「suck up to someone」の意味と使い方|『フレンズ』S04E04で学ぶ英会話

「suck up to someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

自分がやらかしてしまった失敗を取り返すために、力を持っている相手に「とにかく機嫌を取ってこよう」と腹をくくった経験はありませんか。

そんな場面にぴったりの「suck up to someone」を、『フレンズ』シーズン4第4話の中盤、立ち退きを命じられたモニカがジョーイに「あの人にとことんへつらってこい」と命じるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「suck up to someone」の意味とニュアンス

suck up to someone
意味:〜にへつらう/ゴマをする/機嫌を取る

「suck up to someone」は、目上の人や力を持つ相手に気に入られようとして、過剰にお世辞を言ったり、従順に振る舞ったりすることを指す口語表現です。日本語の「ゴマをする」「おべっかを使う」にほぼ対応します。

大きな特徴は、基本的にネガティブで軽蔑的な含みを持つことです。実力ではなく媚びで得をしようとする態度への皮肉として使われることが多く、「あの人、上司にゴマすってばかり」のように、第三者を揶揄する場面でよく登場します。一方で、劇中のように「機嫌を取ってこい」と行動を促す形でも使えます。「up」と「to」がセットで、「相手に向かって(to)すり寄っていく(up)」という方向性を持っている点も押さえておきたいところです。

【ここがポイント!】

  • 「suck up to」の核は「相手にベッタリすり寄って機嫌を取る」イメージ
  • 基本的にネガティブ・軽蔑的な含みを持つ、皮肉まじりの口語
  • 「to」の後ろに機嫌を取る相手が来る、方向性のある表現

『フレンズ』S04E04のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ジョーイの勇み足がきっかけで、モニカとレイチェルが立ち退きを命じられてしまいます。事態を収拾するため、モニカが原因を作ったジョーイに、今度は管理人のトリーガーに徹底的にへつらってこいと命じるのがこの場面です。

Joey: He made Rachel cry!
(あいつがレイチェルを泣かせたんだぞ!)

Monica: Now, Joey, you go down there and you suck up to him. I mean, you suck like you’ve never sucked before.
(いい、ジョーイ、下に行ってあの人にとことんへつらってきて。今までにないくらいゴマをすってくるのよ)

Joey: Alright, I’ll try.
(分かった、やってみる)

Friends Season4 Episode4(The One With the Ballroom Dancing)

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シーン解説と心理考察

「suck up to him」と言ったあとに「suck like you’ve never sucked before」と畳みかけるモニカの言い回しに、状況の切迫感が表れています。

同じ「suck」を反復して「これまでにないほどゴマをすれ」と強調することで、なんとしても立ち退きを撤回させたいモニカの必死さが会話の温度を変えています。そこには、そもそも事態を招いたジョーイへの軽い八つ当たりのような響きもにじみます。

きれい好きで仕切り屋のモニカが、なりふり構わず「へつらってこい」と命じる姿は、彼女のキャラクターの一面がよく出た場面と言えます。「suck up to」というやや品のない口語が、この畳みかけによってコメディのテンポを生んでいるのも見どころです。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

モニカがジョーイの胸ぐらをつかむ勢いで、「今までにないくらいへつらってこい(suck up to him)!」とまくし立てる場面を思い浮かべてみてください。

「suck(吸い付く)」+「up to(〜に)」を、「相手にベッタリと吸い付いて機嫌を取る」動きとしてイメージすると、意味が体でつかめます。掃除機のノズルが壁に吸い付いて離れない様子と、上司にペタペタ張り付いて離れないゴマすりの姿を重ねてみると、「へつらう」という意味と、ネガティブな響きが一度に覚えられます。

例文で覚える「suck up to someone」

だれかに媚びる、機嫌を取る、という場面で活躍するフレーズです。ネガティブな含みを意識しながら、3つの例文で使い方を見てみましょう。

He’s always sucking up to the boss.
(彼はいつも上司にゴマをすってる)
おべっか使いの同僚を、少し呆れた調子で評する場面です。進行形にすると「〜してばかり」という、繰り返しへの皮肉が強まります。

You should suck up to him a little if you want that promotion.
(昇進したいなら、少しは彼に取り入っておいた方がいいよ)
処世術としての助言の場面です。劇中のモニカと同じ、「機嫌を取ってこい」と行動を促す使い方です。

A: Why is he being so nice to the new manager?
B: He’s just sucking up to her.
(A:彼、なんで新しいマネージャーにあんなに愛想いいの?)
(B:ただゴマすってるだけだよ)
同僚同士の会話で、露骨な媚びを見抜いて指摘する場面です。「just」を添えると、「どうせ〜なだけ」という冷めたニュアンスが加わります。

あわせて覚えたい関連表現

kiss up to someone
(〜にゴマをする/媚びる)
「suck up to」とほぼ同義のアメリカ英語の口語です。ニュアンスの差はほとんどなく、そのまま入れ替えて使えます。どちらもネガティブな含みを持ちます。

brown-nose
(おべっかを使う/ゴマをする)
より下品でスラング寄りの表現で、動詞にも名詞(brown-noser=ゴマすり野郎)にもなります。「suck up to」よりさらに露骨に軽蔑的なので、使う相手や場面には注意が必要です。

butter someone up
(〜をおだてる/機嫌を取る)
何か頼みごとをする前に「事前におだてておく」というニュアンスが強い表現です。継続的な媚びも指す「suck up to」に対して、こちらは特定の目的のための一時的なおだてを指すことが多い点が違いです。

Note|「へつらう」系フレーズの使い分け

英語には「へつらう」「ゴマをする」を表す口語がいくつもありますが、それぞれ下品さや使う目的に微妙な差があります。劇中の「suck up to」を入り口に、代表的な4つを整理してみましょう。

まず「suck up to」と「kiss up to」は、ほぼ同義で入れ替え可能な定番表現です。どちらも「相手にすり寄って機嫌を取る」という継続的な態度を指し、軽蔑的な響きを持ちます。次に「brown-nose」は、この中でもっとも下品でスラング寄り。露骨さが強いぶん、フォーマルな場では避けたい表現です。一方「butter someone up」は少し毛色が違い、「何か頼む前に、あらかじめおだてておく」という目的志向の表現です。継続的な媚びというより、その場の作戦としてのおだてを指すことが多くなります。つまり、下品さでは brown-nose が突出し、目的の一時性では butter up が際立つ、という整理ができます。

劇中のモニカが選んだのが「suck up to」だったのも、頼みごと前の一時的なおだてではなく、「とにかく徹底的に機嫌を取ってこい」という継続的なへつらいを命じているからだと読み取れます。

同じ「ゴマすり」でも、選ぶ言葉で伝わる温度が変わってくるのが面白いところです。

まとめ|モニカの命令に学ぶ「機嫌の取り方」

「suck up to someone」は、力を持つ相手にすり寄って機嫌を取る、という態度を表す口語です。

基本的にネガティブな含みを持つため、第三者を揶揄する場面でも、劇中のように「へつらってこい」と促す場面でも使えます。「to」の後ろに機嫌を取る相手が来る、という形さえ押さえておけば、会話にすっと乗せられます。

だれかが露骨に媚びている場面を見かけたときや、自分が誰かの機嫌を取る立場になったとき、その状況をひとことで言い表せる、そんな表現です。表現の引き出しに加えてみてください。

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