海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン7エピソード9から、特定のポジションを猛烈に狙う様子を表す表現「buck for」をご紹介します。
職場で「あの人、必死に点数稼ぎしてるな」と感じた時、英語ではどう言うのでしょうか?
実際にそのシーンを見てみよう!
ブレナン博士から課題を与えられた実習生のアラストー。
より正確なデータを集めようと、自らゴミ捨て場まで足を運び、カートいっぱいに動物のサンプルを集めてくるという突き抜けた行動に出ます。
Hodgins: Dude. Is that a cart full of critters?
(おい。それ、動物の死骸がいっぱい乗ったカートか?)Arastoo: Dr. Brennan wants me to rule out all the scavenger marks, so I went back to the dump and collected them so I can match dentition.
(ブレナン博士が腐肉食動物の痕を全て除外してくれと。だからゴミ捨て場に戻って集めてきたんです。歯列を照合できるようにね。)Hodgins: Are you bucking for teacher’s pet or something? Because Dr. B doesn’t really do that.
(先生のお気に入りになろうと猛烈にアピールでもしてるのか?B博士はそういうの気にするタイプじゃないぞ。)Arastoo: I merely set a certain standard of excellence and I don’t want to disappoint myself.
(私はただ、自分の中で一定の高い基準を設けているだけで、自分自身を失望させたくないんです。)BONES Season7 Episode9(The Don’t in the Do)
シーン解説と心理考察
課題に対してカートいっぱいのサンプルで応えるという、やりすぎとも言えるアラストーの行動。
その姿を見たホッジンズは、ブレナン博士からの評価を過剰に狙っているのではと少し呆れ気味にツッコミを入れます。
セリフにある「teacher’s pet(先生のお気に入り)」は英語でよく使われる表現で、先生や上司に気に入られようと他の人より熱心に振る舞う人を指します。
しかしアラストーの答えは「自分を失望させたくないだけ」。野心ではなく純粋な完璧主義から来た行動だったことがわかります。
ひたすら真面目なアラストーと、それを野心と勘違いして軽くからかうホッジンズのやり取りが、ラボに温かみを添える場面ですね。
「buck for」の意味とニュアンス
buck for
意味:(昇進などを)猛烈に求める、〜を得ようと必死に頑張る
主に仕事での昇進や、特定の有利なポジションを手に入れるために、野心を持って努力したり上司に強くアピールしたりする様子を表すイディオムです。
ビジネスシーンから日常会話まで幅広く使われており、周囲から見て「あいつ、点数稼ぎに必死だな」と少し皮肉を込めて使われることも多いのが特徴です。
【ここがポイント!】
このフレーズのコアイメージは「目標に向かって勢いよく突進していく野心」です。
「buck」には雄鹿や馬がエネルギッシュに暴れる、激しく跳ね回るといった意味合いがあり、そこから転じて「何としてでも手に入れてやる」という強いハングリー精神を伴っています。
単なる努力というよりも、周囲が少し引くほどの「猛烈なアピール」や「前のめりな姿勢」のニュアンスが込められているのがポイントで、使い手の意図によって応援にも皮肉にも変わる表現です。
実際に使ってみよう!
He comes in early every day. He is definitely bucking for a promotion.
(彼は毎日早く出社しています。間違いなく昇進を狙って猛アピールしていますね。)
会社で誰よりも早く出社し、やる気を見せつけて出世を狙っている同僚の様子を描写する、リアルなビジネスフレーズです。
She bought an expensive gift for her mother-in-law. Is she bucking for favorite daughter-in-law?
(彼女は義母に高価なプレゼントを買いました。お気に入りの嫁の座でも狙っているのでしょうか?)
職場だけでなく、家族や人間関係の中で「誰かのお気に入りポジション」を得ようとする行動にも使えます。
I’m not bucking for an award or anything; I just want to do a good job.
(賞などを猛烈に求めているわけではありません。ただ良い仕事をしたいだけです。)
アラストーのように「別に評価されたいわけじゃない、純粋にやっているんだ」と、野心を否定して自分の真摯さを伝える時にも使えるフレーズです。
『BONES』流・覚え方のコツ
ホッジンズに「先生のお気に入りポジションを狙って暴走してる」と指摘されたアラストーの、動物の死骸山積みのカートを押して歩く姿を思い出してみてください。
周囲が少し引いてしまうほどの猛烈な前進力で、欲しい評価に向かって突き進む(buck)様子とセットにすると、このフレーズが持つ「前のめりな野心」のニュアンスが直感的につかめるようになります。
似た表現・関連表現
aim for
(〜を目指す、狙う)
目標に向かって努力するという意味では同じですが、buck for のような「猛烈なアピール」や「野心」のニュアンスは薄く、より客観的でフラットな表現です。
gun for
(〜を得ようと懸命になる、〜を執拗に狙う)
特定のポジションや賞などを何としてでも手に入れようとする、競争心の強い表現です。buck for と非常に近いニュアンスを持っています。
strive for
(〜を得ようと努力する、奮闘する)
こちらは「より良い状態」や「理想」に向かって真摯に努力を続けるという、ポジティブで誠実な響きを持つ表現です。
深掘り知識:躍動する「buck」という単語のイメージ
「buck」という単語は、名詞としては「雄鹿」や「ドル(お金の俗語)」を意味しますが、動詞として使われる時は非常にエネルギッシュな動きを表します。
ロデオで馬が後ろ脚で立ち上がって激しく暴れる動きも「buck」と言います。
この「暴れ馬のように勢いよく跳ねる、反抗する」というイメージから、「buck the system(体制に反抗する)」「buck the trend(流れに逆らう)」といった表現も生まれました。
今回の「buck for」も、馬が目標に向かって突進していくような、荒々しくも力強いエネルギーを感じさせる表現です。
単語の根底にある「躍動感」を意識することで、英語の表現力がさらに広がっていきます。
まとめ|野心と熱意を英語で表現しよう
今回は『BONES』シーズン7エピソード9から、「buck for」をご紹介しました。
このフレーズは、誰かが昇進やポジションを目指して熱心に動いている様子を「応援」として使うこともでき、また「あの人、必死すぎでは?」という少し皮肉めいた視点から使うこともできる、両面性を持った表現です。
文脈によってトーンが変わるので、ドラマのホッジンズのようにユーモアを交えて使いこなせると、会話の幅がぐっと広がります。
周りの出来事に重ねながら、ぜひ声に出して練習してみてください。


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