「diplomatic immunity」から知る、外交特権という制度|『BONES』S02E06で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 「diplomatic immunity」から知る、外交特権という制度|『BONES』S02E06で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回取り上げるのは、BONESのシーズン2第6話。事件の捜査には、外交特権を持つコロンビアの判事一家が関わってきます。

劇中の会話をきっかけに、外交特権という制度の仕組みを見ていきます。

目次

「I have diplomatic immunity」から見る、特権が及ぶ範囲

バーで呼び止められた場面です。声をかけたブースとブレナンに対し、アントニオは抵抗しながらこう主張します。

ANTONIO: My name is Antonio Ramos! Call the Colombian embassy, I have diplomatic immunity.
(俺の名前はアントニオ・ラモスだ! コロンビア大使館に連絡しろ、俺には外交特権がある。)

BONES Season2 Episode6 (The Girl in Suite 2103)

その後、取調室でラドスウェルから抗議を受けたブースは、外交特権の及ぶ範囲を自分の言葉で説明します。

BOOTH: Uh, diplomatic immunity doesn’t mean I can’t question him. It means I can’t throw him in jail.
(外交特権があるからといって、尋問できないわけじゃない。ただ、彼を刑務所に放り込むことができないだけだ。)

BONES Season2 Episode6 (The Girl in Suite 2103)

外交特権は、1961年に採択された外交関係に関するウィーン条約を根拠とする国際法上の枠組みで、一般的には、赴任先の国の刑事・民事の手続きから外交官を保護するものとされています。ただし、実際にどこまで保護が及ぶかは国や立場によって扱いが異なるとされ、劇中のブースの説明も、複雑な制度を会話向けに単純化したものと捉えるのが自然です。

「persona non grata」と「waive」ー特権が及ばなくなるとき

ブースは、アントニオの外交特権をどうにか無効にできないか、FBI庁舎の廊下でラドスウェルに持ちかけます。

BOOTH: I want you to have the kid declared persona non grata because of his previous offenses. That gets rid of diplomatic immunity.
(前科があることを理由に、あの息子を好ましからざる人物に指定してほしい。そうすれば外交特権はなくなる。)

BONES Season2 Episode6 (The Girl in Suite 2103)

persona non grata(好ましからざる人物)は、ラテン語に由来する外交用語です。一般的には、受け入れ国が特定の外交関係者を「歓迎しない」と宣言できる制度とされ、ウィーン条約第9条は、受け入れ国が理由の説明なしにこの宣言を行えると定めているとされています。宣言を受けた側が応じない場合、外交上の地位が事実上失われることにつながるとされています。

もう一つの道筋として描かれるのが、特権を自ら手放すという選択です。FBI庁舎で、ラドスウェルはドロレスにこう持ちかけます。

RADSWELL: Might I make a suggestion? Waive your diplomatic immunity and be tried fairly here in the United States.
(ひとつ提案してもよろしいでしょうか。外交特権を放棄して、ここアメリカで公正な裁判を受けてはいかがでしょう。)

BONES Season2 Episode6 (The Girl in Suite 2103)

家族の様子をうかがったのち、ドロレスは短くこう答えます。

DOLORES: I waive diplomatic immunity.
(外交特権を放棄します。)

BONES Season2 Episode6 (The Girl in Suite 2103)

一般的には、外交特権の放棄は送り出す国家自身が明示的に行うものとされ、劇中のように個人の判断だけで完結する場面は、ドラマとしての簡略化と捉えるのが自然です。それでも、特権が固定的なものではなく、状況に応じて手放しうる仕組みとして描かれている点は、劇中の会話からも読み取れます。

まとめ|劇中の会話から見る、外交特権という仕組み

外交特権を主張する場面から、尋問はできても収監はできないという線引き、persona non grataという手続き、そして特権を自ら放棄するという選択肢まで、劇中の会話で説明される制度の仕組みを見てきました。

一つのセリフの背景に、国際法上の枠組みが広がっていることが見えてきます。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事や他のコラムでも扱っています。


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