海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
久しぶりに会った知人に「最近どう?」と聞かれたとき、あなたならどう答えますか?
絶好調というわけではないけれど、特に不満もない。
あるいは、実はすごく順調だけど、自慢げに聞こえるのは避けたい…。
そんな絶妙なニュアンスを、たった一言でスマートに伝えられる魔法のようなフレーズがあるんです。
「I’m fine」や「Good」ばかりの単調な返答から抜け出して、大人の余裕とこなれ感を演出できるネイティブの定番表現。
今回は、そんな実用性抜群のフレーズを一緒にマスターしていきましょう!
実際にそのシーンを見てみよう!
20年前に埋められたタイムカプセルを掘り起こすため、高校の同窓生たちが集まっている場面です。
昔話に花を咲かせる中、当時のスクールカースト上位陣が言葉を交わします。
Man in crowd: You can’t complain, Stinston. You married the head cheerleader.
(文句は言えないだろ、スティンソン。チアリーダーのトップと結婚したんだからな。)Terry: Lucky I did.
(幸運だったよ。)Terry: And now we have a wonderful kid who’s a Senior, right here at Foot Hill. Alex, take a bow.
(そして今や、ここフットヒル高校の最上級生である素晴らしい息子がいる。アレックス、お辞儀を。)
BONES Season3 Episode7 (The Boy in the Time Capsule)
シーン解説と心理考察
アメリカの高校には独特のスクールカーストが存在し、アメフト部のスターやチアリーダーは常にその頂点に君臨します。
このシーンに登場するテリーは、まさにその勝者ですね。
美しい妻と優秀な息子に恵まれ、同級生からは「お前は成功者なんだから文句なんてないだろ」と羨望と冷やかし半分の声をかけられています。
テリーはそれを否定せず、「幸運だったよ」と余裕の笑みで返します。
自分の順風満帆な人生を大げさにひけらかすことはせず、しかし確かな優越感と現状への満足感をにじませる。
そんな絶妙な心理状態がこの一言に凝縮されています。
フレーズの意味とニュアンス
can’t complain
意味:文句は言えない、まあまあ順調だ、悪くない
直訳すると「文句を言うことができない」となりますが、日常会話では「不満を言うほどの悪いことはない=順調だ、悪くない」という意味の決まり文句として非常によく使われます。
自己主張が重視され、自分の意見や不満をはっきりと口にすることが多い英語圏の文化において、あえて「文句がない」と表現すること。
それは、現状に対する深い感謝や、物事を達観して受け入れる大人の余裕を感じさせます。
絶好調!と大声で叫ぶのではなく、静かに、そして確実に今の生活に満足していることを伝える粋な表現なのです。
【ここがポイント!】
ネイティブは、あえて「ネガティブな要素がない」と表現することで、控えめにポジティブな状況を伝える傾向があります。
大げさに自慢して相手に引かれたくない時や、そこそこ上手くいっている現状をサラッとクールに伝えたい時に、このフレーズは特有のこなれ感を出してくれます。
実際に使ってみよう!
How’s the new project going? – Well, I can’t complain. The team is really supportive.
(新しいプロジェクトはどう? ー まあ、悪くないよ。チームがすごく協力的でね。)
ビジネスシーンでの立ち話にぴったりの使い方です。完璧ではないかもしれないけれど、環境には恵まれていて順調に進んでいるというニュアンスが伝わります。
We didn’t get the ocean view room, but the hotel is lovely, so we can’t complain.
(オーシャンビューの部屋は取れなかったけど、素敵なホテルだから文句は言えないね。)
旅行や日常生活で、100点満点の希望通りではなかったものの、十分に満足している妥協点を見つけた際の前向きな言葉として活躍します。
The coffee here is amazing. I can’t complain about anything this morning.
(ここのコーヒー最高。今朝は何ひとつ文句のつけようがないよ。)
後ろに「about anything」をつけることで、「〜について文句のつけようがない=最高だ」と、満足感をさらに強調して伝えることができます。
BONES流・覚え方のコツ
チアリーダーの妻と優秀な息子を傍らに置き、同級生から羨望の眼差しを向けられるテリーの誇らしげな表情を思い浮かべてみましょう。
「お前、最高に幸せだろ」と言われて「まあね、文句はないよ」と肩をすくめるような、少し生意気で余裕のあるイメージと結びつけてみてください。
このフレーズが持つ控えめな自慢のニュアンスが、スッと記憶に定着しやすくなりますよ。
似た表現・関連表現
could be worse
(もっと悪くなる可能性もあった=まだマシだ、悪くない)
「can’t complain」と似ていますが、こちらは少しネガティブな状況の中で「最悪の事態は免れたからよしとしよう」と自らを慰めるようなニュアンスが含まれます。
not too shabby
(悪くないね、けっこう良いよ)
shabby(みすぼらしい)ではない、つまり「なかなか良い」という意味の口語表現です。予想していたよりも結果が良かった時などによく使われます。
so far, so good
(今のところ順調だ)
進行中の物事について「ここまでは問題ないよ」と伝える際によく使われる、軽快な定番フレーズです。
深掘り知識:挨拶の返答でわかる心の距離感
英語の挨拶では、How are you?に対して「I’m fine, thank you.」と返すのが定番と習いますが、実際のネイティブ同士の会話では、その日のテンションや相手との関係性に合わせて様々なバリエーションが使われます。
初対面やフォーマルな場では「Good」や「Great」と明るく返すことが多いですが、気を許した同僚や友人に対しては、今回のような「Can’t complain(悪くないよ)」や、「Not too bad(まあまあだね)」のように、肩の力が抜けた表現を選ぶことが多々あります。
言語は違っても、あえて感情を抑えめに表現して相手との心地よい距離感を図る感覚は、日本の「ぼちぼちです」「おかげさまで」といった感覚に少し似ていて親近感が湧きますね。
まとめ|大人の余裕を演出する魔法のフレーズ
いかがでしたか?
今回は、日常会話で頻出する「can’t complain」をご紹介しました。
絶好調と自慢するわけでもなく、不満をこぼすわけでもない。
現状への静かな満足感をサラッと伝えるこの表現をマスターすれば、ネイティブとのちょっとしたスモールトークもぐっと自然で深みのあるものになるはずです。
ぜひ、今日の会話から取り入れてみてくださいね。


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