海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
書類に書かれた情報と、目の前の事実が食い違っている時、あなたならどう反応しますか?
今回は、骨の真実しか信じないブレナン博士のセリフから、相手の主張をバッサリ切り捨てる時の、切れ味鋭い英語表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
FBI副長官の娘エイミーが、骨移植手術後にがんを発症してしまいました。
ブレナンたちは、移植に使われたドナーの骨に問題がなかったかを調査しています。
助手ザックが医療記録を読み上げますが、実際の骨の画像を検証していたブレナンは、そのデータを即座に否定します。
Zack: Amy Cullen’s file states the donor of the bone was 25 years old…
(エイミー・カレンのカルテには、骨の提供者は25歳だったと記されていますが…)
Brennan: Well, I don’t buy it.
(そんなデータ、私は信じないわ。)
Hodgins: What about the aging disease?
(早老症の可能性は?)
Zack: I’ve seen progerian skeletons. This isn’t one of them.
(早老症の骨格は見たことあるけど、これは違うよ。)
Brennan: Look at the trabecular patterns. This donor was over 60.
(海綿骨のパターンを見て。この提供者は60歳を超えてるわ。)
BONES Season1 Episode20 (The Graft in the Girl)
「書類には25歳と書いてある」というザックの報告に対し、ブレナンは間髪入れず「I don’t buy it.」と言い放ちました。
通常なら「書類が間違っているはずがない」と躊躇するところですが、彼女にとって「骨」こそが絶対的な真実。
紙切れ一枚が何と言おうと、私の目の前にある科学的根拠(骨の状態)とは矛盾している。
自分の専門性への絶対的な自信と、権威ある医療記録であっても事実と異なれば即座に却下する科学者としてのプライドが、この短い一言に凝縮されていますね。
フレーズの意味とニュアンス
buy it
意味:(話を)信じる、受け入れる、鵜呑みにする
直訳すると「それを買う」ですが、日常会話では「相手の言い分(説明・言い訳・嘘)を価値あるものとして受け入れる」という意味で頻繁に使われます。
特にブレナンのように、否定形の I don’t buy it. で使われることが非常に多く、「その話は通らないよ」「胡散臭いな」という懐疑的なニュアンスになります。
【ここがポイント!】
単なる believe(信じる)との違いは、「情報の取捨選択」というニュアンスが含まれている点です。
お店で商品を手に取って「これは不良品だから買わない」と棚に戻すように、相手の提示した情報を「吟味した結果、採用に値しない」と判断して却下する、少しドライで知的な響きがあります。
実際に使ってみよう!
日常会話やビジネスシーンで、「その理屈には納得できない」と感じた瞬間に使ってみましょう。
He said his alarm didn’t go off, but I don’t buy it.
(彼は目覚ましが鳴らなかったと言ったけど、そんな言い訳、通用しないよ。)
遅刻の言い訳など、あからさまな嘘を「採用しない(=聞き入れない)」と一蹴する時の決まり文句です。突き返すような勢いが伝わりますね。
That sales pitch sounds too good to be true. I wouldn’t buy it if I were you.
(その売り文句、話がうますぎるよ。私なら真に受けないな。)
文字通り何かを買う場面だけでなく、怪しい勧誘や現実離れした提案に対する警告としても使えます。
She acts like she doesn’t care, but I don’t buy it. She’s definitely upset.
(彼女は気にしてないフリをしてるけど、騙されないよ。絶対動揺してる。)
相手の言葉と本音が違うと見抜いた時にも有効です。「その演技には乗らない」というニュアンスです。
『BONES』流・覚え方のコツ
「ブレナンの証拠鑑定」でイメージしましょう。
彼女の前には「真実(骨)」と「嘘(誤ったデータ)」という2つの証拠が並んでいます。
法廷に出せないような質の低い証拠は、たとえ公的なラベルが貼ってあっても、自分の頭の事件ファイルには「採用しない=I don’t buy it」。
厳格な鑑定眼で、疑わしい情報を「No, thanks」と拒否する姿を想像してください。
似た表現・関連表現
swallow
(〜を鵜呑みにする、丸飲みする)
buy よりも「疑いもせずに騙されてしまう」というニュアンスが強くなります。
fall for
(〜に騙される、ひっかかる)
信じてしまった「結果」や「罠にはまる」感覚に焦点を当てる場合に使います。
wash
((説明などが)通用する、説得力を持つ)
否定文で That excuse won’t wash with me. のように使い、話そのものの強度に注目した表現です。
深掘り知識:なぜブレナンは「buy it」を選んだのか?
ブレナンといえば、普段は難解な学術用語を好んで使うキャラクターです。
そんな彼女が、なぜあえて believe のような一般的な単語ではなく、口語的でカジュアルなイディオム buy it を使ったのでしょうか。
そこには、「こんな矛盾したデータ、学術的に検討する価値すらない」という彼女の呆れとスピード感が表れています。
believe が「(人間性を含めて)信用するかどうか」という少し重い判断を含むのに対し、buy it は目の前の情報に対して「買うか、買わないか」の二択。
感情を挟まず、論理の不備だけを瞬時に見抜いて「却下!」と切り捨てる、天才科学者ならではのコミュニケーションスタイルがこの一言に隠されています。初心者から上級者まで、どのレベルの英語学習者にとっても、こういったニュアンスの違いは新しい発見になりますよね。
まとめ|情報の目利きになろう
科学者であるブレナンたちが真実にたどり着けるのは、目の前の情報を安易に buy(承認)しないからです。
情報過多な現代社会、私たちも彼女のように「心の目利き力」を持ちたいですね。
会話の中で「おや?」と思ったら、心の中でそっとつぶやいてみましょう。I don’t buy it. と。


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