海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『BONES -骨は語る-』シーズン9第3話「El Carnicero en el Coche」は、ギャング絡みの事件を追う捜査と、スイーツが自分の過去の判断と向き合う展開が重なる回です。相手が誰かによって、言葉の踏み込み方がはっきり変わる会話が続くため、距離の測り方から英語の使い方を確認できます。
あらすじ(ネタバレなし)
『BONES -骨は語る-』S9E03では、路上に放置された車の中から遺体が見つかり、メキシコ系ギャングの抗争が絡む事件として捜査が始まる。ブースとブレナンは被害者の身元を追う一方、しばらくチームを離れていたスイーツが、ボランティア先で関わっていた若者とのつながりから捜査に呼び戻される。その周辺にはギャングの影がちらつき、彼自身もかつて関わった別の事件の記憶と向き合うことになる。証拠の分析と関係者への聴取が進むにつれて、事件の構図と人間関係の両方に少しずつ変化が生まれていく。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. make a big deal about
ちょっとしたことを必要以上に重大視して扱うという意味の表現。
Tow Truck Driver: No need to make a big deal about it.
(大げさに考えなくていいさ。)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
事件の発端となる車を巡って言い争っていたレッカー業者の一人が、相手に折れたあとで口にする一言です。譲歩したことをことさら恩着せがましくしない、軽い口調が特徴です。
2. sneak up on ~
相手に気づかれないよう、こっそり近づくという意味の表現。
Booth: I’m used to sneaking up on people.
(人に忍び寄るのには慣れてるんでね。)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
久しぶりに顔を出したスイーツを驚かせたブースが、自分の職業柄を理由に軽口をたたく場面です。FBI捜査官という立場を、日常のいたずらの言い訳に転用しています。
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3. fishing for ~
遠回しな言い方で、相手から何かを引き出そうとするという意味の表現。
Booth: I wasn’t fishing for a hug.
(ハグをそれとなくねだってたわけじゃない。)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
久々の再会にもかかわらず素っ気ないスイーツの態度に、ブースが不満をにじませつつも、直接それを認めずに茶化す場面です。本音を隠す軽口の裏に、寂しさがのぞきます。
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4. ruin the surprise
相手を驚かせる予定だった計画を、事前に明かして台無しにするという意味の表現。
Hodgins: Just didn’t want to ruin the surprise.
(ただ、サプライズを台無しにしたくなかっただけさ。)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
車の屋根を無断で切断したことをキャムにとがめられたホジンスが、悪びれずに冗談で切り返す場面です。証拠を早く見せたいという本音を、遊び心のある言い訳に変えています。
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5. chomp at the bit
早く行動したくて、いらだちながら待っている様子を表す表現。
Saroyan: Booth’s chomping at the bit.
(ブースが待ちきれずにうずうずしてるわよ。)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
証拠の回収を急がせるキャムが、待ち構えるブースの様子を一言で表す場面です。本人が目の前にいなくても、その苛立ちが伝わるような言い回しになっています。
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6. what’s the deal with
目の前の状況について、事情や理由を尋ねるときに使う表現。
Sweets: So what’s the deal with all these boxes?
(ところで、この箱の山は一体どういうこと?)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
キャロラインとの再会を軽くいなしたスイーツが、目の前に積まれた大量の資料箱について尋ねる場面です。世間話から捜査の本題へ、自然に話を切り替える働きをしています。
7. spill over
ある出来事の影響が、当事者の枠を超えて周囲にまで及ぶという意味の表現。
Sweets: All right, sometimes with a killing like this, when rival gangs are involved, it spills over onto innocent people.
(いいかい、こういう事件では、対立するギャングが絡んでいると、その影響が無関係な人たちにまで及ぶことがあるんだ。)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
連行されることを恐れる少年に対し、スイーツが穏やかな口調で状況を説明する場面です。相手を怖がらせないよう、抽象的な言い方であえて事件の重さを和らげています。
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8. none of your business
相手に立ち入る権利のない事柄だと突き放す言い方。
Neighbor: None of your business.
(お前には関係ない。)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
聞き込みに来たブースたちに対し、近隣住民の一人が敵意をむき出しにする場面です。この一言のあとに「Get lost.」と重ねることで、話し合う余地のない拒絶を示しています。
9. the other way around
逆の場合、立場が反対だったら。
Booth: Look, I am just saying, all right, if this was the other way around…
(いいか、俺はただ、もし立場が逆だったら……と言いたいだけなんだ。)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
スイーツにペラントの件を話すよう促すブースが、自分が同じ立場だったらという仮定を持ち出しかけて、途中で言葉を止める場面です。踏み込みすぎることを自分で抑えているのが分かります。
10. with all due respect
相手の立場や専門性を一応尊重しつつ、それに反する意見を述べるときの前置き表現。
Sweets: With all due respect to anthropology, he started to open up to me.
