海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン2第11話では、モニカがキャロルとスーザンの結婚式のケータリングを引き受けます。ケータリングの経験はないと言うモニカのもとで、仲間たちも料理の仕込みを手伝うことになります。
台詞に出てくる料理名には、アメリカのパーティーでなじみのあるものが含まれています。前菜の呼び名と仕込みの動詞を、ケータリングという仕事の背景とあわせて見ていきます。
「I can’t decide between lamb or duck」料理選び
カフェのセントラルパークで、モニカは料理をどちらにするか決められずにいます。
Monica: God, this is so hard. I can’t decide between lamb or duck.
(もう、すごく難しい。ラムにするか鴨にするか決められないの。)
Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)
I can’t decide between A or B. は「AかBか決められない」と迷いを口にする言い方です。between のあとは A and B とするのが文法的には基本とされますが、話し言葉では A or B の形も耳にします。lamb は子羊の肉、duck は鴨の肉で、どちらも肉の名前として料理の場面に出てくる語です。
cater は「宴会やイベントに料理を用意して提供する」という意味の動詞で、その仕事をする人や業者は caterer と呼ばれます。アメリカでは、結婚式やパーティー、会社の集まりなどで、会場の外の業者に料理を任せることも多いと言われます。どこまでを業者が担うかは、会場や予算によって異なります。
ケータリングでは、メインの料理だけでなく、立ったままでもつまめる小さな前菜をいくつも用意することがあります。こうした前菜は appetizer と呼ばれ、ひと口で食べられる大きさのものは finger food とも言われます。
「pigs in a blanket」小さなソーセージの前菜
準備の場面では、モニカに急ぐよう言われたジョーイが、こう答えます。
Monica: Joey, speed it up.
(ジョーイ、急いで。)
Joey: I’m sorry. It’s the pigs! They’re reluctant to get in the blankets.
(ごめん。豚のせいなんだよ! 毛布に入りたがらないんだ。)
Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)
ジョーイの台詞は、pigs in a blanket という料理名を分解した冗談です。作業が遅れている理由を、豚が毛布に入ってくれないせいだと言い換えています。pigs in a blanket は、小さなソーセージをパン生地やパイ生地で包んで焼いた前菜を指すことが多く、ソーセージを豚、生地を毛布に見立てた名前です。アメリカではパーティーの前菜として出されることが多いようですが、イギリスなどでは別の料理を指す場合もあり、国によって中身が異なります。
披露宴の場面で、ジョーイは客にこう声をかけます。
Joey: How’s that pig-in-the-blanket working out for you?
(そのピッグ・イン・ア・ブランケット、どう?)
Joey: I wrapped those bad boys.
(そいつら、俺が包んだんだぜ。)
Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)
How’s ~ working out for you? は「〜はうまくいってる?」と、使い心地や具合を尋ねる言い方です。ここでは料理の感想を聞く形に当てはめています。bad boys は物を指してくだけた調子で「こいつら」と言う俗な言い方で、自分が包んだ前菜を指しています。
「Peel. Chop. Devil.」仕込みの動詞と deviled eggs
手伝いを渋るロスに、モニカは前菜の名前を使って言い返し、作業を割り当てます。
Monica: But if you don’t help me cook, I’m going to take a bunch of those little hot dogs and create a new appetizer called “Pigs-in-Ross.”
(でも料理を手伝わないなら、あの小さいホットドッグをどっさり使って「ピッグズ・イン・ロス」っていう新しい前菜を作るわよ。)
Monica: Alright, ball a melon!
(はい、メロンを丸くくり抜いて!)
Chandler: Hey, how come I’m stuck dicing when he gets to ball a melon?
(おい、なんで俺はさいの目切りばっかりで、あいつはメロンのくり抜きなんだよ?)
Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)
モニカの「ピッグズ・イン・ロス」は、pigs in a blanket の blanket をロスの名前に置き換えた冗談です。手伝わないならロスを生地の代わりにする、という言い回しで、作業に加わるよう迫っています。
ball a melon は、メロンの果肉を丸くくり抜くことを指し、専用の道具は melon baller と呼ばれることが多いです。丸いメロンはフルーツの盛り合わせに使われることがあります。dice は「さいの目に切る」で、chop(刻む)や slice(薄く切る)と並ぶ切り方の動詞です。be stuck ~ing は「〜する羽目になっている」という不満を表す形です。
式を予定どおり行うと決まったあと、モニカは仲間にこう号令をかけます。
Monica: You heard the woman. Peel. Chop. Devil.
(聞いたでしょ。むいて、刻んで、ピリ辛に味付けして。)
Friends Season2 Episode11(The One With the Lesbian Wedding)
peel は皮をむく、chop は刻む、そして devil は料理用語で「辛みのある調味料で味付けする」という意味で使われる動詞です。この devil から来た料理名が deviled eggs で、ゆで卵を半分に切り、黄身にマヨネーズやマスタードなどを混ぜて詰め直したものを指すことが多いです。パーティーや持ち寄りの集まりで見かけることが多いとも言われ、味付けは家庭によって異なります。
まとめ|パーティーの前菜と仕込みの英語
pigs in a blanket や deviled eggs といった前菜の呼び名、ball a melon・dice・peel・chop・devil といった仕込みの動詞、cater と caterer を見てきました。料理名の由来を知ると、ジョーイやモニカの冗談の仕組みも見えてきます。
パーティーの料理が並ぶ場面を観ながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
この回のほかの場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で読むことができます。


コメント