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『メンタリスト』シーズン3第5話の舞台は競馬場とその周辺で、亡くなった男性は騎手でした。厩舎、競走馬、見習いの騎手と、競馬の世界の人や物をめぐる言葉が、会話の中に次々と出てきます。
今回は事件そのものではなく、その背景にある競馬の世界の言葉に注目します。競走馬の勝ち上がりと調子、大きな競走と見習い騎手、馬に乗る人の経歴の言い方を、3つの場面から見ていきます。
「break his maiden」「find his form」競走馬の勝ち上がりと調子
亡くなった男性は、競馬場で第5レースに騎乗する予定の騎手だったと語られます。競馬場では一日に複数の競走が行われ、番号で呼ばれることがあります。厩舎を営む人物との会話で、その騎手が乗るはずだった馬に勝つ見込みがあったのかが尋ねられます。
— Always. There’s always a chance.
(いつだってありますよ。見込みはいつだってあります。)
— Cass broke his maiden by three lengths.
(キャスは3馬身差で初勝利を挙げました。)
— Some problems since, but he’s finding his form. He could have won.
(その後は少し問題もありましたが、調子を取り戻しつつあります。勝てたはずです。)
The Mentalist Season3 Episode5 (The Red Ponies)
break one’s maiden は、まだ勝ったことのない馬が最初の勝利を挙げることを指す言い方として知られています。maiden は「未婚の女性」という意味の語ですが、競馬の文脈では、勝利のない馬を指して使われるとされます。by three lengths は着差の表し方で、length は馬の体の長さを目安にした単位として説明されます。
find one’s form は、競走馬の調子や走りを取り戻す、という意味合いです。since は「その後」を表し、Some problems since は、勝ったあとにいくつか問題があったことを示します。Cass は、会話の流れから競走馬の愛称だと分かります。文化の面では、馬の成績や調子を細かく言葉にして語る習慣が、この短い答えから読み取れます。冒頭の Always の答えは、勝つ見込みを断言せず、可能性はあったという線にとどめた返事とも受け取れます。
「apprentice」大きな競走と見習い騎手
別の場面では、日曜に予定されている大きな競走が話題になります。競馬には賭けも付き物として作中に描かれますが、このコラムでは扱わず、競馬の世界の言葉に絞ります。
— Well, it’s a big race. Big step up for horse and rider, rider being Sam Starks. The apprentice.
(そう、大きなレースだ。馬にも騎手にも大きなステップアップになる。その騎手がサム・スタークス。見習いのね。)
The Mentalist Season3 Episode5 (The Red Ponies)
a big step up は、これまでより一段上の舞台に進むことを表します。ここでは、馬と騎手の両方にとって、大きな競走が挑戦になることを言っています。big race の big は、劇中では規模や重みを表す語として使われ、賞金などの具体的な中身までは説明されません。apprentice は、一般に経験の浅い見習いを指す語で、競馬でも、見習いの立場の騎手を指して使われると説明されます。
サム・スタークスは、この話で、厩舎の持ち主のもとで働く見習い騎手として登場します。騎手は競走ごとに馬に騎乗し、馬を預かる側の依頼で乗る形が一般的だとされ、作中でも、亡くなった騎手が持ち主の馬に乗る予定だったことが語られます。見習いの立場の人物が大きな競走で馬に乗るかもしれないという構図が、この場面で説明されています。ただし、見習い騎手の資格や規定の詳細は国や州によって異なる可能性があるため、ここでは触れません。
「dressage」「jumping」馬に乗る人の経歴の言い方
三つめは、ヴァン・ペルトが乗馬経験者として紹介される場面です。見習い騎手のサム・スタークスと顔合わせをしたあと、ヴァン・ペルトの経歴が語られ、乗馬のどの種目かを答える声が続きます。
— Grace used to ride. She grew up around horses.
(グレースは以前乗っていたんだ。馬のそばで育ったんだよ。)
— Dressage, mostly. A little jumping.
(馬場馬術がほとんどです。障害は少しだけ。)
The Mentalist Season3 Episode5 (The Red Ponies)
used to ride は「以前は乗っていた」、grew up around horses は「馬のそばで育った」という意味です。競馬の騎手とは別に、馬に乗る経験の積み方があることが、この短いやり取りから分かります。
dressage は、馬場馬術と訳される種目です。一般に、決められた動きを正確に行う演技の技術を競うものと説明されます。jumping は、障害を飛び越える種目を指すとされます。答えの mostly と a little は、経験の割合を、おおまかに述べる言い方です。Dressage, mostly の形で、中心になる種目を先に言い、続けて少しだけ添えています。競走で速さを競う騎手の世界と、乗馬の種目の世界を、同じ「馬に乗る」でも区別して語る様子が、この場面の英語から伝わってきます。
まとめ|競馬の世界をめぐる言葉
break his maiden や find his form のように、競走馬の勝ち上がりと調子を語る言葉、apprentice のように騎手の立場を表す言葉、dressage や jumping のように乗馬の経歴を語る言葉が並んでいました。
『メンタリスト』を観ながら、競馬の世界の人と馬を、どんな言葉で語るのかに注目すると、会話の背景がより見えてきます。
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