海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
圧倒的に不利な状況に立たされた時、あなたならどう切り抜けますか?
今回は凄腕検事の現実的な提案から、ピンチを乗り切るためのスラング表現をご紹介します。
実際にそのシーンを見てみよう!
ニューオーリンズで殺人容疑で逮捕されてしまったブレナン。
ブースは彼女を救うため、ワシントンDCから優秀な連邦検事キャロリンを呼び寄せます。ブレナンに事件当日の記憶がない中、キャロリンは現実的な妥協案を提示します。
CAROLYN JULIAN: A jury is never going to believe this amnesia story.
(陪審員はこの記憶喪失の話なんて絶対に信じないわ。)
BOOTH: Well, but it’s true.
(ああ、でもそれが真実なんだ。)
CAROLYN JULIAN: Maybe this is true, too. Legiere tried to rape you. He was a notorious horn dog. We claim self-defense, cop a plea. You’re out in three years.
(こっちが真実かもしれないわよ。ルジエールがあなたをレイプしようとした。彼は悪名高い女好きだった。正当防衛を主張して、司法取引をするの。3年で出られるわ。)
BOOTH: Nah, I don’t care what it looks like or how you’re reading the evidence, Carolyn. She didn’t do it.
(いや、どんな状況に見えようと、あんたが証拠をどう読もうと構わない、キャロリン。彼女はやってないんだ。)
BONES Season1 Episode19 (The Man in the Morgue)
キャロリンはブレナンの無実を信じるかどうかよりも、いかに刑を軽くするかという「勝てる戦術」を重視しています。
証拠が圧倒的に不利な状況で、陪審員が信じない記憶喪失で無罪を主張するより、被害者の素行不良を利用して「正当防衛」のストーリーをでっち上げる方が確実だと判断しているのです。
真実を追求するブースと、嘘を混ぜてでも実利と自由を優先する凄腕検事の、アメリカ司法のシビアな現実がくっきりと表れていますね。
フレーズの意味とニュアンス
cop a plea
意味:司法取引をする、罪を認めて減刑を求める
copは警察官という意味でお馴染みですが、動詞としては「手に入れる、掴み取る」という意味があります。
pleaは「嘆願、弁解、答弁」です。
この2つが組み合わさり、軽い罪を受け入れる(手に入れる)ことで重い刑罰を回避するという、アメリカ特有の司法制度を指すスラングとなりました。
【ここがポイント!】
この表現の核心は、全面的に白旗を揚げるのではなく、ダメージコントロールのために戦略的に妥協するという点にあります。
法廷ドラマの必須用語ですが、日常会話でも「言い訳をやめて素直に非を認める」「早めに謝って事を荒立てないようにする」という比喩として使われる、少しユーモアのある大人の表現です。
実際に使ってみよう!
法廷だけでなく、日常のちょっとしたトラブル回避に使えるフレーズを見ていきましょう。
I forgot our anniversary. I’m just going to cop a plea and buy her flowers.
(記念日を忘れちゃったんだ。素直に罪を認めて彼女に花を買っていくよ。)
パートナーとの関係で、言い訳をして事態を悪化させるよりも、早めに非を認めて謝罪(減刑)を狙う大人の処世術として使えます。
I messed up the report, so I’ll cop a plea before the boss finds out.
(報告書でミスをしたから、上司にバレる前に自首して罪を認めるよ。)
仕事のミスを隠さず、自分から先に報告してダメージを最小限に抑えようとする賢明なダメージコントロールの表現です。
The lawyer advised him to cop a plea rather than risk a trial.
(弁護士は彼に、裁判の危険を冒すよりも司法取引をするよう勧めた。)
こちらは本来の法的な意味での使い方です。海外のニュースや、ビジネスでの重大なコンプライアンス違反の話題などでも耳にする表現です。
BONES流・覚え方のコツ
キャロリンの超・現実主義な提案で覚えましょう!
記憶喪失のまま無実を証明するという困難な裁判を戦うよりも、手っ取り早く「3年で出られる」という確実な妥協案を掴み取る(cop)賢さ。
綺麗事よりも自由という結果を優先する、あのシビアな戦術こそが cop a plea です。
似た表現・関連表現
plead guilty
(有罪を認める)
cop a pleaの正式な法律用語に近い表現です。取引のニュアンスはなく、単に法廷で「私がやりました」と罪を認める行為そのものを指します。
take the blame
(罪をかぶる、責任をとる)
自分が悪かったと認めて責任を背負う表現です。取引をしてダメージを減らそうとする打算的なニュアンスはなく、潔く非を認める時に使われます。
plea bargain
(司法取引[名詞]、司法取引をする[動詞])
cop a pleaとほぼ同じ意味で使われますが、こちらの方がニュースや新聞などで使われるフォーマルな表現です。ドラマの中の会話ではcop a pleaの方がよく好まれます。
深掘り知識:「Cop」の多彩な使い道
名詞の警官(Cop)として有名なこの単語ですが、動詞として使うと「ひょいっと手に入れる」という便利なスラングになります。
例えば、セールで安く服を買えた時に I copped a new jacket! と言ったり、ひどい態度をとる人に Don’t cop an attitude with me.(ふてくされた態度をとるな)と言ったりします。
司法取引(plea)をひょいっと手に入れる(cop)という成り立ちを知ると、少しズル賢いニュアンスが見えてきて面白いですよね。
まとめ|時には負けるが勝ち
絶対に引けない真実がある時は戦うべきですが、日常の些細なミスや喧嘩では、早めにcop a plea(罪を認める)してしまった方が、結果的に平和でいられることも多いですよね。
賢く妥協してピンチを切り抜けたい時、ぜひ心の中でこのフレーズを呟いてみてください。


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