海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第4話から、ピーターがニールに「心配する側」の気持ちを言葉で味わわせる二つの場面を取り上げます。ピーターを心配させることの多いニールが、この回ではモジーの身を案じる側に回り、ピーターはその立場の逆転を逃さず言葉にしていきます。
体の感覚を尋ねる短い問いかけから、立場の入れ替わりを示す慣用句まで、順番に見ていきます。
「Stomach hurt?」と「hold on to that feeling」で、心配の感覚を言葉にする
ナバロの手下が現れるのを待つあいだ、ニールはこの件が始まってから眠れていないと打ち明けます。するとピーターは、ニールの体の具合を一つずつ尋ねます。
Peter: Stomach hurt?
(胃が痛むか?)
Neal: A little bit.
(少しね。)
Peter: Got that parched thing happening?
(喉がカラカラになる感じもあるか?)
Neal: Yeah. My mouth’s a little dry.
(うん。口が少し渇いてる。)
Peter: Well, hold on to that feeling. Remember it the next time you decide to infiltrate the den of a mobster on a whim or something equally cockeyed.
(なら、その感覚を覚えておけ。次に思いつきでギャングの巣に乗り込むとか、同じくらいむちゃなことをしようと決めたときのためにな。)
Neal: Thanks for sharing your feelings, Peter. I know that’s sometimes difficult for you.
(気持ちを打ち明けてくれてありがとう、ピーター。君にはときどき難しいことだもんね。)
Peter: You’re welcome.
(どういたしまして。)White Collar Season2 Episode4 (By the Book)
Stomach hurt? は Does your stomach hurt? の、Got that parched thing happening? は Have you got that parched thing happening? の頭の部分が落ちた形で、会話ではこうした省略がよく起こります。parched は「からからに乾いた」という意味です。
hold on to ~ は「〜を手放さずに持っておく」で、ここでは「その感覚を忘れるな」という意味になります。続く the next time は後ろに主語と動詞を取って「次に〜するときは」と接続詞のように働きます。on a whim は「思いつきで」、equally cockeyed は「同じくらいばかげた」です。
ピーターが言い当てているのは、心配する側が味わう体の感覚です。ニールが思いつきで危険な場所に踏み込むたび、ピーターも同じ感覚を味わってきた、という含みが読み取れます。
ニールの Thanks for sharing your feelings は、ピーターの言葉を「気持ちの打ち明け」として受け取った返しです。share one’s feelings は「気持ちを打ち明ける」で、あとの一文には感情を口にするのが得意ではないピーターへの軽い皮肉がこもっています。それを You’re welcome. と正面から受け流すところに、二人の気安さが表れています。
「walk a mile in my shoes」で、立場の入れ替わりを示す
一件が片付いたあと、ニールはピーターにこう尋ねます。
Neal: How many dinners with Elizabeth have you missed because of me?
(僕のせいで、エリザベスとの夕食を何回逃したの?)White Collar Season2 Episode4 (By the Book)
How many ~ have you missed? は現在完了で「これまでに何回〜を逃したか」を尋ねる形で、because of me が付くことで、自分が原因だと認めたうえでの問いになっています。回数をめぐる短いやり取りを挟んで、ピーターはこう切り返します。
Peter: But Mozzie had you worried. How does it feel to walk a mile in my shoes?
(だが、モジーのことで心配しただろう。俺の立場を味わってみて、どんな気分だ?)
Neal: I prefer Italian leather.
(僕はイタリア製の革靴のほうが好みだな。)White Collar Season2 Episode4 (By the Book)
had you worried は「have + 人 + 形容詞」で「人を〜な状態にさせた」という形です。walk a mile in someone’s shoes は「その人の靴で1マイル歩く」、つまり「相手の立場に身を置いてみる」という慣用句で、How does it feel to ~? と組み合わせると「〜してみてどんな気分だ?」という問いになります。
ニールは shoes を文字どおりの靴として受け取り、靴の好みで返しています。慣用句を字面どおりに受けてはぐらかすのは、英語の軽口によくある切り返し方です。心配の話題を、ニールらしい冗談で切り上げる返しになっています。
まとめ|心配する側の立場を、言葉で入れ替える
Stomach hurt? の問いかけ、hold on to that feeling、sharing your feelings、walk a mile in my shoes を見てきました。立場を体験させる言葉の選び方が伝わってきます。
『ホワイトカラー』の二人のやり取りを観ながら、言葉の裏にある気持ちにも目を向けていきましょう。
他のコラムやフレーズ記事とあわせて読むと、この回の会話が立体的に見えてきます。


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