海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン3第3話では、ジェーンがブラザー・スティーブン・ウェンチと名乗る人物に近づき、頼みごとを切り出します。とぼける返事、用件の聞き返し、「令状を取れ」という突っぱねが続きます。
頼みごとは、切り出し方と、断られたあとの返し方で印象が変わります。この場面のやり取りから、頼みを軽く見せる形、とぼける定型、用件を聞き返す形を見ていきます。
「I need a favor. Just a small one.」頼みごとを軽く切り出す
ジェーンは、周りにほかの人たちがいる場で、まず確認の質問を投げかけます。…, right? は文末に付けて「〜だよね?」と確かめる形で、そのあとにジェーンが頼みごとを切り出します。
Jane: You’re the FBI’s undercover agent, right?
(君はFBIの潜入捜査官だね?)
— What?
(え?)
Jane: I need a favor. Just a small one. Get rid of ‘em.
(頼みがある。ほんの小さなことだ。あの連中を追い払ってくれ。)
— Guys, take a break.
(みんな、休憩にしてくれ。)
Wench: I have no idea what you’re talking about.
(何の話か、さっぱり分からないな。)
The Mentalist Season3 Episode3 (The Blood on His Hands)
I need a favor. は「頼みがある」と用件の種類を先に伝える言い方で、favor は「親切な行為・頼みごと」を指します。続く Just a small one. は、a favor を one で受けて「ほんの小さなものだ」と付け足す形です。頼みの大きさを小さく見せて、相手の身構えを下げる働きがあります。a favor は「一つの頼み」と数える名詞として使われています。
そのあとの Get rid of ‘em. は、get rid of ~(〜を追い払う、取り除く)の命令形で、’em は them が縮まった形です。続けて Guys, take a break. と、呼びかけに命令形を添えた短い声がかかります。ここでは、周りの人たちに休憩を促す声です。
「I have no idea what you’re talking about.」とぼける・とがめる
頼まれた側の返事は、きっぱりした否認です。I have no idea what you’re talking about. は、「何の話か分からない」と、相手の話題そのものを知らないという立場を取る定型句です。no idea は「見当もつかない」に近い強さで、「まったく分からない」と言い切っています。
直前にジェーンから、FBI の潜入捜査官だと見抜くような質問を受けていたため、この返事は質問をかわす否認になっています。続くやり取りで、ウェンチは自分の立場を述べます。
— Do you have any idea what you’re doing?
(自分が何をしてるのか、分かってるのか?)
Wench: This is an ongoing investigation, and I spent three years working my way into this organization.
(これは進行中の捜査だ。この組織に入り込むのに、俺は3年かけたんだ。)
The Mentalist Season3 Episode3 (The Blood on His Hands)
Do you have any idea ~? は「〜が分かっているのか」と、相手の行動をとがめる言い方です。さきほどの have no idea と同じ idea を使いながら、こちらは疑問文になって相手に突きつけています。形が疑問でも、答えを求めるより、行動をたしなめる働きが前に出ています。
ウェンチはここで自分の立場を明かします。an ongoing investigation は「進行中の捜査」、work one’s way into ~ は「時間をかけて〜に入り込む」という形です。three years と期間を示して、入り込むまでにかかった時間を具体的に述べています。work one’s way は、少しずつ進んで中に入っていくイメージの動詞表現です。
「Get a warrant.」用件を聞き返し、突っぱねられたとき
その後、頼みの中身が明かされます。
— What’s this about?
(これは何の話だ?)
— I need to see one of her vent videos, and I need you to take me to where they’re kept.
(彼女の vent 動画を1本見せてほしい。保管してある場所に案内してもらいたい。)
— Get a warrant.
(令状を取ってこい。)
— Warrants take time. And meanwhile, back at the ranch, they’re wiping the tapes.
(令状には時間がかかる。その間に、向こうではテープが消されてしまう。)
The Mentalist Season3 Episode3 (The Blood on His Hands)
What’s this about? は、用件を聞き返すときの短い言い方です。about の後ろに話題が来る形を、this だけで受けています。頼みの中身は、I need to see ~, and I need you to ~(〜を見る必要があり、あなたに〜してもらう必要がある)と、need を二度重ねて組み立てられています。where they’re kept は、where で始まる節が「保管されている場所」という名詞のまとまりになる形です。
Get a warrant. は「令状を取れ」という命令の形です。warrant は、捜査で必要になることがある書類を指す語で、ここでは依頼を突っぱねる一言になっています。これに対して Warrants take time. と、令状には時間がかかると返します。Warrants と複数形の主語を立てて、一般的な事柄として述べる形です。
meanwhile, back at the ranch は、場面を切り替える語り口のような言い回しです。ここでは、その間に別の場所で起きることとして、テープが消されてしまう心配を述べています。
まとめ|頼みを軽く見せ、渋る相手とやり取りする英語
I need a favor. Just a small one. の切り出し、I have no idea what you’re talking about. のとぼけ方、What’s this about? と Get a warrant. の聞き返しと突っぱねを見ました。
頼みごとは、切り出す形と、否認や拒否への返し方をセットで読むと、流れが見えてきます。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、別の場面の英語を取り上げています。


コメント