海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『BONES』シーズン10第7話から、金額の大きさをスマートに強調できる表現「to the tune of」をご紹介します。
ビジネスニュースや日常会話でも頻繁に登場するフレーズで、「なんと〜もの大金で!」という驚きをさりげなく伝えられます。
数字を並べるだけでは伝わらないインパクトを加えたい時に、ぜひ使ってみてください。
実際にそのシーンを見てみよう!
ウォール街のヘッジファンドを捜査中のブースとオーブリー。
傲慢な社長バーンズが、新人トレーダーの大仕事を報告されると狂喜し、なんとFBI捜査官であるブースに分厚い札束を投げ渡して「彼への感謝の印として渡してやれ」と使い走りにしようとする場面です。
Barnes: New kid just shorted CDK to the tune of a million shares.
(新人がCDK株をなんと100万株もの規模で空売りしたぞ。)Barnes: Excellent. Please… pass this along as an expression of my gratitude.
(すばらしい。どうか……これを私の感謝の印として彼に渡しておいてくれ。)Booth: That was a joke, right? You just tossed him a lot of money.
(冗談だろ?今、大金を放り投げてよこしたぞ。)Barnes: Nine or ten thousand, I’d imagine——but it’s actually quite small considering he just made me $10 million.
(9千か1万ドルってところかな。だが、彼がたった今私に1000万ドル稼がせてくれたことを思えば、実際かなり少額だよ。)Bones Season10 Episode7 (The Money Maker on the Merry-Go-Round)
シーン解説と心理考察
「100万株(to the tune of a million shares)」という途方もない規模の取引成功を聞き、バーンズは狂喜します。
そして、捜査のためにオフィスを訪れたFBI捜査官であるブースに、何の躊躇もなく札束を投げ渡し「感謝の印として彼に渡しておいてくれ」と使い走りを命じます。
FBIをパシリ扱いする傲慢さと、「1万ドルなんて1000万ドルの前でははした金だ」と涼しい顔で言い放つ常軌を逸した金銭感覚——この場面のスケールの異常さが、「to the tune of」というフレーズの持つ「桁外れな規模の強調」というニュアンスと見事に重なります。
「to the tune of」の意味とニュアンス
to the tune of
意味:〜もの大金で、〜の額にのぼる、〜もの規模で
「tune」は「曲・メロディー」を意味する名詞ですが、「to the tune of 〜」というイディオムになると「(驚くほど)〜もの大金で」「〜もの多額にのぼる」という意味に変化します。
主に金額や数量の大きさを強調したい時に使われる、知的な印象を与える表現です。
単に事実を述べるだけでなく、「なんと〜ドルもの大金なんですよ!」という驚きや、「どうだ、すごいだろう」という誇張を込めたい時にとても効果的です。
経済ニュースでも頻繁に登場するので、ぜひ押さえておきたい表現です。
【ここがポイント!】
このフレーズが持つ感覚の核心は、「思わず目を見張るようなスケール感」にあります。
単なる数字の羅列ではなく、その金額が持つインパクトと重みを相手に強く印象づけたい時に使われます。
大儲けだけでなく、とんでもない出費や赤字を強調する際にも使えるのが大きな特徴です。
たとえば「He lost to the tune of a million dollars.(なんと100万ドルもの大損失を出した)」のように、ネガティブな金額にもそのままあてはめることができます。
実際に使ってみよう!
He had to pay alimony to the tune of one million dollars.
(彼はなんと100万ドルもの巨額の慰謝料を支払わなければならなかった。)
法外な支払いを表す例文です。ただ「支払った」と言うよりも、その金額の痛手と衝撃がリアルに伝わります。
We were slapped with a bill to the tune of five hundred dollars for just two steaks.
(たった2枚のステーキで、なんと500ドルもの請求書を突きつけられた。)
「信じられない高額だった!」という驚きを込めて語るのにぴったりです。「slap with a bill(請求書を突きつける)」とセットで使うと感情がよく出ます。
The city is planning a new project to the tune of three billion yen.
(市はなんと300億円規模の新規プロジェクトを計画している。)
ニュースやビジネスシーンでのフォーマルな使い方です。巨大プロジェクトの規模を客観的に強調できます。
『BONES』流・覚え方のコツ
バーンズ社長が「100万株だぞ!」と狂喜しながら、FBI捜査官に向けて札束をポーンと投げ渡すシーンを思い浮かべましょう。
「tune」は本来「曲や音の響き」を表します。
100万株という数字が、まるで大音量の「ジャーン!」という衝撃音(tune)として鳴り響くイメージを持ってみてください。
「ただの数字ではなく、思わず耳を疑うような大きな響き(tune)を持つ金額」と捉えると、このフレーズの強調のニュアンスが自然に頭に入ってきます。
似た表現・関連表現
in the neighborhood of
(およそ〜、約〜)
「neighborhood(近所)」を使い、「〜に近い金額」を表す表現です。「to the tune of」が金額の大きさを強調するのに対し、こちらは「大体そのくらいの額」と概算を示す客観的なニュアンスが強い表現です。
a cool [金額]
(なんと〜もの大金、きっかり〜)
金額の前に「a cool」をつけることで驚きを加える表現です。「a cool million(なんと100万ドル)」のように使われ、「to the tune of」よりも日常的でサラッとした印象があります。
upwards of
(〜以上、〜を上回る)
ある金額や数量を「超えている」ことを強調する表現です。「少なくとも〜以上はある」と下限から見積もって驚きを表す際によく使われます。
深掘り知識:「tune」が持つ「調和」という隠れた意味
「tune(曲)」がなぜ金額を表すイディオムになったのか——その背景には「調和(harmony)」という概念が隠れています。
英語で「in tune with 〜」は「〜と調和して、〜と意見が合って」という意味です。
「to the tune of [金額]」は直訳すると「[金額]というメロディーに合わせて」となりますが、これは「要求された金額に合わせて財布の紐を緩める(踊らされる)」あるいは「その桁外れな数字のペースに合わせて物事が進む」という比喩から来ています。
その大金自体が「場の空気を支配する強烈なBGM」のように機能している——そんなイメージです。
音楽用語である「tune」と生々しい「お金」が結びついているのは興味深いですよね。
こうした語源の面白さを知っておくと、フレーズに出会った時の「なるほど感」がぐっと深まり、記憶にも定着しやすくなります。
まとめ|数字にインパクトを加える英語の技を身につけよう
今回は『BONES』のウォール街を舞台にしたシーンから「to the tune of」の意味と使い方をお伝えしました。
ただ数字を述べるだけでなく、「なんと〜もの大金で!」という驚きとスケール感をスマートに伝えられるフレーズです。
大きな金額が登場するニュースやビジネスの会話でも、日常の「信じられない請求書!」という場面でも、きっと役立つ場面が来るはずです。
「この金額のインパクトを伝えたい」という時に、このフレーズをぜひ引き出しから取り出してみてください。

