海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン7エピソード12から、「quite a departure」を紹介します。
「出発」しか知らなかった「departure」に、こんな使い方があったとは驚きませんか?
実際にそのシーンを見てみよう!
ブレナンたちをモデルにした映画の宣伝インタビュー映像をラボで見ているシーン。
インタビュアーが俳優たちに、今回の役作りについてテンポよく質問しています。
Interviewer:Uh, Blaine, what’s it been like playing a role like Special Agent Andy Lister?
(ブレイン、特捜官アンディ・リスターのような役を演じてみてどうでしたか?)Blaine:Awesome. Awesome!
(最高だよ。最高!)Interviewer:Now, Cherie, the role of Dr. Kathy Reichs must have been quite a departure for you.
(さて、シェリー。キャシー・ライツ博士の役は、あなたにとってかなりの新境地だったはずですよね。)Cherie:Actually, no, not at all. I feel like, in many ways, I could be Dr. Reichs. The only difference is maybe she went to college? But other than that, our essence is very, very similar.
(実はね、全然そんなことないの。いろんな意味で、私はライツ博士になれるって感じるわ。違いといえば、彼女が大学に行ったくらいかな?でもそれ以外は、私たちの本質はとてもよく似ているわ。)BONES Season7 Episode12(The Suit on the Set)
シーン解説と心理考察
インタビュアーは、華やかで少し抜けたキャラクターとして描かれているシェリーにとって、「天才法人類学者」という役柄が「かなりの挑戦(普段のイメージからの大きな逸脱)」だっただろうと推測して質問しています。
しかしシェリー本人は「大学に行ったかどうかくらいの違いしかない」と本気で信じており、全く動じません。
「でも本質はとてもよく似ているわ」という台詞が、このシーンのオチになっています。
インタビュアーが婉曲に「あなたにとって大きな挑戦でしたよね?」と問いかけるために選んだのが「quite a departure」。このフレーズが持つ丁寧かつ率直な語感が、シーンをより味わい深くしていますね。
「quite a departure」の意味とニュアンス
quite a departure
意味:(従来のものから)かなりかけ離れていること、大幅な方針転換、新境地
空港などで見かける「出発」という意味でよく知られる「departure」ですが、そこから転じて「これまでのやり方や習慣から離れる、逸脱する、新しい試みをする」という意味でも使われます。
「quite a(かなりの)」が付くことで、従来のものとのギャップが非常に大きいことを強調しています。
俳優のキャリアの転換、ブランドの新しいデザイン、企業戦略の大きな変化などを表現する際によく登場します。
【ここがポイント!】
このフレーズのポイントは「予想や標準からの大きな変化」という意外性のニュアンスです。
単に「違う」と言うだけでなく、「今までずっとこうだったのに、今回は思い切って別の方向へ踏み出した」という驚きが含まれています。
素晴らしい新境地というポジティブな意味でも、本来の良さからの逸脱というネガティブな意味でも使えるため、変化に対して自分の見方を述べる際にとても便利な表現です。
実際に使ってみよう!
This new album is quite a departure from their usual style.
(この新しいアルバムは、彼らのいつものスタイルからかなりかけ離れています。)
アーティストが音楽性をガラッと変えたときなどによく使われる定番のフレーズです。「from」とセットで覚えると応用が利きます。
She used to work in finance, but becoming a chef was quite a departure for her.
(彼女はもともと金融業界にいたけど、料理人になるのはかなりの転身だったね。)
人生の大きなキャリアチェンジを語るときにも使えます。身近な話題でも自然に使えるフレーズです。
The company’s new strategy represents quite a departure from the past.
(その会社の新しい戦略は、過去からの大幅な方針転換を示しています。)
企業がこれまでの伝統を打ち破り、全く新しい方向へ舵を切ったことを説明するビジネス表現です。
『BONES』流・覚え方のコツ
インタビュアーが「quite a departure」を選んだのには理由があります。
「普段のあなたとはかけ離れた役でしたね?」とストレートに言うと少し失礼になりかねない場面で、「quite a departure(かなりの新境地でしたよね)」と言い換えることで、挑戦をむしろポジティブに表現しています。
「失礼にならないよう、大きなギャップを婉曲に伝える言葉」として覚えておくと、実際の会話での使い時が見えてきますよ。
似た表現・関連表現
a complete change
(完全な変化、一変)
最もシンプルで直接的な表現です。「quite a departure」のような「これまでの習慣からの逸脱」というニュアンスよりも、単に状態が全く新しくなったという事実を伝えます。
break from tradition
(伝統からの脱却)
古いやり方や慣習を捨てて新しいことをする際に使われます。組織や業界の大きな変化を語るときに適した、やや硬い表現です。
step out of one’s comfort zone
(慣れ親しんだ場所から抜け出す、新しいことに挑戦する)
「quite a departure」のポジティブな面(新境地の開拓)に焦点を当てた表現です。不安を乗り越えて新しい領域に踏み出す、心理的な成長のニュアンスが含まれます。
豆知識:「departure」が持つ意味の広がり
「departure」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、飛行機や電車の「出発」ですよね。
英語の単語は、この「コアとなるイメージ(元の場所から離れていく動き)」を掴むと、複数の意味が自然とつながって見えてきます。
物理的な場所から離れるのが「出発(departure from Tokyo)」で、比喩的に古い習慣や過去のスタイルから離れるのが「方針転換・逸脱(departure from the past)」です。
一見全く違う意味に見えても、中心にある一つのイメージを理解するだけで、自然と使いこなせるようになりますよ。
まとめ|大きな変化や挑戦を英語で語ってみよう
今回は『BONES』から、従来のものから大きく変わることを意味する「quite a departure」を取り上げました。
「出発」という意味しか知らなかった方にとって、まさに英語学習の新境地を開く表現だったのではないでしょうか。
お気に入りのアーティストの新作、友人の思い切った転職、自分自身の新しい挑戦——そんな話題が出たとき、ぜひこのフレーズで「大きな変化」を表現してみてください。


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