海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第8話の冒頭では、フィービーが歯医者に行けないと話し、仲間がそれぞれの言葉で声をかけます。部屋とカフェの二つの場面で、すすめる側、断る側、理由をたずねる側、促す側の英語がそろっています。
親切なすすめを角を立てずに断る、理由をたずねる、ためらう友達を後押しする。友達同士の会話で使える三つの言い方を、作中の台詞から順に見ていきます。
「I’ve got a good one」とすすめ、「I have a good one too」と断る
モニカとレイチェルの部屋で、レイチェルが手作りのブラウニーを配っています。その場でフィービーは、ブラウニーのせいではないと説明します。
Phoebe: No, no. It’s just my tooth.
(違うの、違うの。歯のせいなだけ。)
Friends Season3 Episode8(The One with the Giant Poking Device)
It’s just ~ は「〜なだけ」と範囲を限る言い方で、相手の心配や誤解を小さくするときに役立ちます。ここでは、ブラウニーの出来が悪いわけではないと伝える一言になっています。この説明を聞いたロスは、心当たりを口にします。
Ross: So you need a dentist? I’ve got a good one.
(じゃあ歯医者が要るのか?いいところを知ってるぞ。)
Phoebe: Thanks. I have a good one too. I just can’t see him.
(ありがとう。私にもいい先生がいるの。ただ、会いに行けないのよ。)
Friends Season3 Episode8(The One with the Giant Poking Device)
ロスの So you need ~? は、相手の話を受けて「つまり〜が必要なんだね」と状況を確かめる聞き方です。続く I’ve got a good one. の one は a dentist の繰り返しを避ける代名詞で、「いい人を知っている」と紹介を申し出る形になります。
フィービーは Thanks. とまずお礼を言い、I have a good one too. と同じ形で返します。相手の言葉の one をそのまま使い、「自分にもいる」と伝えることで、すすめを否定せずに断れます。お礼を先に置くこの順番は、親切な申し出を断るときの参考になります。Thanks, but I already have one. のように but でつなぐ断り方もありますが、フィービーの返し方は相手の言葉をなぞる分、断りの響きがおだやかになります。
「Why can’t you ~?」と理由をたずねる
フィービーの「会いに行けない」という言葉に、チャンドラーとロスが続けて反応します。
Chandler: See, that is the problem with invisible dentists.
(ほらな、それが透明な歯医者の困ったところだ。)
Ross: Why can’t you go to him?
(なんで行けないんだ?)
Friends Season3 Episode8(The One with the Giant Poking Device)
チャンドラーの冗談は、動詞 see の二つの意味を使っています。フィービーの I just can’t see him. は「(歯医者に)行けない」という意味ですが、チャンドラーはこれを「目で見えない」の意味に取り、invisible(目に見えない)と言ってからかっています。
| 言い方 | 意味 |
|---|---|
| see a picture | 絵を見る(目で見る) |
| see a dentist | 歯医者に行く |
| see him | (文脈によって)彼に会う |
専門家のところへ行くことを see で表す言い方は、日常会話でも使われることの多い形です。作中ではこの二つの意味のずれが笑いになっています。
ロスの Why can’t you go to him? は、「なぜ行けないのか」と理由をたずねる問いです。can’t を入れることで、「行かない」ではなく「行けない」事情があるのかを聞く形になります。Why don’t you ~? にすると「〜したらどう?」という提案に聞こえやすいため、理由を聞きたいときは can’t の形が分かりやすい選択です。この問いにフィービーは自分なりの理由を答えますが、ここでは理由をたずねる側の英語に注目しました。
「Just go.」と、ためらう友達の背中を押す
場面がカフェのセントラルパークに移ります。レイチェルは、まだ歯医者に行っていないフィービーにこう言います。
Rachel: Would you just go to the dentist? Just go.
(いいから歯医者に行ってよ。とにかく行って。)
Phoebe: Fine.
(分かったわよ。)
Friends Season3 Episode8(The One with the Giant Poking Device)
Would you ~? は丁寧な依頼の形として知られていますが、just を加えた Would you just ~? は「いいから〜してよ」と、じれったさを込めて促す言い方として使われることがあります。言い方の調子によっては強く聞こえるため、親しい相手に向けることが多い形です。同じ内容でも You should go to the dentist. なら「行ったほうがいい」という助言に近く、Would you just ~? のほうが「もう迷わないで」という気持ちが前に出ます。
その後の Just go. は、動詞一語に just を添えた短い命令文で、「とにかく行って」と迷う気持ちを押し切る一言です。二つを続けることで、レイチェルの促しがより強く伝わります。
これに対するフィービーの Fine. は「分かった」と受け入れる返事ですが、「仕方ない、いいよ」としぶしぶ応じるときにも使われます。場面が変わると、フィービーは仲間に歯医者に行くと告げています。
まとめ|すすめを断り、背中を押す英語
I’ve got a good one でのすすめ、Thanks. I have a good one too での断り方、Why can’t you ~? での理由の聞き方、Would you just ~? Just go. での後押しを見てきました。お礼を先に言い、相手の言葉をなぞると、断るときも角が立ちにくくなります。
仲間同士の短いやりとりから、日常の声かけの英語が見えてきます。
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