海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第16話から、生まれてくる息子の名前をめぐるハワードとバーナデットの会話を取り上げます。自分の知らないところで話が進んでいたと知ったハワードが、どう異議を唱えるのかが見どころです。
問い詰める、合意を求める、謝って歩み寄る。一方的な決定に待ったをかけるときの英語を、3つの段階に分けて見ていきます。
「Were you even gonna tell me?」で問い詰める
ハワード宅で、バーナデットはシェルドンとボードゲームをしています。その場面で、ハワードが息子の名前の件を切り出します。
Howard: Michael? Really, you think we’re naming him Michael?
(マイケル?本当に、俺たちがマイケルって名付けると思ってるのか?)Bernadette: Not now, Howard. I’m in the middle of a game.
(今はやめて、ハワード。ゲームの最中なの。)TBBT Season11 Episode16
Really, you think ~? は「本当に〜だと思ってるの?」と、相手の考えそのものを疑う切り出しです。疑問文の語順にせず平叙文の形のまま問いかけているため、驚きや不満がにじみます。
かわされたハワードは、さらに強い言葉を使います。I can’t believe you’re trying to hijack our son’s name.(息子の名前を乗っ取ろうとするなんて、信じられないな)。hijack は本来「乗っ取る」で、決めごとの主導権を奪われたという感覚を大げさに表しています。
Howard: So you’re just gonna name him Michael? Were you even gonna tell me?
(じゃあ、そのままマイケルにするつもりか?俺に言う気はあったのか?)Bernadette: I told you.
(言ったわよ。)Howard: When?
(いつ?)Bernadette: Oh, right. That was Amy. What’s wrong with Michael? It’s my dad’s name.
(ああ、そうだ。あれはエイミーだった。マイケルの何がいけないの?パパの名前なのよ。)TBBT Season11 Episode16
Were you even gonna tell me? の even は「そもそも」「少なくとも」に近い強調です。「言うつもりくらいはあったのか」と、相談の手順を飛ばされたこと自体を問題にしています。
対するバーナデットは、伝えた相手を取り違えていたと気づくと、すぐ What’s wrong with ~?(〜の何がいけないの?)と論点を名前の中身に移します。抗議する側が手順を問い、される側が中身で返す、というずれが分かる場面です。
「I think we should both agree」で合意を求め、歩み寄る
やり取りが続いたあと、ハワードは問い詰める口調から、二人で決めるべきだという提案に切り替えます。
Howard: Bernie, this is our kid’s name. I think we should both agree.
(バーニー、これは俺たちの子どもの名前だ。二人とも納得して決めるべきだと思う。)Bernadette: You’re right. We both made this baby.
(そうね。この子は二人でつくったんだもの。)Howard: Thank you.
(ありがとう。)TBBT Season11 Episode16
I think we should both agree. は、相手を責めずに「二人の合意が必要だ」という原則を示す言い方です。our kid’s name と our を添えることで、自分にも決める立場があることを先に確認しています。
ただしバーナデットはこのあと、妊娠中に自分が引き受けてきたことを次々に挙げます。それを受けたハワードの返しは、Exactly. Fifty-fifty.(そのとおり。五分五分だ)。並べられた内容と「五分五分」という言葉の取り合わせが目を引くやり取りです。
再び二人が話すのは、家を出たあとの二人だけの場面です(病院へ向かう途中と思われる場面です)。バーナデットのほうから謝ります。
Bernadette: Okay. Okay, I’m good. I’m sorry I tried to sneak the name past you.
(よし。よし、大丈夫。名前をこっそり通そうとして、ごめんね。)Howard: That’s okay.
(いいんだ。)TBBT Season11 Episode16
sneak ~ past someone は「相手に気づかれないように〜を通す」。何を謝っているのかを具体的に言っているので、謝罪がはっきり伝わります。
Bernadette: You know what, maybe we’re putting too much pressure on this. It doesn’t matter what we name him. He’s gonna be amazing.
(ねえ、私たち、このことに気負いすぎてるのかも。何て名付けても関係ない。あの子は素晴らしい子になるわ。)Howard: You’re right. This kid is part you and part me.
(そうだな。この子には君と俺の両方が入ってるんだ。)TBBT Season11 Episode16
put too much pressure on ~ は「〜に重圧をかけすぎる」。決めごと自体の重さを一段下げることで、対立をほどいていく流れになっています。
まとめ|手順を問い、合意を求め、重さを下げる
Were you even gonna tell me? で相談のなかった手順を問い、I think we should both agree. で二人の合意を求め、sneak ~ past someone や put too much pressure on ~ で謝罪と歩み寄りを表す。段階ごとの言い方を知っておくと、角を立てすぎずに異議を伝えやすくなります。
名前ひとつをめぐって、夫婦の言葉が少しずつ変わっていくのが見えてきます。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、名前の付け方そのものや、周りの友人たちの会話も扱っています。


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