「かたい言葉」と「やさしい言葉」、英語での使い分け|『BONES』S01E02で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「かたい言葉」と「やさしい言葉」、英語での使い分け|『BONES』S01E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『BONES』シーズン1、第2話ではSUVの爆破事件をめぐる捜査が描かれますが、事件の背景を探る車内での会話には、英語の「かたい言葉」と「やさしい言葉」の対比がくっきりと表れています。

法医人類学者ブレナンの選ぶ格調高い語彙と、それに戸惑う捜査官ブースのやり取りを通して、同じ内容を伝えるにも語彙の選び方一つで印象が大きく変わることを見ていきましょう。

目次

ブレナン印の”かたい単語”――eschewとpositing a scenario

ブレナンとブースが車内で被害者の妻サハルの夫の動機について話す場面では、ブレナンが好んで使う学術的な語彙が次々と登場します。ブースが「宗教的な対立から追い詰められた末に殺人が起きたのでは」というシナリオを語ると、ブレナンはこう切り返します。

Brennan: That’s eschewed logic.
(それは、筋の通らない論理だわ。)

Booth: It’s what we in the law enforcement call positing a scenario. Don’t use the word eschewed.
(俺たち捜査関係者はそれを「仮説を立てる」って言うんだよ。あと、eschewedって言葉は使うな。)

BONES Season1 Episode2 (The Man in the SUV)

eschewは「避ける、遠ざける」という意味の動詞で、日常会話ではあまり耳にしないフォーマルな語です。同じ場面の少し後、ブレナンが会話の流れを「a natural segue」(自然な話題転換)と呼ぶと、ブースは「segueとeschewはもう使うな、フランス語っぽく聞こえるから」とうんざりした様子を見せます。segueはイタリア語由来で、話題や場面が滑らかに切り替わることを表す語です。positing a scenarioも、法執行機関で使われる言い回しとしてブースの口から紹介されており、やや専門的な響きを持っています。

「I need subtitles」と「disingenuous」――かたい言葉をやさしく言いかえる

ブレナンの語彙の高さは、他の場面でも繰り返しブースを困らせます。遺体の肝臓についてザックが専門的な説明を始めた直後、ブースはこうこぼします。

Booth: You know, I need subtitles walking in here.
(なあ、ここに入ってくるだけで字幕が要るぜ。)

BONES Season1 Episode2 (The Man in the SUV)

I need subtitlesは直訳すると「字幕が必要だ」ですが、ここでは「言っていることが難しすぎて分からない」という意味で使われるカジュアルな決まり文句です。専門用語だらけの会話で置いてけぼりになったときに使える表現と言えます。

同じエピソードの序盤、被害者の妻の民族的背景が捜査に影響したのではという指摘に対し、ブレナンは相手の言い分をdisingenuous(不誠実な、本音を隠した)と表現する場面もあります。事実を客観的に扱うブレナンらしい、婉曲だが手厳しい言葉選びです。

ここまで登場したかたい語彙を、やさしい言いかえとあわせて整理すると次のようになります。

かたい語彙 意味 やさしい言いかえ
eschew 避ける、遠ざける avoid
posit a scenario 仮説を立てる imagine what might happen
segue 自然な話題転換 (natural) transition
disingenuous 不誠実な、本音を隠した not fully honest

かたい語彙は知的な印象を与える一方、日常会話ではやさしい言葉に置きかえたほうが伝わりやすい場面も多いというのが、この車内のやり取りから見えてきます。

まとめ|かたい語彙とやさしい言いかえの往復

eschew、positing a scenario、segue、disingenuousといったかたい語彙と、そのやさしい言いかえを見てきました。ブレナンの高度な語彙とブースのつっこみの応酬からは、フォーマルな表現とカジュアルな表現を行き来する感覚がつかめます。

次回も『BONES』の会話から、場面に合った英語表現を見ていきましょう。

同じエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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