海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン3第19話では、舞台に出ることになったジョーイが、稽古場で共演者のケイトと顔を合わせます。名乗ったあとの短い会話の中で、ケイトはジョーイをどこかで見た気がすると言い出し、そこから会話が続きます。
初対面の相手に見覚えがあると言われたとき、どう聞き、どう返すかは、英語でも迷いやすいところです。あいさつから切り返しまで、会話の順に見ていきます。
「Nice to meet you」と名乗り、話題を振る
稽古場に着いたジョーイが名乗ると、共演者のケイトもこう名乗ります。
Kate: Hi. Nice to meet you. Kate Miller.
(どうも、よろしく。ケイト・ミラーよ。)
Friends Season3 Episode19(The One with the Tiny T-Shirt)
Nice to meet you. は初対面の相手への「はじめまして」「よろしく」にあたるあいさつです。ケイトは I’m を付けずに Kate Miller. とフルネームだけを添えています。くだけた場面では、このように名前だけで名乗る言い方も見られます。
名乗ったあと、ジョーイは舞台の話を振ります。
Joey: Heh. So the, uh, play’s pretty great, huh?
(へへ。で、えっと、この芝居、かなりいいよな?)
Kate: Oh, yeah. I love Jennifer Banberry’s work. She’s so brilliantly incisive when it comes to deconstructing the psyche of the middle class.
(ええ。ジェニファー・バンベリーの作品は大好き。中流階級の心理を解き明かすことにかけては、見事なほど鋭いもの。)
Joey: Oh, forget about it. She rocks. Ha, ha.
(おう、言うまでもねえって。最高だよな。はは。)
Friends Season3 Episode19(The One with the Tiny T-Shirt)
文末の huh? は「〜だよね?」と相手に同意を求める付け足しです。ケイトは brilliantly incisive(見事なほど鋭い)、deconstructing the psyche(心理を解き明かす)と書き言葉に近い語を並べますが、ジョーイは She rocks.(最高だよ)とくだけた一言で応じます。ここでの forget about it は「忘れて」ではなく、「言うまでもない」と相手に強く同意する使い方です。同じ作家をほめる会話でも、二人の言葉の調子はまったく違います。
「Where do I know you from?」と見覚えを尋ねる
話の途中で、ケイトはジョーイにこう尋ねます。
Kate: Where do I know you from?
(あなた、どこで見たんだっけ?)
Friends Season3 Episode19(The One with the Tiny T-Shirt)
Where do I know you from? を直訳すると「私はどこからあなたを知っているのか」で、「どこかで会った(見た)気がするけど、どこだっけ」という意味になります。相手の名前や顔に見覚えがあるのに、どこで知ったのかを思い出せないときの聞き方です。
ジョーイは、出演している昼ドラの役名と、雑誌で選ばれたという肩書きを挙げて答えます。それを聞いたケイトの返事が次のやりとりです。
Kate: No, that’s not it. So, you’re a soap actor. Well, this must be exciting for you, being in a real play. Hmm?
(ううん、それじゃない。じゃあ、昼ドラの俳優なのね。なら、本物の舞台に出られるなんてわくわくするでしょう?)
Joey: Hey, I’ve done plays before. I’m a serious actor.
(おい、舞台なら前にもやったことあるぜ。俺は本格派の俳優なんだ。)
Friends Season3 Episode19(The One with the Tiny T-Shirt)
No, that’s not it. は「そうじゃない」「それではない」と、相手の答えが探しているものと違うことを伝える言い方です。続く So, you’re a soap actor. の So は「じゃあ」と、聞いた内容をまとめ直す働きをしています。soap は soap opera(昼に放送される連続ドラマ)の略として使われ、a real play の real は「本物の」という意味です。ジョーイは I’ve done plays before. と現在完了形で舞台の経験を伝え、I’m a serious actor. と言い返します。
「I got you believing that I couldn’t」と思い出した相手に切り返す
ケイトは、どこでジョーイを見たのかを思い出します。
Kate: That infomercial. For the milk-carton-spout thing. You’re the guy who doesn’t know how to pour milk.
(あの通販番組よ。牛乳パックの注ぎ口の。牛乳の注ぎ方が分からない人でしょ。)
Joey: See, I actually can pour milk. But I got you believing that I couldn’t. Ha, ha. Now, see, that’s acting.
(いいか、ほんとは牛乳ぐらい注げるんだよ。でも、注げないって信じ込ませたわけ。はは。な、それが演技ってもんさ。)
Kate: Right. At the end, you choked on a cookie.
(そうね。最後はクッキーを喉に詰まらせてたわね。)
Joey: Yeah, that was real.
(ああ、あれはマジだった。)
Friends Season3 Episode19(The One with the Tiny T-Shirt)
infomercial は information と commercial を組み合わせた語で、番組のような形で商品を紹介するテレビ広告を指します。
ケイトは That infomercial. と名詞だけを口にし、続けて For the milk-carton-spout thing.(牛乳パックの注ぎ口のやつ)と何の広告だったかを補っています。thing は、品物の名前をはっきり言わずに「〜のあれ」とまとめるときにも使われる語です。You’re the guy who ~ は「〜の人でしょ」と、何で見たのかを特徴で言い当てる形です。
文頭の See や Now, see は、「いいか」「ほらね」と相手の注意を引く呼びかけです。ジョーイの I got you believing that ~ は「get + 人 + ~ing」の形で、「相手に〜と信じ込ませた」という意味になります。注げないのは演技だったと言い張り、that’s acting と締めくくります。ところがケイトが広告の最後の場面を挙げると、ジョーイは that was real と、その部分は演技ではなかったと認めます。直前の言い分と食い違う返事が、このやりとりの笑いになっています。
まとめ|見覚えを尋ねる・答える英語
Where do I know you from? で見覚えを尋ね、No, that’s not it. で違うと伝え、I’ve done plays before. のように経験を挙げて言い返す流れを見てきました。名乗りのあいさつから切り返しまで続けて覚えると、初対面の会話の運び方がつかみやすくなります。
次回も『フレンズ』の会話から、場面に合った英語を一緒に拾っていきましょう。
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