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『モダンファミリー』シーズン10第13話では、副校長代行のキャメロンが高校で進路セミナーを開き、アレックスやマニーたち4人を登壇者に迎えて司会を務めます。校長からは、しっかり成果を出すよう念を押されています。
人前で話を始め、本題に入り、登壇者に話を振り、最後に引き取るという司会進行には、ひと続きの型があります。キャメロンのセミナーの言い回しを、その流れに沿って順に見ていきます。
「Most of you know me as ~」であいさつを切り出す
セミナーの前、キャメロンはミッチェルを前にして冒頭のあいさつを口にしてみせます。
Cameron: Welcome.
(ようこそ。)
Cameron: Most of you know me as Acting Vice Principal Tucker, but today I am your guide to the future the future the future.
(たいていのみんなは僕を副校長代行のタッカーとして知ってるだろうけど、今日の僕はみんなの未来への案内人だ、未来への、未来への。)
Mitchell: Okay, so you didn’t take my note on the echo.
(なるほど、エコーについての僕の助言は取り入れなかったんだね。)
Cameron: Mitchell, I can’t take another negative voice in my head.
(ミッチェル、頭の中でこれ以上否定的な声を聞くのは無理なんだ。)
Cameron: I’m already freaking out about Principal Brown.
(ただでさえブラウン校長のことでパニックなんだから。)
Cameron: I kind of have a bully at school.
(学校にいじめっ子みたいな人がいるんだよ。)
Modern Family Season10 Episode13 (Whanex?)
Most of you know me as ~, but today I am ~ は「みなさんは私を〜として知っていると思いますが、今日の私は〜です」という出だしの形です。ふだんの肩書きを一度示してから、その日の役割を名乗り直すことで、聞き手に場の目的を伝えられます。会議や講演の冒頭で自己紹介をするときにも応用しやすい組み立てです。その前の Welcome. は一語だけで場を開くあいさつで、自己紹介に入る前に聞き手の注意を集める役目を持ちます。
ミッチェルの take my note の note は「メモ」ではなく、「指摘・修正案」という意味で使われています。take someone’s note で「人の助言を取り入れる」となり、台本の修正や企画の見直しの場面でよく聞かれます。キャメロンは声に響きを付ける演出をそのまま残していて、ミッチェルの助言は採用されなかったことが分かります。
キャメロンの freak out about ~ は「〜のことでひどく動揺する」という口語です。本番の前から、校長の存在が気がかりになっている様子が伝わってきます。
「jump right into it」で本題に入り、登壇者を紹介する
セミナー当日、ブラウン校長はキャメロンにこう声をかけます。
Principal Brown: Well, looks like you’re gonna get a pretty solid turnout, Tucker.
(さて、なかなかの人数が集まりそうだな、タッカー。)
Principal Brown: Now close the deal.
(あとはきっちり決めてくれ。)
Principal Brown: Hey, what is, uh, “whanex”?
(ところで、その「whanex」ってのは何だ?)
Cameron: It’s the way the kids say “What’s next?” You know, if you want to reach them, you have to learn to speak their language.
(今の子たちの「What’s next?」の言い方ですよ。ほら、子どもたちに届けたいなら、向こうの言葉で話せるようにならないと。)
Modern Family Season10 Episode13 (Whanex?)
ところが、キャメロンは別の場面で本当の事情を明かしています。
Cameron: Massive screw-up at the print shop.
(印刷所の大失敗だよ。)
Cameron: I-I have no idea how it happened!
(な、なんでこうなったのか全然分からない!)
Modern Family Season10 Episode13 (Whanex?)
turnout は「集まった人の数、出席者数」で、イベントや選挙の参加状況を言うときに使われます。close the deal はもともと「取引をまとめる」という意味で、ここでは「最後まで決めきれ」という念押しです。Now で始まる短い命令文にすることで、成果を求める側から言い切る形になっています。キャメロンの speak their language は「相手に通じる言葉で話す」という意味ですが、この説明は取り繕いでした。セミナーの名前は、実は印刷所の失敗から生まれたものでした。
開会のあいさつは、次のように始まります。
Cameron: Welcome, students, to the first annual “whanex” seminar.
(生徒のみなさん、第1回「whanex」セミナーへようこそ。)
Cameron: Let’s, uh, just jump right into it and meet our panelists.
(では、えー、さっそく本題に入って、登壇者を紹介しましょう。)
Cameron: We have two bright, young people who chose the college path and two wayward souls whose mistakes we can only hope to learn from.
(大学への道を選んだ優秀な若者が2人と、その失敗から学ぶしかない迷える魂が2人です。)
Modern Family Season10 Episode13 (Whanex?)
the first annual ~ は「第1回の〜」で、毎年続ける予定の催しに付く決まった言い方です。jump right into it は「前置きなしで本題に入る」という意味で、meet our panelists と続けると登壇者の紹介に移る合図になります。紹介の中の「迷える魂が2人」はルークとヘイリーを指し、軽い皮肉も込められた言い回しです。
「talk a little bit about ~」で話を振り、「thank you」で引き取る
登壇者に話をしてもらう場面では、キャメロンはマニーに次のように振ります。
Cameron: Now, Manny, no one can doubt the real-world value of an art degree, but talk a little bit about the exciting social scene.
(さて、マニー、芸術の学位が実社会で役に立つことは誰も疑わないだろうけど、ここは楽しい交流の場について少し話してくれるかな。)
Modern Family Season10 Episode13 (Whanex?)
Now, ~, と名前を呼んでから talk a little bit about ~ と続けるのは、登壇者に話題を指定して発言を促すときの典型的な形です。a little bit を入れると「少しでいいので」という軽さが加わり、相手が話し始めやすくなります。前半の no one can doubt ~ は「〜を疑う人はいない」と前提を置く言い方で、話題を切り替える前のクッションとして働いています。
登壇者の話が終わったあと、キャメロンはこう引き取ります。
Cameron: All right, thank you, Manny.
(はい、ありがとう、マニー。)
Cameron: And for those of you still awake, I think what we’ve learned here today is college, a dead end.
(それから、まだ起きているみんなに。今日ここで分かったのは、大学は行き止まりだってことだと思う。)
Modern Family Season10 Episode13 (Whanex?)
All right, thank you, ~. は、発言を締めくくって次へ進むときの短い区切りです。for those of you still awake は「まだ起きている人たちへ」という冗談で、聞き手が眠くなっているかもしれないことを笑いにして呼びかける言い方です。a dead end は「行き止まり」で、進路の話では「先のない道」を指します。
この締めは、開会のときに大学組を持ち上げた紹介とは逆の方向です。のちにキャメロンは、大学への出願を減らして自分を追い落とそうとしたのだろうと校長に詰め寄られます。そして話の最後に、キャメロンは正式な副校長に任命されます。
まとめ|司会進行の英語は「切り出す・入る・振る・引き取る」
Most of you know me as ~ で切り出し、jump right into it で本題に入り、talk a little bit about ~ で話を振り、All right, thank you で引き取る流れを見てきました。人前で会を進める言い回しがひととおりそろっています。
司会者の一言で会の空気が変わっていく様子を、『モダンファミリー』の場面で確かめてみるのも一つの楽しみ方です。
同じ回のほかのコラムでは、新しい働き方に歩み寄る父の英語や、夢中になれるものを探す相手への返し方も取り上げています。


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