ドラマで学ぶ英会話|『BONES』S6E20に学ぶ「lie by omission」の意味と使い方

lie by omission

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

「嘘はついていない、ただ言わなかっただけ」——そんな言い訳、通じると思いますか?
今回は『BONES』シーズン6第20話から、知的でクールな表現 「lie by omission」 をご紹介します。

目次

実際にそのシーンを見てみよう!

事件解決後、行きつけのバーで語り合うブースとブレナン。
ハンナとの別れの際にブレナンが支えてくれたことへの深い感謝を「あえて言葉にしなかった」と語るブースに対し、ブレナンが鋭く切り込むラストシーンです。

Booth:It meant the world to me.
(俺にとっては、それが全てだったんだ。)

Brennan:But you didn’t tell me, so you lied by omission.
(でも言ってくれなかった。だから不作為の嘘をついたのよ。)

Booth:Well, you didn’t ask me.
(だって、君は聞かなかったじゃないか。)

BONES Season6 Episode20(The Pinocchio in the Planter)

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シーン解説と心理考察

今回のエピソードでは「嘘を一切つかず、常に正直でいること」の是非が問われました。
論理的で事実を重んじるブレナンは当初その考えを支持していましたが、様々な事件の真相に触れる中で、「優しい嘘」や「沈黙」の価値にも気づき始めます。

このシーンの直前、ブレナンが「私は exceptional なパートナーよ」と言い、ブースが「Yes, you are.」と静かに認める場面があります。
自分の価値を知りつつも言葉で確認したくなるブレナンの複雑な心情が、続く問いかけに深みを与えているんですよね。

ブースが過去の辛い時期への感謝を打ち明けると、ブレナンは嬉しく思いながらも「なぜ今までその重要な事実を隠していたの?」と詰め寄ります。
事実を言わないことは嘘をつくことと同じだとして、法的な響きを持つ「lie by omission」という言葉でブースを論破しようとするブレナン。
「聞かれなかったから」と優しく微笑んでかわすブース。
理屈っぽくもどこか嬉しそうな二人の噛み合いが、この上なく愛おしいシーンです。

「lie by omission」の意味とニュアンス

lie by omission
意味:不作為の嘘、都合の悪い事実を意図的に隠すこと、言わないことによるごまかし

「lie(嘘)」と「omission(省略・不作為)」を組み合わせた表現です。
積極的に偽りの事実を口にするのではなく、「相手に伝えるべき重要な事実をあえて言わない」ことによって相手を勘違いさせたり、真実から遠ざけたりする行為を指します。

「嘘はついていない(ただ言ってないだけだ)」と言い逃れようとする相手に対して、「情報を隠したこと自体が嘘だ」と指摘する際に使われる、非常にロジカルで鋭い言葉です。

【ここがポイント!】

このフレーズのコアイメージは 「意図的な情報のコントロール」 です。

「うっかり忘れていた」のではなく、「知っていてわざと言わなかった」という明確な意図が含まれる点が重要です。

相手の言い訳を許さず、事実関係を厳密に問い詰めるような論理的な響きがあります。
日常会話にポンと放り込むと、とても知的でクールな印象を与えるフレーズです。

実際に使ってみよう!

He didn’t tell me he was married, which is clearly a lie by omission.
(彼は結婚していると言いませんでした。それは明らかに不作為の嘘です。)
自分に不利な情報を隠して近づいてきた相手を指摘する場面です。「嘘はついてない」と逃げる相手をきっちり追い詰める表現ですね。

The company committed a lie by omission when they didn’t mention the product’s side effects.
(その会社は、製品の副作用に言及しなかったことで、不作為の嘘をつきました。)
意図的にリスクや欠陥を隠す行為を指します。少しフォーマルな響きを持つ表現なので、消費者問題やニュースの文脈でもよく見かけます。

Leaving out that part of the story is still a lie by omission.
(その部分を省いても、やはり不作為の嘘になりますよ。)
「都合の悪いことだけ黙っている」という状況に対して、冷静かつきっぱりと指摘する場面で使えます。ブレナンのようにロジカルに相手を諭したい時に重宝する、知的な響きの表現です。

『BONES』流・覚え方のコツ

「聞かれなかったから言わなかっただけだ」と弁解するブースに対し、ブレナンが理詰めで「それは lie by omission よ!」とビシッと指摘するやり取りを脳内で再生してみましょう。

「omission=意図的なパス・省略」 というイメージを持ち、自分に都合の悪い部分だけを黒塗りにした書類を相手に突き返しているブレナンの姿を想像してみてください。
理系や法律系の単語が日常会話に溶け込む、海外ドラマならではのクールな響きとともに記憶に焼き付けましょう。

似た表現・関連表現

keep someone in the dark
((人)に秘密にしておく、何も知らせないでおく)
「暗闇の中に置いておく」という意味で、意図的に情報を与えずに蚊帳の外に置くことを指します。「lie by omission」よりカジュアルで、日常会話やサスペンスドラマで非常によく使われるイディオムです。

cover-up
(隠蔽、もみ消し)
政治的なスキャンダルや企業の不正などを組織ぐるみで隠し通すことを指す名詞です。「lie by omission」が個人レベルの情報操作のニュアンスを持つのに対し、こちらはよりスケールの大きな事実隠蔽に使われます。

half-truth
(一部の事実を隠したごまかし)
事実の一部だけを話し、肝心な部分を隠して相手を誤解させる手法です。「lie by omission」と非常に近い概念ですが、「巧妙に事実を切り貼りして騙す」というニュアンスが強調されます。

深掘り知識:論理で相手を追い詰める「ディベート文化」

「lie by omission(不作為の嘘)」という言葉は、本来は法学や心理学などで使われる専門的な用語です。
しかし英語圏のドラマを見ていると、こうしたアカデミックな語彙が恋人同士のケンカや日常の議論の場でごく自然に飛び出してきます。

これは、感情論だけでぶつかるのではなく、論理的に相手を説得したり、自分の感情や相手の行動を正確な言葉で定義づけたりすることを重んじる英語圏特有の「ディベート文化」が背景にあるからです。
「あなたは嘘つきだ!」と感情的に怒るのではなく、「あなたのその態度は『lie by omission』に該当する」と冷静なロジックで追い詰める。
この知的で少し理屈っぽいコミュニケーションスタイルこそが、『BONES』の最大の魅力でもあります。

言葉の背景にある文化を知ると、キャラクターの息遣いがよりリアルに聞こえてきて、英語学習がぐっと楽しくなりますね。

まとめ|知的な表現でコミュニケーションに深みを

今回は『BONES』のラストシーンから、心理の核心を突く 「lie by omission」 を解説しました。

感情的になりがちな場面でも、こうした知的な語彙を一言はさむだけで、相手との議論をより冷静に、深く前に進めることができます。
「言っていない」は「嘘をついていない」とイコールではない、という視点を持つだけで、自分自身が誰かに何かを伝える時の言葉の選び方も変わってきます。
このフレーズは、英語を学ぶだけでなく、コミュニケーションそのものを見つめ直すきっかけにもなってくれるはずです。

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