(人類学には失礼を承知で言うけど、彼は僕には心を開き始めたよ。)
BONES Season 9 Episode 3 (El Carnicero en el Coche)
少年が心を開かないだろうというブレナンの人類学的な見立てに対し、スイーツが自分の臨床的な手応えを対置する場面です。相手の専門性を立てながらも、自分の判断を譲らない言い方です。
このエピソードの英語学習ポイント
この回では、事件の関係者へ疑いをそのままぶつける言葉と、身内であるスイーツには気遣いを込めて踏み込む言葉が対照をなしている。前者は相手を拒む働きを持ち、後者は相手の心を開かせる働きを持つ。
事件の発端では、まだ互いに面識のない者同士が軽い言葉を交わす。レッカー業者は「make a big deal about」で譲歩をさりげなく片づけ、ブースはスイーツに「sneak up on ~」と自分の職業柄を持ち出して軽口をたたく。どちらも深刻さのない場面で、事件の重さが増していくのはこのあとになる。
聞き込みが進むにつれて、拒絶の言葉が前面に出てくる。近隣住民が浴びせる「none of your business」は、直後の「Get lost.」と合わせて話し合う余地を断つ言い方だ。怯える少年に対してスイーツが選ぶ「spill over」は、事件の影響範囲を抽象的に語ることで、相手を怖がらせずに事情を伝えようとする言い方になっている。同じ「事件の重さを伝える」場面でも、相手が誰かによって選ばれる言葉の硬さが変わる。
ラボの側では、証拠を巡るやり取りに軽い掛け合いが混じる。屋根を無断で切断したホジンスの「ruin the surprise」も、催促するキャムの「chomp at the bit」も、緊張した現場にもかかわらず茶化す余裕を残した言い方だ。緊迫した事件の場面でも、ラボの人物同士の言葉には遊びが残っている。
スイーツ個人の場面では、過去と向き合うことを促す言葉と、それをかわす言葉がせめぎ合う。ブースが「the other way around」と切り出しかけて言葉を止めるのは、踏み込みすぎることへの自制が働いた瞬間だ。キャロラインとの再会でスイーツが返す「what’s the deal with」は、重い話題を避けて実務的な話題へ逃げる働きを持っている。
事件の終盤、少年との関わりを巡ってブレナンとスイーツの見立てが分かれる場面では、スイーツが「with all due respect」を使って自分の判断を通す。相手の専門性を認める前置きを置きながらも、結論では譲らないという構成が、この一言の働きを支えている。
回を通して見ると、初対面の人物には軽さが残り、事件の当事者には拒絶や配慮の言葉が強く出て、スイーツ自身の過去が絡む場面では踏み込みと回避がせめぎ合う。同じ「距離を測る」働きの言葉でも、相手との関係の深さによって選ばれる語調が変わる点に注目すると、この回の会話がより立体的に見えてくる。
キャラクター別|英語の特徴
ブース|踏み込みかけて、自分で言葉を止める
この回のブースは、事件の関係者には率直に踏み込む一方、スイーツの過去については踏み込みかけて自分で言葉を止める。「You went across town so you didn’t have to deal with feeling responsible for what Pelant did.」(お前は、ペラントの件で責任を感じずに済むように、街の反対側へ行ってたんだろう。)と核心を突いたあと、「Look, I am just saying, all right, if this was the other way around…」(いいか、俺はただ、もし立場が逆だったら……と言いたいだけなんだ。)と続けかけて、文を最後まで言い切らずに止める。仮定の話を持ち出すことで、自分の言葉に一歩距離を置きながら相手に考えさせようとする言い方だ。容疑者や近隣住民に対しては言い切る形で踏み込むブースが、スイーツにだけは最後の一押しを控える。この加減の違いが、彼の言葉づかいの軸になっている。
スイーツ|人の心は分析するが、自分の過去は笑って流す
心理分析を仕事にするスイーツは、この回でも少年の心情を丁寧に言葉にする一方、自分自身の過去については冗談で流してしまう。ブースに「maybe you should talk to someone」と促されると、「The guy who hates talking to shrinks is telling me to talk to a shrink. That’s funny.」(心理士に話すのが嫌いな男が、僕に心理士に相談しろって言ってるのか。それは面白いね。)と、皮肉めかして話をそらす。一方で少年に対しては「with all due respect to anthropology, he started to open up to me」(人類学には失礼を承知で言うけど、彼は僕には心を開き始めたよ。)と、自分の手応えを率直に言葉にする。他人の変化には正面から向き合えるのに、自分自身の変化には笑いで蓋をする。この非対称さが、スイーツの言葉の特徴になっている。
ブレナン|人間関係の判断にも根拠を示してから結論を置く
ブレナンは、証拠だけでなく人間関係の判断についても、根拠を示してから結論を置く話し方をする。少年のもとへスイーツを一人で行かせることの是非が話題になった場面で、「I don’t often agree with Sweets, but a symbol of authority, the oppressor as you’d be seen, would not be helpful in there.」(スイーツにはあまり同意しないけれど、権威の象徴、つまりあなたが抑圧者として見られてしまうことは、あの場では助けにならないでしょうね。)と述べる。「あまり同意しない」という留保を先に置いてから、それでも今回は同意できる理由を論理立てて説明する構成になっている。感情ではなく「権威の象徴として見られる」という具体的な仕組みを根拠にする点に、ブレナンらしい距離の取り方が表れている。


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