海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は、人気ドラマ『BONES』シーズン4エピソード6から、日常会話でとても便利な表現「chance it」をご紹介します。
直訳からは少し想像しにくいこのフレーズ、ネイティブはどのような場面で使っているのでしょうか。
一緒に詳しく見ていきましょう。
実際にそのシーンを見てみよう!
朝の出勤時、混み合うオフィスのエレベーターでの一コマです。
急いで乗り込んできたハミッドの手には、外で買ってきたコーヒーが。それを見た同僚たちが会話を始めます。
Chip: Is our coffee machine still broken?
(うちのコーヒーメーカー、まだ壊れてるの?)
Hamid: It was on Friday and I couldn’t chance it.
(金曜の時点ではね。一か八か賭けるわけにいかなかったんだ。)
Christine: Well, I filled out a 1612 repair authorization for office equipment under two hundred dollars, but I never heard back.
(ええと、200ドル以下のオフィス機器修理の1612番の申請書には記入したんだけど、まだ返事がないのよ。)
Ted: Man, this guitar is bitchin’.
(なあ、このギター最高にいかしてるぜ。)
BONES Season04 Episode06 (The Crank in the Shaft)
シーン解説と心理考察
週明けの慌ただしい朝、エレベーター内でのリアルな日常会話です。
金曜日に会社のコーヒーメーカーが壊れていたため、ハミッドは「月曜日も直っていないかもしれない」と考えました。
朝のコーヒーは彼にとって死活問題。
もし直っていなかったらコーヒーを飲み損ねるというリスクを避けるため、外で確実に買ってくるという安全策を取りました。
そんな彼の「リスクを冒せない」という切実な心理が、この一言に見事に表現されています。
フレーズの意味とニュアンス
「chance it」は、「一か八かやってみる」「運に任せてみる」「あえて危険を冒す」という意味を持ちます。
名詞の「機会」「偶然」として馴染み深い「chance」ですが、ここでは動詞として「運に任せてやってみる」「危険を冒す」という意味で使われています。
後ろに漠然とした状況を指す「it」を伴うことで、「結果がどう転ぶか分からないけれど、とりあえずやってみる」というニュアンスを生み出します。
【ここがポイント!】
このフレーズの核心は「ネガティブな結果になる可能性(リスク)を承知の上で行動する」という点にあります。
単に挑戦するのではなく、失敗の確率が見えている状況で使われます。
ドラマのシーンのように、「cannot chance it(危険を冒せない、そんなリスクは取れない)」と否定形で使われることが非常に多く、ネイティブの日常会話で頻出する形です。
実際に使ってみよう!
It looks like it might rain, but I don’t have an umbrella. I’ll just have to chance it.
(雨が降るかもしれないけど、傘がないんだ。一か八か行くしかないな。)
天気が崩れるリスクを承知の上で、そのまま出かける決断をする場面です。日常のちょっとしたピンチにとてもよく使われます。
We don’t have a reservation, but let’s chance it and see if they have a table.
(予約していないけど、席が空いているか一か八か行ってみようよ。)
人気レストランなどにダメ元で行ってみる際の一言です。「see if」と組み合わせることで、より自然な会話の流れを作ることができます。
I know the deadline is tight, but I can’t chance it by rushing and making careless mistakes.
(締め切りが厳しいのは分かっていますが、急いで不注意なミスをするようなリスクは冒せません。)
ビジネスシーンで、確実性を優先したい時に使える表現です。否定形で使うことで、思慮深く慎重な態度を相手に伝えることができます。
BONES流・覚え方のコツ
ハミッドがエレベーターに持ち込んだ、テイクアウトのコーヒーカップを思い浮かべてみてください。
「会社のコーヒーメーカーが直っている方に賭ける(chance it)」よりも、確実に美味しいコーヒーを飲むことを選んだ彼の姿とセットにしましょう。
「リスクを取らない=cannot chance it」という否定形の使い方が、情景とともにスッと記憶に定着するはずです。
似た表現・関連表現
take a risk
(リスクを取る、危険を冒す)
chance it よりも少し硬く、より重大な結果を伴う選択をする際に使われます。ビジネスや人生の大きな決断などでよく耳にする、責任を伴うニュアンスがあります。
push one’s luck
(調子に乗る、欲張る)
すでに幸運な状況にいるのに、さらに多くを求めてリスクを冒すという意味合いです。「Don’t push your luck.(あまり調子に乗らない方がいいよ)」という忠告としてよく使われます。
risk it
(危険を冒す、思い切ってやってみる)
chance it とほぼ同じ意味で使えますが、riskの方がより「危険性」に焦点が当たっています。少しカジュアルに運試しをするchanceに比べ、ネガティブな結果をより強く意識した表現です。
深掘り知識:「chance」の語源はサイコロの目?
動詞として活躍する「chance」ですが、実はその語源をたどるとラテン語の「cadere(落ちる)」に行き着きます。
古フランス語を経て英語に入る過程で、「サイコロが落ちて出た目」を意味するようになりました。
そこから「偶然」「運」「可能性」という意味へと派生していったのです。
そう考えると、chance it が「一か八かサイコロを振ってみる」というニュアンスを持っていることにも深く納得がいきますよね。
言葉の成り立ちを知ると、直訳では見えなかったネイティブの感覚にグッと近づくことができますよ。
まとめ|リスクを英語でスマートに表現しよう
いかがでしたか?今回は「chance it」という、日常のちょっとした賭けや、逆に慎重になりたい場面で大活躍するフレーズをご紹介しました。
動詞としてのchanceを使いこなせると、会話の幅がぐんと広がります。
ぜひ、日々の出来事の中で「一か八かやってみるか!」という場面に遭遇したら、心の中でこのフレーズをつぶやいてみてくださいね。
これからもドラマを通じて、生きた英語を一緒に楽しんでいきましょう。


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