海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン1 第8話から、ピーターとニールの電話のやり取りを取り上げます。「オフィスで会おう」と言うピーターに、ニールは「あなたの家はどう?」と持ちかけ、理由を一つずつ足していきます。相手の提案を正面から断らずに代案へ誘導する英語は、待ち合わせの相談でもそのまま役立つ組み立てです。
電話の切り出しから訪問先での一言まで、順に見ていきます。
「call it a night」と付加疑問で始まる電話
ボイラールーム詐欺の黒幕エイヴリーと顔を合わせたあと、ニールはピーターと電話で話します。やり取りはピーターのこの一言から始まります。
Peter: It’s a little early for you to be calling it a night, isn’t it?
(切り上げるにはちょっと早いんじゃないか?)
Neal: Yeah, well, I got the man behind the curtain. Name is Avery Phillips.
(まあね、黒幕にたどり着いたんだ。名前はエイヴリー・フィリップスだよ。)White Collar Season1 Episode8 (Hard Sell)
call it a night は「今夜はここまでにする」とその日の活動を切り上げる決まり文句で、仕事などを切り上げる call it a day の夜版にあたります。It’s a little early for you to ~ は「君が〜するには少し早い」と、for you で行為の主体を示しています。文末の isn’t it? は付加疑問で、問い詰めるのではなく「早いよな?」と軽く様子をうかがう響きになります。
ニールの the man behind the curtain は「幕の後ろの男」、つまり表に出ずに全体を動かしている黒幕を指します。この言い回しは、本話の前半で詐欺グループの一員がエイヴリーのことを指して使ったもので、ニールはそれをそのまま報告に借りています。Name is ~ は His name is ~ の His を省いた、報告らしい簡潔な言い方です。
報告を受けたピーターは、すぐに動く段取りを示します。
Peter: All right, I want to get moving on this. Meet me in the office in an hour.
(よし、すぐに取りかかりたい。1時間後にオフィスに来てくれ。)White Collar Season1 Episode8 (Hard Sell)
get moving on ~ は「〜に取りかかる、動き出す」という口語表現です。Meet me in the office は命令文ですが、同僚どうしの待ち合わせでは「〜で会おう」くらいの自然な指定として使われます。in an hour は「1時間以内」ではなく「今から1時間後に」を表す点も押さえておきたいところです。
「Why don’t we ~?」で代案を出し、「Besides」で本音を足す
ここでニールは、ピーターの指定に別の場所を持ちかけます。
Neal: I’m in your neighborhood. Why don’t we meet at your place?
(あなたの家の近くにいるんだ。あなたの家で会うのはどう?)
Peter: My place?
(俺の家?)White Collar Season1 Episode8 (Hard Sell)
Why don’t we ~? は形の上では「なぜ〜しないのか」という否定疑問文ですが、実際には「〜しない?」「〜しようよ」という提案として使われます。Let’s ~ よりも相手に判断を委ねる響きがあり、相手の提案を否定せずに代案を差し出すときに重宝します。
先に I’m in your neighborhood. と自分の居場所を伝えているため、提案に自然な流れが生まれています。your place は「あなたの住まい」を指すくだけた言い方で、my place と返したピーターの聞き返しには、意外さがにじみます。
ニールは理由を二段階で重ねます。
Neal: Yeah, it’s a little late for the Bland Bureau walls. Besides, you have better coffee.
(うん、局の殺風景な壁を眺めるには遅いからね。それに、あなたの家のほうがコーヒーがおいしいし。)
Peter: Yeah, I do.
(まあ、そうだな。)White Collar Season1 Episode8 (Hard Sell)
一つ目の it’s a little late for ~ は、オフィスを避けたい表向きの理由です。Besides は「それに」「そのうえ」と理由を付け足す副詞で、後から出てくる理由のほうが本音に近い場合によく使われます。ピーターの Yeah, I do. は I do have better coffee. の省略で、代案を受け入れた合図にもなっています。
訪問先では、エリザベスとの短いやり取りも交わされます。
Neal: Oh. Thank you, Mrs. Burke.
(ああ、ありがとうございます、ミセス・バーク。)
Elizabeth: You’re welcome.
(どういたしまして。)White Collar Season1 Episode8 (Hard Sell)
Mrs. に姓を付けた呼びかけは、訪問先の相手に礼儀を示す丁寧な形です。ピーターには軽口を重ねるニールが、ここでは言葉遣いを改めている対比が印象的です。
まとめ|代案と理由の重ね方
call it a night と付加疑問で様子をうかがう切り出し、Why don’t we ~? で代案を出す提案、Besides で理由を足す組み立てを見てきました。断らずに誘導する流れが、短い電話の中で見えてきます。
次回も『ホワイトカラー』を観ながら、二人の会話を追っていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の英語がより立体的に見えてきます。


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