海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、BONES シーズン2 第19話「Spaceman in a Crater」に見られる、大金持ちを大げさに言い表す英語表現です。宇宙飛行士の死をめぐる捜査の合間、ホッジンスや宇宙旅行団体の代表アダム・バーの会話に、桁外れの金額をおどけて語る言い回しが次々と登場します。
数字を誇張して懐具合を語る、その言葉選びの面白さを見ていきます。
「gazillion」で桁を誇張する――multi-gazillion dollar と gazillionaires
ブースのオフィスでは、ホッジンスが資料をめくりながら、ある望遠鏡についてこう説明します。
Hodgins: Yeah. It’s a multi-gazillion dollar, deep space, multifrequency telescope that keeps needing “repairs.”
(ああ。何億ドルもする、深宇宙用の多波長望遠鏡で、しょっちゅう「修理」が必要になるんだ。)BONES Season2 Episode19 (Spaceman in a Crater)
gazillion は、具体的な数字を持たない「途方もない数」を表す口語表現です。million(百万)や billion(十億)の語尾 -illion を借りながら、実在しない桁の大きさをおどけて表す言葉で、「ものすごい数の」というニュアンスで使われます。ホッジンスはさらに multi- を頭に付け加え、誇張の度合いを一段と押し上げています。
続く場面では、ラボの通路を歩きながら、ホッジンスは民間の宇宙旅行事業についてこう語ります。
Hodgins: Celestial joyrides for gazillionaires. Selling seats on a spaceship that don’t even exist yet.
(大金持ち向けの、宇宙のお楽しみドライブだよ。まだ存在してもいない宇宙船の席を売ってるんだ。)BONES Season2 Episode19 (Spaceman in a Crater)
gazillionaire は、gazillion に「~の資産を持つ人」を表す -aire を組み合わせた語で、millionaire や billionaire のさらに上を行く「途方もない金持ち」を指します。celestial joyride(天空のお楽しみドライブ)という軽い言い回しと組み合わさることで、宇宙旅行ビジネスへのからかい混じりの視線が伝わってきます。
「swimming in dough」と「richer than God」――金持ちぶりを言い切る表現
ホッジンスは続けて、宇宙旅行を手がける実業家たちについてこう言います。
Hodgins: That’s what they want you to think, but these guys are swimming in dough. I already bought my ticket. I wanna see what’s going on up there with my own eyes. What?
(それは向こうがそう思わせたいだけで、実際こいつらは金がうなるほどあるんだ。俺はもうチケットを買ったよ。自分の目で上で何が起きてるか見たいんだ。何だよ?)BONES Season2 Episode19 (Spaceman in a Crater)
dough は「生地・練り粉」を意味する単語ですが、口語では「お金」を指すスラングとしても使われます。swimming in dough は「お金の中で泳ぐ」というイメージから「お金がうなるほどある」という意味を伝える言い回しで、swim in cash という形でも使われます。
FBI会議室での聴取では、航空宇宙会社を経営するアダム・バーが、自社の実績を強調しこう言い切ります。
Adam: You asked me to come, I’m here. I run a very successful aeronautics company. I’m richer than God. Do I appear to have lost contact with reality?
(あなたたちが呼んだから来たんだ。俺は航空宇宙関連の会社を経営していて、非常にうまくいっている。神様よりも金持ちだ。俺が現実感覚を失っているように見えるか?)BONES Season2 Episode19 (Spaceman in a Crater)
richer than God は、比較の基準として「神」という最上位の引き合いを持ち出し、資産の大きさを最大限に誇張する言い回しです。英語には「than + 極端な基準」で程度を強調する言い回しが数多くあり、宗教的な文脈というより、誇張のための比較対象として God が選ばれている、という言葉の仕組みが見えてきます。
まとめ|桁外れの金額を、遊び心で言い表す
gazillion、gazillionaire、swimming in dough、richer than God。いずれも具体的な金額ではなく、途方もなさそのものを伝えるために選ばれた言葉です。数字ではなく比喩や誇張で懐具合を語る、その言い回しの幅が見えてきます。
次回も『BONES』と一緒に、英語表現の面白さを見ていきましょう。
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