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『メンタリスト』シーズン3第12話には、褒め言葉の形をした「Excellent people skills.」という一言が、離れた場面で二度出てきます。どちらの場面でも、そのあとに皮肉を名指しする発言が続きます。別の場面では、自分の発言をあとから皮肉だったと断る人物も出てきます。
皮肉を受け止める返し方と、自分の発言を皮肉だと名指しするときの言い方を、台詞に沿って順に見ていきます。
「Excellent people skills.」褒め言葉の形をした皮肉と、名指しのあとの一言
聞き込みの声かけが途中で切れた直後に、短い発言が三つ続きます。
— Excellent people skills.
(対人スキルは見事なものですね。)
— That’s sarcasm.
(皮肉ですよ。)
— We can work on that.
(それについては、取り組んでいけますよ。)
The Mentalist Season3 Episode12 (Bloodhounds)
Excellent people skills. は、people skills(人付き合いに必要な力の総称で、複数形で使われる語)を excellent(見事な)と持ち上げる形の発言です。直前の声かけが途中で終わっていることから、言葉どおりの称賛としては読みにくく、続く That’s sarcasm. が、この一言を皮肉だと名指ししています。sarcasm は、褒めるような言い方で反対の意味を伝える言い回しを指す語で、声の調子や状況が手がかりになることが多いようです。
褒め言葉の内容と、その場の状況との食い違いも、皮肉に気づく手がかりになります。
名指しのあとに We can work on that. が続きます。work on ~ は「〜に取り組む」という意味で、can が付くことで「手を入れる余地はある」という前向きな響きになります。work on ~ には、手を入れて直していくという含みもあります。誰の言葉なのか、that が何を指すのかは、台詞の中には出てきません。
「Ah, sarcasm.」皮肉だと気づいたことを示して返す
場面が移り、バスの車内で居合わせた人たちに事件のことを尋ねる呼びかけが続きます。その呼びかけが Okay. Thank you. で締められたあとに、同じ一言が出てきます。
— Excellent people skills.
(対人スキルは見事なものですね。)
— Ah, sarcasm. That’s very good. You’re learning.
(ああ、皮肉ですね。とても上出来です。学んでいますね。)
The Mentalist Season3 Episode12 (Bloodhounds)
一度目の場面では、皮肉の名指しに We can work on that. が続きました。二度目の場面の返しは、まず Ah, sarcasm. と、皮肉だと気づいたことを短く示します。Ah, は気づいたときに出る声で、そのあとに sarcasm の一語だけを置いています。
続く That’s very good. は出来を認める言い方、You’re learning. は進行形で「いま身につけている途中だ」と述べる言い方です。皮肉に対して、皮肉の部分を認めたうえで評価の言葉を添える返し方になっています。台詞だけでは口調が分からないため、この You’re learning. にからかいの含みがあるかどうかは断定できません。
二度目の場面では、皮肉だと気づいたことを示し、評価の言葉を添える返しになっています。返し方の候補として整理すると、皮肉を名指しする、気づいたことを示す、評価の言葉を添える、という働きの違いが見えてきます。
「That was sarcasm.」自分の発言を皮肉と名指しして言い直す
もう一つは、皮肉を言った側が、あとから自分で名指しする型です。別の場面で、人の姿が見当たらないことを尋ねる発言から、次のやり取りが始まります。
— Where is everybody? I thought we were working the night shift.
(みんなはどこですか?夜勤だと思っていました。)
— Oh, hi. Everybody’s out catching the killer.
(ああ、どうも。みんな犯人を捕まえに出ています。)
— Seriously?
(本気で?)
— No, I’m joking.
(いえ、冗談です。)
— That was sarcasm. Uh, they’re out catching the killer.
(今のは皮肉です。えっと、みんな犯人を捕まえに出ています。)
The Mentalist Season3 Episode12 (Bloodhounds)
night shift は夜間の勤務帯を指す語で、最初の問いからは、その時間帯に人がいると思っていたことが読み取れます。Seriously? は、相手の言ったことが本気かどうかを確かめる聞き返しです。これに I’m joking. と答えて冗談だと断り、そのあと That was sarcasm. と、直前の発言を皮肉だったと言い直しています。That’s sarcasm. が直前の一言を指して現在形で言うのに対し、was を使うと、すでに言い終えた発言を指す形になります。
そのあと、同じ内容が they’re out catching the killer の形でもう一度述べられます。最初の発言が皮肉だったのか、冗談だったのか、そして何が実際の答えなのかは、台詞だけでは判断できません。見えているのは、「冗談です」と「皮肉でした」という二つの断り方が、順に重ねて使われている点です。
まとめ|皮肉を名指しして、受け止める英語
Excellent people skills. の皮肉と、That’s sarcasm. の名指し、Ah, sarcasm. That’s very good. You’re learning. という返しがありました。自分で That was sarcasm. と名指しする型もありました。
皮肉をめぐる短い言葉に注目して観ると、場面の空気が伝わってきます。次回も『メンタリスト』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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