海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
会議が脱線しそうな時、「そろそろ本題に戻りましょうか」と自然に切り出せたら便利ですよね。
今回は『BONES』シーズン10エピソード15のラボシーンから、話の流れをスマートに前へ進める表現 「move this along」 の意味と使い方を見ていきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
ラボでの中間報告のシーンです。
徹夜続きでフラフラのホッジンズが、研究の話を持ち込みかけた瞬間に自ら本題へと切り込みます。
それを見ていたカムが、思わず安堵の言葉を漏らします。
Hodgins: I’ve actually been up all night, so if you can focus before I keel over?
(実は徹夜続きでね。僕が倒れる前に、集中してくれないか?)Cam: Thank you, I thought I was gonna have to move this along.
(ありがとう。私から急かさなきゃいけないかと思ってたわ。)Hodgins: Right, whatever stabbed Dover was loaded with goodies.
(さて、ドーバーを刺した凶器にはお宝がたっぷり詰まってたんだ。)BONES Season10 Episode15(The Eye in the Sky)
シーン解説と心理考察
直前のシーンでホッジンズは、ビーカー実験で開発したelastomerの弾力性について語り始め、脱線しかけていました。
ジェファソニアン法医学研究所の所長を務めるカムは、天才肌で話が横道にそれがちな部下たちをまとめるのに、いつも頭を悩ませています。
しかしこの日のホッジンズは徹夜作業で体力の限界。一刻も早く報告を終わらせたい彼が、自ら空気を断ち切って本題に入りました。
カムの「Thank you」には、「今日は私から話を本題に戻さずに済んで助かったわ」という安堵と、ほんの少しの驚きが混じっています。
普段なら脱線役のホッジンズが、逆に場を仕切る側に回るというこのズレが、二人の関係性のおかしさと温かさを同時に伝えてくれる場面ですね。
「move this along」の意味とニュアンス
move this along
意味:(物事を)前へ進める、話を先に進める、はかどらせる
「move along」は「前に進む・立ち去る」という意味の熟語ですが、間に「this」や「things」を挟んで「move [物事] along」とすることで、「会議や作業を滞りなく前へ進める」という意味になります。
【ここがポイント!】
このフレーズが持つ最大の魅力は、「強制的に話を打ち切る」という高圧的な響きがなく、「本来の目的に向かってスムーズに進めていこう」という前向きなニュアンスを持つ点です。
会議で話が横道にそれた時や、ダラダラした雰囲気をピシッと引き締めたい時に、角を立てずに次のステップへ促せる便利な表現です。
実際に使ってみよう!
Let’s move this along so we can finish the meeting by noon.
(お昼までに会議を終われるよう、話を先に進めましょう。)
会議の進行役がよく使う定番の表現です。「Let’s」を付けることで、参加者全員で協力して進めようという前向きな姿勢が伝わります。
I don’t want to rush you, but we need to move things along.
(急かすつもりはありませんが、少しペースを上げる必要があります。)
「move things along」という形も頻繁に使われます。「I don’t want to rush you(急かしたくはないけれど)」と前置きすることで、相手への配慮を示しながら進捗を促せます。
The project is moving along nicely.
(プロジェクトは順調に進んでいます。)
進行形にすることで、「物事が滞りなく前へ進んでいる」という状況報告にも使えます。進捗を尋ねられた時のポジティブな返答として便利です。
『BONES』流・覚え方のコツ
徹夜明けのホッジンズが、自ら「倒れる前に集中してくれ」と場を仕切る場面を思い浮かべてみてください。
カムは「私が言わなきゃいけないかと思っていた(I thought I was gonna have to move this along.)」と言いました。
「move this along」は、誰かが言い出すのを待っている言葉です。
その一言を自分から言えるようになれれば、会話の流れを作れる人になれます。
似た表現・関連表現
wrap this up
(締めくくる、まとめる)
「move along」が「次の議題へ進む」のに対し、「wrap up」は「完全に終了させる」時に使われます。会議の最後に「そろそろまとめに入りましょう」と言いたい時に便利です。
get down to business
(本題に入る、仕事に取り掛かる)
雑談を切り上げて本題へ移行する時の表現です。ミーティングのアイスブレイクが終わった後などによく使われます。
hurry up
(急いで)
シンプルな表現ですが、相手に向けて使うと「急いで!」という強い命令のニュアンスになりやすいため、ビジネスやフォーマルな場では注意が必要です。
深掘り知識:「Anyway」「So」が生み出すトランジションの効果
ネイティブが “move this along” を使う際、いきなりこのフレーズを口にするよりも、直前に「つなぎ言葉(トランジション)」を添えるのが一般的です。
例えばカムのように徹夜明けで本題に入りたい状況なら、一息おいて “Anyway, let’s move this along.”(とにかく、話を先に進めましょう)と言ったり、明るいトーンで “So, moving along…”(さて、次に行きますが…)と切り出したりします。
この “Anyway” や “So” という短い言葉が、車のウィンカーのような役割を果たし、「これから話の方向を変えますよ」という合図になります。
このクッションがあるだけで英語の響きがぐっと自然になり、相手に不快感を与えずに会話の主導権を握れます。
フレーズ単体ではなく、この「つなぎ言葉とのセット」で使うのを意識してみてください。
まとめ|場の流れを動かす一言の力
「move this along」は、会話や会議が停滞した時に流れを作り直すための表現です。
カムがホッジンズに「Thank you」と言えたのは、この言葉を誰かが先に言ってくれたからでした。
話が脱線したな、と感じた瞬間に “So, let’s move this along.” とさらりと言える。
その一言が場の空気を動かし、会話を前へ進めてくれます。

