? は、相談相手の判断に入る前に、関係する人の考えを聞く問いかけです。フィルの You’ve done this. は「あなたはこれをやったことがある」、つまり経験者だから話を聞きたいという理由を一言で伝える台詞です。ジェイの there’s only really one question は、話を一点に絞ると予告する前置きです。
フィルが自分で答えを推測した後、ジェイはこう続けます。
Jay: Ah, you’re great with people.
(お前は人付き合いがうまい。)Jay: We know you’re a good salesman.
(腕のいい営業マンなのも分かってる。)Jay: You’ve managed to provide a good living in tough times.
(厳しい時期にもちゃんと稼いできた。)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
be great with people は「人の扱いがうまい、人付き合いが得意」、provide a good living は「十分な暮らしを支える稼ぎを得る」という意味です。ジェイはフィルの推測には直接「はい」とも「いいえ」とも答えず、長所を3つ並べることで、準備ができているかどうかは問題ではないと示す返事と読み取れます。
フィルがもう一つの疑問を口にすると、ジェイはこう答えます。
Phil: Then what? Is this the right time?
(じゃあ何? 今がそのタイミングかってこと?)Jay: Never a perfect time.
(完璧なタイミングなんてないさ。)Jay: House could burn down tomorrow.
(明日には家が焼けちまうかもしれない。)Jay: Question is, do you want this?
(問題は、お前がそれをやりたいかどうかだ。)Phil: Yeah.
(うん。)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
「タイミング」の問いは Never a perfect time. で退けます。完璧な時期を待っていたら決められない、という返事です。先のことは誰にも分からない、という一言を挟んだうえで、Question is, do you want this? と本人の意思だけを問います。Question is の前の The を省いた口語の形で、条件の話をいったん脇に置く役割を果たします。
「gamble on yourself」で自分に賭ける
最後のやり取りは次のとおりです。
Phil: Yeah, I really want it.
(うん、本当にやりたい。)Jay: Then gamble on yourself.
(なら、自分に賭けろ。)Jay: I’d gamble on you.
(俺ならお前に賭ける。)Phil: I’m gonna do it.
(やるよ。)Jay: There you go!
(その意気だ!)Phil: Thanks, Jay.
(ありがとう、ジェイ。)Modern Family Season3 Episode8 (After the Fire)
gamble on ~ は「〜に賭ける」で、うまくいくかどうか分からないものを信じて選ぶことを表します。Then は「それなら」と直前の答えを受ける語で、フィルが「やりたい」と言ったことを条件に、はじめて後押しの言葉が出てくる順番が分かります。I’d gamble on you. の I’d は I would の短縮で、「自分だったら」と仮定して相手への信頼を伝えます。There you go! は、相手が決断したときに「それでいい」と認める一言です。
- A: I’ve decided to apply for the job.
(その仕事、応募することにしたよ。) - B: There you go! I’d bet on you.
(その意気だよ! 私ならあなたに賭けるね。)
このやり取りの特徴は、励ましそのものより問いの順番にあります。フィルが挙げた力量や時期の不安に一つずつ答えたうえで、最後に意思を問うことで、決めるのはフィル自身だという形が保たれるのが見どころです。
まとめ|問いかけで決断を後押しする英語
Big opportunity, big risk や there’s a big upside, but で迷いを言葉にし、Question is, do you want this? で本人の意思を確かめ、Then gamble on yourself. で背中を押す。相談の受け方の流れが、一続きの会話に表れていると言えます。
仕事の話になると頼もしいジェイの一面を観ながら、次回も『モダンファミリー』の英語を拾っていきましょう。
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