海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「昨日のこと、よく思い出せない…」と、記憶にモヤがかかったような感覚になったことはありませんか?
今回は、そんな記憶の曖昧さを的確に伝える、日常会話でとっても便利な表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
記憶を失い、血まみれで目覚めたブレナンが病院に搬送された直後の緊迫した場面です。
地元のハーディング刑事は彼女を殺人事件の容疑者とみなし、衣服についた血液について厳しく問い詰めます。
Detective Harding: You were found covered in blood, Dr. Brennan.
(あなたは血まみれで発見されたのよ、ブレナン博士。)
Brennan: I know. But it’s not my blood.
(分かっています。でも私の血じゃありません。)
Detective Harding: Maybe we’ll get lucky and they won’t all come from you. Still hazy on the details?
(運が良ければ、全部があなたの血じゃないと分かるかもね。詳細についてはまだ曖昧なの?)
Brennan: I’m not hazy on the details. I…I don’t remember anything.
(詳細は曖昧なんじゃありません。私は……何も覚えていないんです。)
Detective Harding: Nothing?
(何も?)
Brennan: Um, Dr. Legiere knocking over a tray of instruments at the morgue. Then…mm…nothing.
(ええと、ルジエール博士が遺体安置所で器具のトレイをひっくり返して。それから……ううん……何も。)
BONES Season1 Episode19 (The Man in the Morgue)
ハーディング刑事の言葉には、「本当は全て覚えているんでしょう?」という強い疑念が込められています。
しかし、極めて論理的なブレナンは「記憶がぼんやりしていること」と「記憶が完全に抜け落ちていること」を科学的な事実として明確に区別し、刑事の言葉の定義を真っ向から訂正します。
窮地に立たされても事実を正確に伝えようとする、ブレナンらしい芯の強さが表れているシーンですね。
フレーズの意味とニュアンス
hazy on
意味:〜が曖昧だ、うろ覚えだ、はっきりしない
語源は気象用語の「haze(もや、霞、陽炎)」です。
真夏の道路に立ち上る陽炎や、湿った空気で遠くの景色が揺らいで見えにくい状態を表します。
そこから転じて、人の記憶や物事の理解が「霧がかかったように輪郭が掴めない」状態を指すようになりました。
【ここがポイント!】
単に「忘れてしまった」「知らない」と断言するのではなく、情報自体は頭のどこかにあるはずなのに、霞んでいてうまく見えないという、もどかしい感覚が核心です。
完全に忘れたわけではないけれど自信がない、という時に、とても重宝する大人のクッション言葉として使えますよ。
実際に使ってみよう!
日常やビジネスで「うろ覚え」を伝える便利なフレーズを見ていきましょう。
I’m a little hazy on what we discussed last week.
(先週話し合ったこと、ちょっとうろ覚えで……。)
ビジネスシーンで「忘れました」と言うより角が立たず、決定事項をもう一度確認したい時に便利なフレーズです。
I saw that movie years ago, so I’m hazy on the ending.
(その映画、何年も前に見たから結末が曖昧なのよね。)
日常会話で最もよく使うパターンです。「なんとなくは覚えているんだけど」という前置きとして活躍します。
Honestly, I’m still hazy on the difference between the two plans.
(正直なところ、その2つのプランの違いがまだよく分かっていません。)
記憶だけでなく「理解」が不十分な場合にも使えます。頭の中が整理できていないニュアンスが自然に伝わります。
BONES流・覚え方のコツ
「ニューオーリンズの湿った霧」とセットで記憶に焼き付けましょう!
このエピソードの舞台である湿地帯特有の、ジメジメとした視界不良な空気感と、ブレナンの頭の中を覆う不気味な記憶の霧。
あの景色がぼやけるイメージこそが、「hazy」の感覚そのものですよ。
似た表現・関連表現
fuzzy on
(〜がぼやけている、不鮮明だ)
hazyとほぼ同じですが、こちらは輪郭が毛羽立って(fuzz)ぼやけているイメージです。寝起きや疲れで頭が働かない時など、よりカジュアルな響きがあり、今回のフレーズよりも日常的なド忘れによく使われます。
foggy
(頭が霧がかった、ぼんやりした)
hazyよりもさらに視界不良な状態を表します。「コーヒーを飲んでいないから頭が真っ白」のように、思考がひどく停滞している時に使います。
unclear
(不明確な、はっきりしない)
こちらは「人の記憶や意識」ではなく、「情報や状況そのもの」が客観的に不明瞭な場合に使われます。状況の客観性に焦点を当てている点が大きな違いです。
深掘り知識:「hazy」が持つもう一つの顔
実はこの「hazy」という単語には、アルコールやショックで「意識が朦朧としている」という裏のニュアンスが含まれることがあります。
ハーディング刑事がここで意図的にこの言葉を選んだのは、「何かで頭がボーッとしているんじゃないの?」とブレナンに鎌をかけていたからかもしれません。
単語の選び方一つに、刑事の鋭い心理戦が隠されているんですね。
まとめ|「うろ覚え」も立派な会話術
全てを完璧に記憶している必要はありません。
「ちょっとそこ、hazyなんだよね」と素直に伝えることは、会話の誤解を防ぎ、相手に助け舟を出してもらうための賢いコミュニケーション術です。
あえて焦点をぼかしたい時、ぜひ使ってみてくださいね。


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