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今回扱うのは、BONES シーズン2 第19話「Spaceman in a Crater」に描かれる、宇宙飛行士の伴侶たちが互いに支え合うという文化です。亡くなった宇宙飛行士コロネル・ハワードの自宅を訪ねたブースとブレナンは、妻ジーン・マリーのそばに、同じ立場の女性たちが寄り添っている光景を目にします。
夫を宇宙へ送り出す家族が、どのように互いを支え合っているのか、この回の描写から見ていきます。
同じ立場の人だけが分かり合える、という言葉
自宅のリビングには、ジーン・マリーだけでなく、ロニ・ゴーワンとコリーン・アダムスという、同じく宇宙飛行士を夫に持つ女性たちが同席していました。夫が宇宙で過ごしてきた歳月について尋ねられたジーン・マリーは、こう答えます。
Jean Marie: All they ever think about is going back into space and all we ever think about it getting them back home.
(あの人たちはいつも宇宙に戻ることばかり考えていて、私たちはいつも、彼らを家に連れ戻すことばかり考えているの。)BONES Season2 Episode19 (Spaceman in a Crater)
夫たちの視線が常に宇宙へ向いているのに対し、残された家族の視線は常に「帰還」へ向いている、という対比がこの一言に表れています。この光景を見たブレナンは、率直にこう尋ねます。
Brennan: Is there some kind rule that astronauts’ wives travel in packs?
(宇宙飛行士の妻には、群れで行動するという決まりでもあるの?)BONES Season2 Episode19 (Spaceman in a Crater)
travel in packs(群れで行動する)は、本来は動物の群れの様子を表す言い回しですが、人間の行動にも比喩として使われ、常に一緒に行動するグループを指す時に使われます。ブレナンの率直な問いに対して、ジーン・マリーとコリーンはこう言葉を継ぎます。
Jean Marie: When you marry an astronaut, no one really understands except–
(宇宙飛行士と結婚すると、本当に理解してくれる人なんていないの、ただ――)Colleen: Except other people who are in the same situation.
(同じ立場にいる人たちだけは別だけれど。)BONES Season2 Episode19 (Spaceman in a Crater)
言い淀んだジーン・マリーの言葉を、コリーンが自然に引き取って締めくくっています。in the same situation(同じ状況にある)という一言に、当事者同士でなければ共有しにくい経験があるという実感が込められています。
支え合いは、実際の宇宙開発の歴史にもあった文化
聴取を終えた車内で、ブレナンは彼女たちの結束の強さについて率直な感想を漏らします。それに対しブースは、こう説明します。
Booth: What? They support each other, you know? A lot of service wives are like that.
(何だよ? 彼女たちは互いに支え合ってるんだよ。軍人の妻には、そういう人が多いんだ。)BONES Season2 Episode19 (Spaceman in a Crater)
service wives(軍関係者の妻たち)という言葉づかいから、ブースはこの支え合いを、宇宙飛行士家庭に限らず、軍関係の家庭に広く見られる文化として捉えていることがうかがえます。
実際に、アメリカの宇宙開発の歴史においても、宇宙飛行士の配偶者同士が支え合うコミュニティは記録されています。1960年代のマーキュリー計画の時代には、飛行士の妻たちが「打ち上げパーティー」を持ち回りで開き、事故が起きた際にはいち早く互いの家に駆けつけるなど、公式な組織ではない支え合いのつながりを築いていたと伝えられています。後年、女性の宇宙飛行士が増えたことを受けて、このコミュニティの呼び名も、性別を限定しないものへと変わっていったとされています。放送当時と現在とでは、組織の実態や制度面が異なっている可能性があるため、時代とともに形を変えながら続いてきた文化、という程度に留めて捉えておきたいところです。
まとめ|家族もまた、任務を共に背負っている
travel in packs、in the same situation、service wives。宇宙飛行士の伴侶たちの間で交わされる言葉には、夫を送り出す立場だからこそ育まれる連帯感が表れています。任務に挑むのは飛行士本人だけではなく、その帰りを待つ家族もまた、同じ時間を共有しているという実感がうかがえます。
支え合うコミュニティの存在が、この回の会話の端々から伝わってきます。
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