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『フレンズ』シーズン2第2話の終盤では、レイチェルがロスの恋人ジュリーと二人で話します。ジュリーにチャンスをあげてほしいとモニカに頼まれ、レイチェルが引き受けたあとの場面です。
相手から「自分は嫌われているのでは」と打ち明けられると、どう返すかに迷うものです。切り出し方、思い過ごしかもと前置きする打ち明け方、そして認めたうえで相手を立てる返し方を、会話の順に見ていきます。
「We’ve never really talked」と二人で話す場を作る
カフェのセントラルパークのソファで、レイチェルはこう切り出します。
Rachel: I just thought the two of us should hang out for a bit. You know, we’ve never really talked. I guess you’d know that, being one of the two of us right?
(ちょっと二人で過ごしたらどうかなって思ったの。ほら、私たちってちゃんと話したことないでしょ。って、それはあなたも知ってるよね、二人のうちの一人なんだし。)
Friends Season2 Episode2(The One With the Breast Milk)
I just thought ~ は「〜かなと思って」と、誘った理由を軽く添える出だしです。hang out は「一緒に過ごす」、for a bit は「少しの間」で、かしこまらない誘い方になっています。
We’ve never really talked. の never really は「ちゃんと〜したことがない」という意味です。まったく話したことがないのではなく、きちんと向き合って話したことがない、というニュアンスを出しています。最後の一文は、ついさっき自分が言ったことに自分でツッコミを入れる冗談です。当の二人のうちの一人に向かって「私たち話したことないよね」と説明したおかしさを、自分で拾っています。
これを受けて、ジュリーが打ち明けます。
Julie: I probably shouldn’t even tell you this but I’m pretty much totally intimidated by you.
(こんなこと言うべきじゃないのかもしれないけど、私、あなたにすっかり気後れしてるの。)
Rachel: Really? Me?
(ほんとに?私に?)
Friends Season2 Episode2(The One With the Breast Milk)
I probably shouldn’t even tell you this but ~ は「言うべきではないかもしれないけれど」と、言いにくい本音の前に置く前置きです。be intimidated by ~ は「〜に気後れする、圧倒される」という意味で、相手を怖がるというより、引け目を感じている様子を表します。
「I kind of got the feeling that ~」と思い過ごしかもと前置きする
聞き返したレイチェルに、ジュリーはその理由を続けます。
Julie: Oh, my God. Are you kidding? Ross is so crazy about you and I really wanted you to like me and I, uh… It’s probably me just being totally paranoid but I kind of got the feeling that maybe you don’t.
(やだ、冗談でしょ?ロスはあなたのことがすごく好きだし、私、あなたに好かれたいって本当に思ってて、それで……たぶん私の考えすぎなんだろうけど、もしかしたらあなたは私のことを好きじゃないのかなって気がしてたの。)
Rachel: Well… You’re not totally paranoid.
(まあ……全部が考えすぎってわけでもないの。)
Friends Season2 Episode2(The One With the Breast Milk)
It’s probably me just being totally paranoid but ~ は「たぶん私の考えすぎだけど」と、自分の思い込みかもしれないと先に断る型です。paranoid は本来、強い被害妄想を指す語ですが、日常会話では「疑いすぎ、考えすぎ」の軽い意味で使われることが多い言葉です。
続く I kind of got the feeling that ~ は「なんとなく〜という気がした」という言い方です。kind of と maybe を重ねることで、相手を責める調子にならないよう、言葉をやわらげています。文末の you don’t は、直前の like me を受けた省略です。
レイチェルの You’re not totally paranoid. は、相手の paranoid をそのまま使い、not totally で「完全に考えすぎというわけではない」と返しています。はっきり「嫌っていた」とは言わずに、相手の感じ方が外れていないことを認めています。前に置いた Well… は、言いにくいことを口にする前の間をつなぐ一語です。
「I hate it when she’s right」と認めたくないことを認める
レイチェルは、そう感じさせた事情を説明します。
Rachel: When you and Ross first started going out it was really hard for me, um… for many reasons of which I’m not going to bore you with now but, um… I just… I see how happy he is, you know and how good you guys are together and, um… Monica’s always saying how nice you are and God, I hate it when she’s right.
(あなたとロスが付き合い始めたころは、私、すごくつらかったの、えっと……理由はいろいろあるんだけど、今は退屈な話はしないでおく。でも、えっと……ただ……彼がどれだけ幸せそうか分かるし、二人がどれだけお似合いかも分かる。それに、えっと……モニカがいつもあなたはいい人だって言ってて、もう、あの子の言うことが当たってるときって本当に嫌なのよ。)
Friends Season2 Episode2(The One With the Breast Milk)
I’m not going to bore you with ~ は「〜の話であなたを退屈させるつもりはない」という意味で、詳しい事情を話さずに済ませるときの言い方です。理由に触れつつ中身は伏せる、という使い方ができます。
I see how happy he is の I see は「分かる、見て取れる」という意味で、how を続けて「どれだけ〜か分かる」と相手を認める形です。最後の I hate it when she’s right. は「あの子が正しいときって嫌なのよね」と、相手を素直にほめる代わりに、認めたくないけれど認めるという言い回しです。
話のあと、ジュリーが誘います。
Julie: Hey, listen… would you like to go to a movie sometime or something?
(ねえ、よかったら今度、映画か何かに行かない?)
Rachel: Yeah. That would be great.
(うん。それすごくいいね。)
Friends Season2 Episode2(The One With the Breast Milk)
sometime or something は「いつか、映画か何か」と、日時も中身もぼかした軽い誘いの形です。レイチェルの That would be great. は「それはいいね」と応じる返事で、would が入ることで、まだ決まっていない予定に対する返事らしい響きになります。ジュリーが帰ったあと、レイチェルはジュリーを悪く言う一言を口にします。会話の中の言葉がどこまで本心だったのかは、作中ではっきりとは示されません。
まとめ|切り出し、認めて、相手を立てる
We’ve never really talked の切り出し、I kind of got the feeling that ~ の前置き、You’re not totally paranoid の認め方、I hate it when she’s right の言い回しを見てきました。会話の順に押さえると、気まずい相手との受け答えの形が見えてきます。
レイチェルとジュリーの会話を観ながら、次回も『フレンズ』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を取り上げています。


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